キャンピングカーユーザーの旅行実態調査 

2017年04月05日
日本RV協会は、キャンピングカー旅行を楽しんでいるユーザーに対し、旅行の同行者、旅行を計画するときの主な目標、宿泊傾向、キャンピングカー仲間の交友関係といった項目に分けて、“くるま旅”の最新動向を調査しました。

 その結果、旅行の同行者においては「夫婦2人」が半数以上を占め、旅行を計画するときの目標は「行ってみたい観光地」を中心に決められている様子が浮かび上がってきました。
 また、4割に近いユーザーが「仲の良いキャンピングカー仲間」を持っており、お互いに車両情報や旅行情報の交換を楽しんでいることも判明しました。

【調査結果】

■旅の同行者の主流は「夫婦2人」だが、“おひとりさま”旅行者も増加中

 この調査は、2月18日から3月17日にかけて、当協会のホームページに寄せられた約200件のアンケートデータをもとに行われました。
 その結果、キャンピングカー旅行をするときの家族構成においては、「夫婦2人」というケースが大半を占め、全体の半数を超える56.0%に達していることが分りました。これは「キャンピングカー白書」(2016年版)における「旅の同行者」として浮かび上がった「夫婦2人」(62.9%)という回答をほぼ裏付けることになりました。
 この回答に続き、「夫婦+子供たち」という答が26.4%を占めて次点に挙がりましたが、これも「キャンピングカー白書」で示された28.3%という数値に近い状態を示しました。
 ただ、「キャンピングカー白書」で6.2%という数値を獲得して3位に挙がった「自分1人」という回答は、本調査ではさらに9.3%まで上昇し、最近さまざまな市場調査で目にするようになってきた“おひとりさま”マーケットの拡大を裏付ける傾向を示しました。(図表1)

■旅の計画を立てるときは「行ってみたい観光地」が中心

 また、キャンピングカー旅行をする前に、どのような基準で旅行計画を立てるかという調査においては、「行ってみたい観光地を中心に全体の計画を立てる」という答が38.6%を獲得してトップに挙がりました。
 次点は「旅行日数がどれくらい取れるかによって、計画を立てる」(21.1%)というものでした。3番目には「季節に応じて、その季節に合った計画を立てる」(14.6%)という回答が続きました。(図表2)

 これら上位三つの回答が、いずれも具体的な旅行目標として設問に掲げた「キャンプ場」「温泉」「グルメスポット」「祭りなどのイベント」「子供が楽しめる遊び」といった具体的な旅行目標を抑えたことから、多くのユーザーが、公共交通機関では行くことができないようなところへ出掛けることができるキャンピングカーならではのフレキシブルな対応力や機動力を生かした柔軟な旅行計画を練っている様子が浮かび上がってきました。これは、疲れたら道の駅や高速道路のSA・PAでいつでも休息が取れるというキャンピングカーのポテンシャルの高さを示した回答であると解釈していいでしょう。

■旅行中は必ずしも「車中泊」にこだわらないキャンピングカーユーザー

 さて、キャンピングカーユーザーは、旅行中にホテルや旅館という宿泊場所を利用することがあるのでしょうか。
 くるま旅クラブ株式会社が運営している「湯YOUパーク」システムはもとより、当協会が運営している「RVパーク」システムにおいても、その管理者が旅館やホテルであるものが多数あります。また観光地によっては、キャンピングカーで車中泊するよりも、ホテルなどの宿泊施設を利用した方がいろいろなサービスを受けることができます。はたしてキャンピングカーユーザーは、旅行中にこのような宿泊施設を利用することがあるのでしょうか。
 それを尋ねたところ、半数を超える55.7%のユーザーが「旅行中にホテルなどに泊まることは全くない」と答えましたが、「よくある」「ホテルなどに泊まることが時々ある」、あるいは「ごくまれにある」などと答えた人も44.3%に達し、キャンピングカーという“宿泊空間”があったとしても、旅行中に宿に泊まるユーザーが少なくないという様子も浮かび上がってきました。(図表3)

 では、宿に泊まる人たちの理由はどのようなものなのでしょうか。
 それを尋ねたところ、「気分転換のために」(25.3%)、「旅をする前から、そのホテル・旅館に着いたときは部屋を取ることに決めていた」(24.0%)、「部屋を取ると、ついでに温泉に入ったり、食事を取ることができる」(24.0%)という回答がほぼ同率で並んで上位を占めました。(図表4)

 このことから、キャンピングカーに就寝機能があるといえども、ユーザーたちは状況に応じて、さまざまな宿泊環境を楽しんでいる様子が伝わってきました。

■キャンプ場泊の場合は、テント泊を経験しているユーザーも半数

 では、ユーザーのキャンプ場利用率はどのようなものなのでしょうか。
 それを調べたところ、「過去にキャンプ場泊をしたことはあるが、今はキャンプ場泊をあまり考えていない」(44.7%)という回答がトップに立ちました。
 しかしながら、2泊3日から1週間程度のキャンピングカー旅行の場合は、「1泊ぐらいはキャンプ場に泊まっている」という人の率は27.2%に達し、これに、「旅行中はだいたいキャンプ場泊が中心となる」(12.3%)、「2泊ぐらいはキャンプ場に泊まっている」(11.4%)、「3泊ぐらいは泊まっている」(4.4%)という回答を加えると、1週間以内のキャンピングカー旅行の場合、55.3%のユーザーがキャンプ場泊を行っているという状況が浮かんできました。(図表5)

 キャンプ場泊には、「セキュリティーが保証される」、「椅子・テーブル・オーニングなどが使える」といった数々の利点がありますが、「アウトドア気分が味わえる」といった魅力の存在も見逃せません。その魅力を象徴するのがテント泊です。
 では、キャンピングカーユーザーは、キャンプ場に着いたらテントを張ることもあるのでしょうか。
 これに関しては、半数を超える57.5%のユーザーが「テントは持っていない」と答えましたが、かつて子供と一緒に旅行していたときにテント泊を経験したユーザーは23.6%。また現在も子供たちと一緒に出掛けるときはテントを張るユーザーが11.3%存在し、キャンピングカー旅行といえども、子供がいればキャンプ場ではテントを使うケースがあることを教えてくれました。
 また子供がいる・いないにかかわらず、キャンプ場泊の場合は「キャンプ場泊をする場合は、必ずテントも張って地面の上で寝ている」(5.7%)というアウトドア派の存在も確認できました。(図表6)

■キャンピングカー仲間との情報交換も近年活発に

 「キャンピングカー旅行の楽しさ」をテーマとして取り上げたとき、“キャンピングカー仲間との交流”が話題になるケースが結構あります。はたしてユーザーは実際にキャンピングカー仲間を持っているのでしょうか。
 それを尋ねた結果、「仲の良いキャンピングカー仲間がいる」と答えた人は37.4%、「いない」と答えた人は62.6%となり、およそ4対6という比率になりました。(図表7)

 そこで、「いる」と答えた人たちに、“出会いのきっかけ”を尋ねてみたところ、「旅行先などで知り合った」(21.9%)、「キャンピングカークラブに入会して知り合った」(17.2%)というケースが目立つ結果となりました。(図表8)

 近年、キャンピングカークラブの活動も活発になっており、夫婦2人だけの旅でも、同じような仲間が増えることによって楽しさが倍増しているという結果も多く報告されるようになりました。この傾向は、キャンピングカー人口の増加にともなって、今後ますます顕著になっていくと思われます。
 では、“クラブキャンプなどのキャンピングカー仲間”との集まりでは、いったいどのような楽しみ方が生まれているのでしょうか。上位三つの回答は下記のようなものになりました。

 (1) 夜、酒など酌み交わしながらのよもやま話を楽しむこと。(33.7%)
 (2) どこの旅が面白かったか、などという旅行情報の交換。(32.7%)
 (3) キャンピングカーの機能や使い方、装備類に対する情報交換。(26.7%)

 また、わずかではありますが「調理情報の交換」(5.0%)なども行われていることが分かりました。(図表9)


【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:日本RV協会ホームページ閲覧者
調査手法:Webアンケート
調査時期:2017年2月18日(土)~2017年3月17日(金)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本RV協会]
 マイページ TOP