上場企業対象 デジタル・アナログ領域のマーケティング施策実態調査(第2回) 

2016年11月14日
日経BPコンサルティングは、上場企業を対象として、マーケティング予算の媒体区分(デジタル、アナログ、マスメディア)別の施策の実態などについて尋ねる調査を2016年10月に実施した。今回は2016年3月に続く2回目の調査である。

【調査結果のポイント】

・デジタル系とアナログ系を組み合わせたマーケティング施策の2大目的は、新規顧客の掘り起こしと、継続利用の促進
・マーケティング予算の配分は、平均するとデジタル3.9割>アナログ3.3割>マスメディア2.9割


【調査結果より】

デジタル系とアナログ系を組み合わせたマーケティング施策の2大目的は、新規顧客の掘り起こしと、継続利用の促進

「デジタル施策とアナログ施策を組み合わせた施策」について、「実施している」と回答した企業は27.8%、「今は実施していないが、今後実施したい」企業は23.9%である。前者が後者を少し上回るが、後者の「今後実施したい」とする層が現状の実施層の9割近く(実際には86.0%)に達するのは、デジタルとアナログを組み合わせた施策への意欲の高さを示唆している(初回の調査は尋ね方が異なるので比較しない)。

前者、すなわち、「デジタル施策とアナログ施策を組み合わせた施策を実施している企業」(全体の27.8%、91社)を対象として、両者の施策を組み合わせて行う目的を複数回答で尋ねたところ、「新規顧客の掘り起こし」(57.1%)と「継続利用の促進」(49.5%)が、5割前後と高い結果となった(図1)。これに次いで、4割台半ばには「見込み客への引き上げ」と「商品認知など、ブランディングのため」(ともに45.1%)が並んで高い。デジタルとアナログの両方の施策を組み合わせるターゲット顧客は、新規顧客や既存顧客、両者をカバーする層など、幅広いことがうかがえる。

マーケティング予算の配分は、平均するとデジタル3.9割>アナログ3.3割>マスメディア2.9割

マーケティング予算は、デジタル、およびアナログだけではなく、マスメディアという区分もある。そこで、今回の調査では、上場企業各社のマーケティング予算を、「デジタル」、「アナログ」、「マスメディア」の3つに分類した場合の大まかな割合を、合計で10割になるように整数で記入してもらった(図2)。3区分の平均を算出すると、デジタルが3.9割、アナログが3.3割、マスメディアが2.9割という構成比である。デジタル系の予算に配分する割合が8割や9割など大きい企業が多く、0割や1割など割合が小さい企業が少ないことを反映している。これとは逆の結果がマスメディアへの予算配分であり、デジタルとマスメディアの中間に位置するのがアナログへの予算配分である。


調査対象者にアンケート調査票で提示した用語の定義は、以下の通りであった。

※「マスメディア」とは、新聞/雑誌/ラジオ/テレビの4媒体における、利用費と制作費とします。
※「デジタル」とは、インターネット媒体における、利用費と制作費とします。
※「アナログ」とは、折込/DM/屋外/交通など、「マスメディア」「テジタル」に分類できない媒体の利用費と制作費とします。
※予算は、貴社以外の他社に支払う費用を想定し、社内の人件費は含まないものとします。

なお、この調査結果は、上場企業全体の3区分への年間予算金額の配分の実績を示すものではない。例えば、マーケティング予算が潤沢な企業がマスメディアに対して全体の8割の予算を投じている場合でも、予算がわずかな企業がデジタルに対して全体の8割の予算を投じている場合でも、同じように1社が8割と記入したと計算している。実際、従業員数が多い企業ほど、マスメディアへの予算配分の割合がやや大きく、デジタルへの予算配分の割合がやや小さい傾向が見られる。アナログへの予算配分は規模による大きな差異はない。


【調査概要】
調査手法:郵送調査
調査対象:上場企業のマーケティング担当者(発送数は3545社)
調査時期と回答企業数:2016年3月に実施した初回は343社、2016年10月に実施した第2回は327社
今回の調査日程:2016年9月29日に調査票を発送し、2016年10月24日までの回答を対象として集計した。
調査企画・実施:日経BPコンサルティング

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日経BPコンサルティング]
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