第三者保守/EOSL保守サービス市場に関する調査 

2017年05月31日
矢野経済研究所は、国内の第三者保守/EOSL 保守サービス市場の調査を実施した。

<第三者保守サービス、EOSL 保守サービスとは>
本調査における第三者保守サービスとは、IT システムのハードウェア(サーバ、ストレージ、ルータ・スイッチ等のネットワーク関連機器、PC 等)を対象として、製品メーカーではない第三者企業が提供する企業向けのハードウェア保守サービスを指す。そのうち、対象製品のメーカー保守期間終了(End Of Service Life)後に製品メーカーではない第三者企業が提供する IT システムのハードウェア保守サービスを EOSL 保守サービスとする。

<第三者保守/EOSL 保守サービス市場とは>
本調査における第三者保守/EOSL 保守サービス市場は、製品メーカーではない第三者企業による、オンサイト又はセンドバックでの修理・メンテナンス、代替部品の提供等の企業向けハードウェア保守サービス売上高を合算し算出した。

【調査結果】

◆2016年度の第三者保守サービス市場は、前年度比113.2%の86億円
 2016年度の国内第三者保守サービス市場(事業者売上高ベース)は、前年度比113.2%の86億円となった。第三者保守サービス市場が成長している理由は、煩雑なハードウェア保守業務を柔軟な対応が可能な第三者保守サービス事業者に一本化して任せたいというニーズが高まっているためである。またコスト削減を目的として、第三者保守サービスを利用するユーザー企業も増加している。その他、IT技術の幅が広がる中で、IT技術者の不足が進んでいるため、一部のITサービス事業者が工程別に専門特化を進めており、保守分野において第三者保守サービス事業者をビジネスの協業先とするケースが出てきている。こうした流れも市場の成長を後押していくと推測する。第三者保守サービス市場(同ベース)は2014年度から2020年度まで年平均成長率(CAGR)8.7%で推移し、2020年度の同市場規模は、112億6千万円に達すると予測する。

◆EOSL保守サービスは、コスト削減、リプレースの延期、環境問題などが成長要因
 第三者保守サービスのうち、メーカー保守期間終了(End Of Service Life)後に製品メーカーではない第三者企業が提供するEOSL保守サービスも、コスト削減を目的として大手ユーザー企業の利用が拡大している。EOSL保守サービスであれば、メーカーの保守期間終了後も企業はITシステムを入れ替えなくて済むためである。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピック前、2018~2019年のシステム更改予定に向けて、リプレース時期を延期しているユーザー企業も多く、それがEOSL保守サービスの利用を拡大している。その他にも、環境問題を背景にした「まだ使えるハードウェアを捨てるのはもったいない」という風潮の広がりもEOSL保守サービスの利用を増やしていると考える。


【調査概要】
調査期間:2016 年 11 月~2017 年 5 月
調査対象:第三者保守サービス提供事業者
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・E メールによる取材、ならびに文献調査を併用

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[矢野経済研究所]
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