インドの消費実態と今後のトレンド(インド国内30拠点で、約10,000人を対象に実施した消費者調査) 

2017年03月30日
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は BCG 顧客インサイト・センター(Center for Consumer Insight、以下 CCI) の調査に基づく、インドの消費実態と今後のトレンドについてのレポート、「The New Indian: The Many Facets of a Changing Consumer」を発表しました。

インドの家計消費は年平均 12%増加、2025 年までに現在の約 3 倍、4 兆ドルへ
インドにおける家計消費の予想増加率は年平均 12%と、グローバル平均(5%)の倍以上であり、インドは 2025年までには消費総額 4 兆ドル、世界第 3 の消費大国となると推計されます。本レポートではこうした高い成長率は、以下のトレンドの影響を受けていると分析しています(図表 1)。

・富裕層(高収入層)による消費が全体の 40%を占めるようになり、富裕層が最大の消費セグメントとなる
・人口 100 万人未満の新興都市における消費の成長率が最も高く、2025 年までには新興都市における家計消費が全体の 1/3 を占めるようになる
・核家族化が進行し、2025 年には核家族が全世帯数の 3/4 を占めるようになる
・消費のデジタル化が進む。2025 年にはインターネット経由の消費が全体の 8%~10%を占め、インターネットに影響を受けた購買が小売売上高の 30%~35%に上るようになる

都市化・核家族化・インターネット
こうしたトレンドの中でも、新興都市の成長率が最も高いという、インド特有の都市化パターンは消費拡大に特に大きな影響を与えると考えられます(図表 2)。2025 年までには、インドの人口の 40%が都市部に居住し、都市部の住民による消費は全体の 60%以上に上ると推計されます。すでに、新興都市の消費の年平均成長率は 14%と、大都市の消費成長率 12%を上回っています。こうした新興都市における消費には、大都市とは異なる特徴が見られます。たとえば、新興都市ではお得感や価格に対する価値を重視する、消費が地域のカルチャーと密接に結びついている、自身の経済状況に関して保守的な見通しを持つ、という傾向が強く見られます。

核家族化も同様に重要なトレンドです。インドでは、大家族制(親と、結婚した兄弟やその子女から成る世帯)が一般的でしたが、過去 20 年間にわたり、核家族(単身世帯および夫婦・カップル、または夫婦・カップルと未婚の子女)の割合が増加してきました。2025 年までには核家族世帯の比率は 74%に上昇すると推計されます。
核家族世帯の一人当たり消費は大家族世帯に比べ 20%~30%多いと言われているため、これはマーケティング関係者にとって非常に重要なトレンドとなります。

また、インターネットもインドの消費に多大な影響を与えています。インターネットを利用して買い物をする人の数は過去 3 年間で 7 倍に増え、現在では 8,000 万~9,000 万人となっています。購入の前後にインターネットで商品について調べるなど、インターネットの影響を受けた購買は、2025 年までに 5,000 億~5,500 億ドルに、小売売上高に占める割合は 30%~35%に上ると推計されます。


【調査概要】
BCG CCI がインド国内 30 拠点で、約 10,000 人を対象に実施した消費者調査。所得階層ごとに、50 のカテゴリーにおける消費パターンなどについての調査を行った。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[BCG]
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