KPMGグローバル・HRトランスフォーメーション調査2016(世界52ヵ国、人事担当エグゼクティブ対象) 

2017年01月11日
KPMGコンサルティングは、KPMGが世界規模で企業の人事部門担当エグゼクティブを対象に実施した意識調査、「KPMGグローバル・HRトランスフォーメーション調査2016 ― クラウドHR 未来のための決断」(以下:HRトランスフォーメーション調査)の日本語版を刊行しました。

企業を取り巻く環境変化のスピードは、従来からの伝統的な人事管理システム(以下:HRMS)や人事管理業務(以下:HR業務)モデルでは追いつかなくなっています。企業の人事部門担当者は、事業のグローバル化をはじめ、デジタルテクノロジーの進化、コンプライアンスの強化など複雑な対応が求められるなか、HR業務に革新的な変革をもたらすクラウドベースのソリューションに注目しています。KPMGが実施したHRトランスフォーメーション調査では、HR業務におけるクラウドシステムへの投資が増加傾向にあることが明らかになる一方、単にクラウドシステムを導入するだけでは、HR業務の真の変革は実現できないということも明らかになっています。


【クラウドHRへの期待は、「事業にもたらされる付加価値の増加」】
企業が新しいHRMSを導入する際、クラウドベースのソリューションを選択するエグゼクティブの割合が大幅に増えています。また、検討中と回答したエグゼクティブの多くが、クラウドを選択する可能性がある、と回答しています。また、クラウドベースのHRソリューションに最も期待することとして、69%のエグゼクティブが「機能性の向上」と回答したほか、63%のエグゼクティブが「HRにより事業にもたらされる付加価値の増加」と回答するなど、クラウドシステムの導入は単にITプロジェクトに留まらず、HR業務の変革を実現する手段として期待していることが窺えます。

【クラウドHR導入により得られている価値は限定的】
一方、HR業務の変革においてクラウドの可能性に着目し、既に導入を試みた企業の多くが、新たな厳しい現実に直面していることも、今回の調査で明らかになっています。クラウドの導入により、「管理情報の利用可能性の改善」と回答したエグゼクティブは53%、また「プロセス改善やワークフローなどのプロセス管理の改善」を挙げたエグゼクティブは53%いる一方で、「より優れた価値を推進するための人事機能の再構成が可能になった」と回答したエグゼクティブは24%に留まったほか、「従業員間の連携やフィードバックが改善された」との回答はわずか13%でした。

クラウドベースのHRソリューションは、従来からのシステムに比べ導入が迅速で安価なほか、従業員の機動性の向上を実現するアクセシビリティーや、機能の継続的なアップグレードによる拡張可能性と柔軟性を実現します。しかし、「従業員データ」を他の有用なビジネスデータへと自動的に関連付けてはくれません。HRは、従業員データをエンゲージメントや顧客販売データ、顧客満足度などの主要データと関連付けることによってのみ生産的なインサイトや予測能力、更に真の価値を生み出すことができるといえます。高度に関連付けされたデータベースを実行可能なインサイトへ変換するスキルや利害関係者の関与を促すためのスキルがあって初めて有効に活用できます。それによりデータアナリティクスやコグニティブコンピューティングによる優れた意思決定、および、これまでにないレベルのコスト削減と効率性を可能とし、企業戦略に寄与する、真のHR業務変革を実現できるといえます。


【「KPMGグローバル・HRトランスフォーメーション調査2016」について】
「KPMGグローバル・HRトランスフォーメーション調査2016」は、世界52ヵ国、854名の人事担当エグゼクティブを対象に、2016年2月から3月にかけて実施いたしました。本調査は、今回で19年連続、19回目の実施となります。

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