矢野経済研究所は、国内の鞄・袋物小売市場の調査を実施した。

<鞄・袋物とは>
本調査における鞄・袋物とは、鞄は主に男性仕様の大型のもの、袋物は主に女性仕様のハンドバッグや小物入れを指し、「ビジネス鞄」や「旅行用鞄」、「ハンドバッグ」などに加え、「財布・革小物類」や「ベルト」も含む。また、鞄・袋物市場規模のうち、インポートブランドとライセンスブランドについては暦年ベースで算出し合算した。

【調査結果サマリー】

◆2015年度の国内鞄・袋物市場規模は前年度比103.1%の1兆915億円、2016年度は微減するも1兆円台を維持
2015年度の国内鞄・袋物市場規模は、小売金額ベースで前年度比103.1%の1兆915億円、2016年度は同99.0%の1兆807億円の見込みである。2016年度は訪日外国人客によるインバウンド需要の伸び悩みに加え、国内の中間層の消費が落ち込んでいるが、日本製や自社PB商品を中心に品揃えした店舗の出店や、カスタムオーダーサービスの導入など個性を求めるターゲット層へのアプローチが進み、市場規模は微減にとどまり、1 兆円台を維持すると見込む。今後、中間層の消費は依然として厳しいものの、インバウンドと富裕層の2大需要は底堅く推移し、2017年度の国内鞄・袋物市場規模は、小売金額ベースで前年度比99.8%とほぼ横ばいの1兆780億円になると予測する。

◆新ブランドの創出、職人による国内生産で訴求し、ドメスティックブランド市場が好調
国内鞄・袋物市場のうち、2015年度のドメスティックブランドの市場規模は、小売金額ベースで前年度比101.7%の4,166億円、2016年度は同101.2%の4,215億円と好調な推移を見込む。訪日外国人客によるインバウンド需要では職人の手作りによるメイド・イン・ジャパンを訴求した日本ブランドが高い注目を集めているほか、近年はライセンスブランド展開企業がライセンス依存型から脱却し、培ってきた技術力を自社ブランド展開に活かせるようになったため、自社ブランドの立ち上げや新ブランドの創出が積極的に行われている。小売店側でも自社ブランドに特化した新業態店舗を開発するなど、ドメスティックブランド市場の活性化が図られている。


【調査概要】
・調査期間:2016年12月~2017年2月
・調査対象:鞄・袋物及び服装用ベルト業界に携わるメーカー、卸、小売業ならびに、周辺関連業者(皮革・布帛・合皮等素材供給メーカー、卸ならびに副資材業者等)、輸出入業者
・調査方法:当社専門研究員による直接面談、郵送アンケート、及び官公庁及び業界団体等の各種統計データによる文献調査を併用

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[矢野経済研究所]
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