「運動習慣」に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2017年03月29日
アサヒグループホールディングスの、アサヒグループホールディングス生活文化研究所は、「運動習慣」をテーマに、皆さんに日頃の運動の状況を聞きました。

【調査結果サマリー】

・半数近くが「週1回以上」の運動習慣を持つ-特に男性・シニア層の意識が高い

・半数近くが「運動しない」-主な理由は「面倒くさい」「忙しい」「運動嫌い」など

・一番人気は「ウォーキング」-「運動」を主役とせず、犬の散歩や買い物ついでに

・「筋トレ」「ヨガ」「水泳」など、スポーツジムを利用し意識的に運動習慣を身に付ける

・男性は「自転車」「ジョギング」「ゴルフ」、女性は「ヨガ・ピラティス」

・運動目的は「健康」「ストレス解消」-筋力・体力維持だけではなく、心の健康も重視!

・女性は「体型・容姿」「ダイエット」-加齢と共に変わる体型や体重を意識して

・半数以上が「運動意欲が高まる」― 春は気持ちをワクワク、外での運動も積極的に


【調査結果】

半数近くが「週1回以上」の運動習慣を持つ-特に男性・シニア層の意識が高い

日ごろの皆さんは、どの位の頻度でスポーツ・運動を行っているのでしょうか。「週2回筋トレ、週1ヨガ。特にヨガは普段使っていないところが動かせるので気持ちが良い」(女性50代、北海道)など、「週2回以上」と回答した人は34.6%。さらに「週1回程度」という声も10.5%を数え、全体の半数近くの人びとが「(少なくとも)週1回以上」の頻度で、何らか体を動かしていることが明らかとなりました。自由回答の中には「週5~6日、家の近くにスポーツクラブがあるので、短い時間でもできるだけ毎日運動しに行っている。主に水泳と水中ウォーキング」(女性30代、大阪府)など、「ほぼ毎日」(16.6%)と運動を毎日の習慣とする人も少なくありませんでした。性別で「週1回以上」という声を見てみると、女性回答では38.2%。その一方、男性回答では、女性よりも12%以上も高い51.1%を示しました。中には「通勤日は電車を一駅分歩くことにしている」(男性40代、兵庫県)など、通勤を利用してウォーキングしたり、自転車通勤を行う男性サラリーマンもいました。

年代別ではいかがでしょうか。「週1回以上」という声は、20代で55.0%と非常に高い数値を示したものの、30代で41.6%、40代で38.4%と一気に急減。仕事や育児などに忙しい働き盛りの30、40代で運動不足の傾向。その一方、育児に一段落がつく60代で51.6%と急上昇。さらに70代以上ではピークの66.7%に達し、加齢に伴う健康意識の高まりからか、シニア層に運動習慣を持つ人がとても多いことがうかがえます。

半数近くが「運動しない」-主な理由は「面倒くさい」「忙しい」「運動嫌い」など

その反面、30代を中心に「ほとんどしていない」と回答した人は46.3%を占めました。次に「運動しない理由」を具体的に見ていきましょう。最も回答が多かったのは「面倒くさい」(54.4%)でした。「日々の生活の中で、あえて運動する時間を設けることが面倒くさい」(女性30代、石川県)など、体を動かすことに億劫さを感じるという声。さらに「健康とダイエットの為に必要とは思っていますが、長続きがせず挫折して終わる」(女性30代、北海道)など、必要性を感じつつも、意志の弱さから「三日坊主で終わる」という人も少なくないようです。

運動をしない理由は?
1 面倒くさい    54.4%
2 運動音痴・運動が好きじゃない    34.4%
3 忙しくて運動する時間がない    30.5%
4 汗をかくのが嫌    10.8%
5 病気や怪我(足腰が悪い)などで運動を控えている    10.0%
MA(複数回答)/n=259人(「ほとんど運動をしない」と回答した人)

次に回答が目立ったのは、2位「運動音痴・運動が好きじゃない」(34.4%)。「運動神経が悪かったり、センスがないので」(女性30代、兵庫県)など、子どもの頃から運動そのものが苦手という声。さらに4位にも「汗をかくのが嫌」(10.8%)が続き、そもそも体を動かすこと、汗を流すことを避けている人もいました。また現代人ならではの回答では「毎日育児に追われていて、今は自分の事は二の次。運動する時間があるなら、他の事をしたいと思ってしまう」(女性30代、千葉県)など、3位に「忙しくて運動する時間がない」(30.5%)がランクイン。仕事や育児など、日々の生活で体も神経もすり減らし、時間があったら「運動より休養したい」という本音も見られました。

そのほか、自由回答の中には「製造現場で立ちっ放しの歩きっ放しという業務を1日に12時間以上しているので」(男性50代、山形県)など、「あまり運動をする必要を感じていない」(8.5%)という意見も。仕事で肉体労働を行っているため、プライベートまで運動をする必要を感じていない人もいました。

一番人気は「ウォーキング」-「運動」を主役とせず、犬の散歩や買い物ついでに

「週1回以上」の頻度で体を動かしている人が目立ちましたが、具体的に皆さんはどんなスポーツや運動を行っているのでしょうか。人気スポーツのナンバーワンは「ウォーキング・散歩」(62.4%)でした。「ほぼ毎日、散歩がてらのウォーキングをしている。季節を感じながらできることも自分に向いている」(男性40代、神奈川県)など、ジョギングに比べて運動負荷も少なく、競い合うことなく自分もペースで続けられるという声。さらに自由回答の中には「毎日 朝夕の 相棒愛犬との散歩 (約10,000歩)」(女性60代、長野県)、「隣町のスーパーまでウォーキングと買い物を兼ねて2、3時間は歩く」(女性50代、岐阜県)など、犬の散歩、買い物や通勤を兼ねてという声も多く、「運動」を主役にしないことが長続きの秘訣と言えるかもしれません。

現在、行っているスポーツ・運動は?
1 ウォーキング・散歩    62.4%
2 筋肉トレーニング    26.2%
3 サイクリング    13.4%
4 ジョギング・マラソン    11.4%
5 体操(ラジオ体操ほか)    6.7%
6 ゴルフ    5.0%
7 ヨガ・ピラティス    4.4%
8 ジョギングマシーン(スポーツジム)    3.7%
9 草野球・ソフトボール    3.4%
10 卓球    3.0%
10 水泳    3.0%
10 登山・トレッキング    3.0%
MA(複数回答)/n=298人

トップと同じく「自転車通勤で3キロ程度走っている。無理せず楽にできることが何より良い」(男性50代、愛知県)など、3位に「サイクリング(自転車)」(13.4%)、4位に「ジョギング・マラソン」(11.4%)。さらに「朝6時半からのラジオ体操をやっている」(男性60代、兵庫県)など、5位にも「体操(ラジオ体操ほか)」(6.7%)が続き、特別な道具や技術の習得を必要としない「有酸素運動」に支持が寄せられました。

「筋トレ」「ヨガ」「水泳」など、スポーツジムを利用し意識的に運動習慣を身に付ける

有酸素運動以外では、2位に「筋肉トレーニング(自宅・スポーツジムでの腕立て、腹筋、マシントレーニングなど)」(26.2%)。「風呂上がりには腹筋と腕立て伏せ。回数は少なくても毎日続けている」(女性50代、広島県)など、生活の合間を見つけて、筋力維持のために筋トレに続けているという声。さらに「月に2回友達とスポーツジムに行っている。そこで腕立てや腹筋、背筋などをやっている」(女性30代、東京都)など、スポーツジム通いで運動習慣を維持している人もいました。同じくスポーツジムを利用している人では、「スポーツジムに週4~5回行っている。年齢的にアクティブなメニューは無理なので、ゆっくりした動作のヨガは自分に合っていると思う」(女性60代、大阪府)など、7位「ヨガ・ピラティス」(4.4%)、8位「ジョギングマシーン(スポーツジム)」(3.7%)、10位「水泳」(3.0%)などの運動が目立ちました。自宅ではなかなか運動意欲が湧かないという人は、気分転換も兼ねてスポーツジムを利用するのも一つの手と言えるでしょう。

男性は「自転車」「ジョギング」「ゴルフ」、女性は「ヨガ・ピラティス」

性別で人気の運動・スポーツを見てみると、男性回答では「サイクリング(自転車)」(男性=15.5%、女性=10.3%)、「ジョギング・マラソン」(男性=14.9%、女性=6.0%)。さらに「ゴルフを月1回、ストレス解消になる」(男性60代、福岡県)など、「ゴルフ」(男性=6.1%、女性=3.4%)にも支持が寄せられました。特にゴルフは運動・スポーツというよりも、趣味やレジャーの一環として楽しんでいる男性も案外多いようです。その一方、女性ならではの回答では「ヨガ・ピラティス」(男性=0%、女性=11.1%)という声が多く、体力や筋力アップのほか、姿勢や体型維持という点も女性人気の理由と言えそうです。

人気の運動・スポーツのランキングを見てみると、基本的には自分一人で黙々とできるものが目立ちました。その一方で、「草野球・ソフトボール」(3.4%)、「卓球」(3.0%)、「登山・トレッキング」(3.0%)、「テニス」(2.3%)、「バトミントン」(1.7%)、「サッカー(フットサル)」(1.7%)など、グループやチームで行う運動やスポーツを挙げる人もいました。

運動目的は「健康」「ストレス解消」-筋力・体力維持だけではなく、心の健康も重視!

ここまで具体的な運動やスポーツを見てきましたが、では皆さんは、なぜ体を動かすのでしょうか。次に、皆さんの運動目的を見ていきましょう。最も回答が多かったのは「健康・体力維持」(79.6%)でした。「運動不足ですぐに息が上がってしまうので、体力づくり。無理せず少しずつやっていますが、少しは体力がついたと思う」(女性30代、群馬県)など、とかく現代人は「運動不足」と言われていますが、体力づくり・維持を第一目標に掲げる声。さらに「何かしら体を動かしていたいので、老化防止も兼ねて続けている」(女性60代、北海道)など、加齢に伴う健康不安の解消や老化防止のため、運動の必要性を感じている人も少なくありませんでした。私たち現代人にとっては「運動=健康」という認識がとても強いことがうかがえます。

運動・スポーツの目的は?
1 健康・体力維持    79.6%
2 ストレス解消・気分転換    46.7%
3 体型・容姿の維持    29.8%
4 趣味・楽しみ    23.2%
5 ダイエット    19.0%
6 サークル・友人との交流    8.7%
7 筋肉増強    7.3%
7 昔からの習慣    7.3%
9 病気・怪我などのリハビリを兼ねて    5.9%
10 スポーツ競技会・マラソン大会に向けて    1.7%
MA(複数回答)/n=289人

次に2位は「ストレス解消・気分転換」(46.7%)。「家にいてばかりだとストレスがたまるので外に出て散歩をしている」(女性40代、東京都)、「痩せはしませんが、いい気分転換になる」(女性30代、神奈川県)など、日ごろ溜まった鬱憤やイライラを運動で解消するという声が多く、筋肉アップや体力維持という目に見える効果だけではなく、精神面での健康維持にも大いに貢献していることがうかがえます。同じく心に働きかける効果では「楽しいからプレイ中は嫌なことを忘れられる」(男性20代、大阪府)など、4位に「趣味・楽しみ」(23.2%)。さらに「始めたばかりなので効果は出ていないが、友達との交流を楽しむために続けている」(女性30代、東京都)など、6位にも「サークル・友人との交流」(8.7%)が続き、運動を通じて気分をリフレッシュし、明日の仕事や家事、育児へ備えるという人も少なくありませんでした。

女性は「体型・容姿」「ダイエット」-加齢と共に変わる体型や体重を意識して

続いて、3位は「体型・容姿の維持」(全体=29.8%、男性=27.1%、女性=33.9%)。「ここ25年、体型は変わっていない。無理をしすぎず、毎日続けている」(女性40代、神奈川県)、「やはり容姿の維持」(女性40代、埼玉県)など、好きな洋服が着たいなど、若い時と同じボディラインを維持したいという声。さらに「ウォーキングをしない日が続くと体脂肪率が増えるので、頑張っている」(女性70代、東京都)など、「ダイエット」(全体=19.0%、男性=15.8%、女性=24.1%)という声も多く、加齢と共に変わる体型や体重を意識して、運動に励む人もいました。特に「体型・容姿の維持」「ダイエット」という声は女性に多く、いつまでもキレイでいたいと思う女心の表れとも言えるでしょう。

半数以上が「運動意欲が高まる」― 春は気持ちをワクワク、外での運動も積極的に

早いところでは桜の開花も始まり、少しずつ春らしい陽気が増えています。さて、気温の上昇は、皆さんの運動意欲にどんな影響を与えているのでしょうか。「寒いと家から出るのが億劫。体も硬く怪我もしやすいし、風邪を引くのも嫌。暖かいと気持ちもワクワクして外出したくなる」(女性30代、群馬県)など、「すごく高まる」と回答した人は11.7%。さらに「少し高まる」という声も41.0%を数え、全体の半数以上の人びとが「運動意欲の高まり」を実感。その反面、「本来であれば、自転車向きの気候になると思うが、春先は花粉症のため意欲が減退してしまう」(男性50代、東京都)など、「(運動意欲が)すごく下がる」「少し下がる」という声は僅か5.1%に留まり、「気温上昇と運動意欲」には相関関係があることが判ります。

性別で「すごく高まる」「少し高まる」という声を見てみると、男性回答は50.5%。女性は男性よりも5%近く高い55.1%を示し、日ごろの運動習慣は男性の頻度が高いものの、春の訪れで意欲を増す女性が多いようです。自由回答の中には「うぐいすの鳴き声や桜、水仙、つつじなどが一斉に咲き、農作業も始まっている。地域の知らないエリアを散歩コースに組み込み、多くの人達と知り合いになりたい」(女性60代、長野県)など、運動を通じて春の訪れを感じ、地域とのコミュニケーションを積極的に図っていきたいという人もいました。気温の上昇と共に体のみならず、心も広く開放されていることがうかがえます。

「すごく高まる」「少し高まる」の一方、「あまり変わらない」という声も42.2%を占めました。主な理由では「運動が好きではないので季節で意欲は左右しない」(女性40代、東京都)など、そもそも運動が苦手という声。さらに「今は子育てで手一杯で無理なので。落ち着いたらランニングなどをしたい」(女性30代、神奈川県)など、季節の変化に関係なく、運動をする時間が現状ないという人も少なくありませんでした。


今回は「運動習慣」をテーマに、日ごろの皆さんの運動やスポーツの取り組みの状況を詳しく聞いてきました。「(運動頻度が)週1回以上」と回答した人は45.1%。その一方で、「ほとんどしない」という声も46.3%を数え、「よく運動をしている人」と「全く運動をしていない人」に大きく2つのグループに分かれる結果となりました。運動をしない理由は「面倒くさい」「忙しく時間がない」「運動が好きじゃない」という声が圧倒的に多く、物理的にも気持ちの上でも運動に対して前向きでない人が目立ちました。「健康」「ストレス解消」などのメリットを提示し、運動やスポーツの時間を作って取り組むことをお勧めしたとしても、実現はなかなか難しいことでしょう。本来は、意識的に運動を行う方が効果的なのだそうですが、運動が苦手な人に無理やりさせても苦痛を伴うだけ。むしろ運動意識を持つことなく、買い物や通勤、犬の散歩など、何か別の目的を目指す中で、「〇〇しながら」必然的に体を動かす工夫が必要なのかもしれません。まずは「〇〇しながら」でも運動する習慣を身に付け、徐々に体を動かす気持ち良さや楽しさを味わうことが第一歩と言えるでしょう。


【調査概要】
調査対象:全国の20歳以上の男女
有効回答数:583人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2017年3月22日~3月28日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アサヒグループホールディングス]
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