アクセンチュア調査:フィンテック投資の世界市場 

2017年04月06日
アクセンチュアの最新調査によると、グローバルにおける2016年1~12月のフィンテックベンチャー企業への投資額は、中国で超大型案件が相次いだことを主因として、前年比10%増の232億ドルに達しました。なお本調査は、ベンチャー企業の財務データ収集・分析業務を国際的に行う、CB Insights社が提供するデータをアクセンチュアが分析したものです。

2016年のフィンテック投資額は、アジア・パシフィック地域が2015年の52億ドルから112億ドルへと2倍以上の増加となり、初めて北米における投資額を上回りました。なお、北米における投資額は92億ドル、欧州は24億ドルでした。

投資案件数に関しては、すべての主要地域で急増し、2015年の約1,200件から約1,800件へと拡大しました。ただし、投資金額面での増加は、主に中国と香港における案件によるものであり、わずか3%の案件が投資総額の43%近くを占めています。

また、日本における2016年のフィンテック投資額は1億5,400万ドルとなり、6,500万ドルであった昨年から倍増しています。注目すべき投資領域としては、ビットコインなどを含む決済関連が6,200万ドル規模となっており、最も多くの投資が行われる領域となっています。また、グローバルでの動向と同様にロボ・アドバイザーといったウェルス&アセットマネジメント関連への投資もみられました。

アジア・パシフィック地域のフィンテック投資を中国が牽引
2016年のフィンテック投資額をみると、いくつかの超大型案件の貢献により、中国と香港のみで102億ドルに達しており、これはアジア・パシフィック地域の投資総額112億ドルの91%を占めています。事実、アジア・パシフィック地域における2016年の上位10件の投資案件はすべてが中国と香港におけるものであり、その投資額はアジア・パシフィック地域の投資総額の82%に達しています。

最大の投資案件は、中国のオンライン決済プラットフォーム「Alipay」を運営する、Eコマース大手Alibaba Group Holding傘下の金融サービス企業「Ant Financial Services Group」が、2016年4月に実施した45億ドルの資金調達でした。また、Lu.comとしての事業展開を進めているPing An傘下の「Lufax」が、2016年1月に実施した12億ドルの資金調達、さらに同月、中国第2位のEコマース企業「JD.com」が、消費者金融子会社であるJD Financeのために新たに10億ドルを調達したことも、フィンテック投資総額を押し上げる要因となりました。

2016年は「不確実性の年」
2016年、北米と欧州においてもフィンテック投資案件数は堅調に伸びたものの、投資総額は減少しました。CB Insightsのデータによると、2016年のアジア・パシフィック地域以外における投資案件数は48%増加しましたが、投資総額は24%減少しました。英国のEU離脱の決定が主要なフィンテック市場で政治的な不確実性を増加させたことや、米国大統領選の期間中に金融規制改革の問題が過剰に注目を集めたことなどが要因と考えられます。


【調査手法】
本調査は、グローバルでベンチャー企業の財務データ収集・分析業務を行う調査会社「CB Insights」が提供するフィンテック投資データに基づいてアクセンチュアが分析を加えたものです。調査対象には、ベンチャーキャピタルおよび未上場企業、株式会社および企業のベンチャーキャピタル部門、ヘッジファンド、アクセラレーター、政府系ファンド等における国際的な投資活動が含まれています。また対象となるデータは2010年から2016年までのものです。さらに、本レポートでは、フィンテック企業を、銀行業務やコーポレートファイナンス、キャピタルマーケット、財務データ分析、決済や個人向けの財務管理等に関して様々なテクノロジーを提供する企業と定義しています。

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