アクセンチュア最新調査:Getting to Equal 2017(男女のキャリア平等に向けたレポート2017) 

2017年03月31日
アクセンチュアの最新調査によると、2020年に先進国で大学を卒業する女性は、社会人として男女間所得格差の解消を経験する初めての世代となる可能性があることが明らかになりました。

調査レポート「Getting to Equal 2017(男女のキャリア平等に向けたレポート2017)」によると、男女間の所得格差が解消されるのは、今後特別な施策を打たない場合は先進国で2080年、発展途上国では2168年、そして日本では2121年になると予測されています。アクセンチュアではこのたび、所得格差解消を加速する3つのキャリア構築の加速要素を特定しました。産学官が十分な支援を行い、女性がこれらを活用できれば、先進国では36年前倒した2044年までに、また発展途上国では100年以上早い2066年までに所得格差を解消することができます。日本では59年早い2062年までに男女の所得格差解消を前倒すことができると算出されました。

日本を含む29カ国で行った今回の調査では、女性が現在100ドル稼ぐごとに、男性はグローバル平均で140ドルを稼いでいることが判明しました。加えて、女性は賃金が発生する労働をする割合が男性よりも低いことから(男性76%、女性50%)「隠れた所得格差」につながっていることも明らかになりました。この「隠れた所得格差」を考慮して算出しなおすと、女性が100ドル稼ぐごとに、男性は平均で258ドルを稼いでいる結果となり、男女間における経済的な不均衡は一層深刻であることが分かります。

日本における男女の所得格差の最大要因には、女性の就業率の低さ(男性93%に対し、女性76%)があげられます。この「隠れた所得格差」を加味すると、日本で女性が100ドル稼ぐごとに、男性は平均で229ドルを稼いでいる結果でした。

また、今回の調査から男女の所得格差に大きく影響する要因が大学時代にあることも明らかになりました。日本の大学生の回答によると、女子学生は男子学生に比べ、高収入を得やすいと考えられる専門分野を選択しない傾向にあります(男子学生19%、女子学生 15%)。また、上級管理職を目指す割合(男子学生27%、女子学生17%)や、メンターがいる割合(男子学生42%、女子学生34%)においても、女子学生の割合は男子学生より低くなっています。さらに、新しい技術をいち早く取り入れると回答した割合(男子学生42%、女子学生30%)やプログラミングや情報処理の授業履修率(男子学生64%、女子学生50%)においても、女子学生は男子学生を下回っています。

今回のレポートでは調査結果を基に、男女間の所得格差解消を促す3つの重要な要素を示しています。女性がこれら3つのキャリア構築を加速化する要素を活用しつつ、産学官がこれらの実現を支援することで、男女の所得格差は2030年までにグローバル全体で35%縮小し、女性の総所得は3兆9000億ドル増加すると見込まれます。

・デジタル活用力 - デジタル技術を活用して、社会や人とつながり、学び、働く力

・キャリア戦略 - 高い目標を設定し、十分な情報に基づいて選択し、積極的にキャリアを築く力

・テクノロジーの習得機会 - 優れたテクノロジーやデジタルスキルを習得する機会


調査手法
アクセンチュアは日本を含む世界29カ国の2万8,000人以上の男女(大学生を含む)を対象に調査を実施しました。調査対象は男女同数で、異なる規模の企業のあらゆるキャリアレベルの3世代(ミレニアル世代、ジェネレーションX世代、ベビーブーマー世代)が含まれています。調査対象全体における許容誤差は約±0.6%でした。

アクセンチュアは計量経済モデルを用いて調査データを分析し、所得の格差解消やキャリア構築につながる要因を特定しました。その後、世界銀行やOECD(経済協力開発機構)、世界経済フォーラム、国際連合が公表している教育や雇用、リーダーシップ、研究に関するデータを組み合わせ、男女間の格差解消につながる施策の潜在的影響を調査しました。所得格差はアクセンチュアの経済モデルに基づいて算出されており、賃金労働に就いている割合は男性より女性の方が低いことが考慮されています。

調査対象国は、日本、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ブラジル、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、中国(香港と台湾を含む)、インド、アイルランド、イタリア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国、インドネシア、フィリピン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦です。

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[アクセンチュア]
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