「2017年度 世界の報酬動向」調査 

2016年12月07日
コーン・フェリーのアドバイザリー部門コーン・フェリー・ヘイグループは、2017年の世界各国の報酬動向調査結果を発表しました。2017年の世界賃金は、昨年に続いて低インフレを反映し平均実質昇給率2.3% で、昨年の2.7%を下回りましたが、依然として高い水準となる予測です。
(※実質昇給率とは:昇給率予測からインフレ率を調整した数字です。)

<各地域、各国の報酬動向>

中国の成長減速にもかかわらず、実質昇給率が最も高いアジア
コーン・フェリー・ヘイグループの予測では、アジアの平均昇給率予測は昨年より 0.7% 低い 6.1% ですが、平均実質昇給率は 4.3% で世界最高と予測されます。最も実質昇給率が高いのは、ベトナム(7.2 %)で、タイ(5.6%)、インドネシア(4.9%) 、インド (4.8%) と続きます。日本は、昇給率は昨年と変わらないものの、低インフレ(-0.1%)により実質昇給率は昨年の 1.0%から 2.1%に上昇する見込みです。
アジアでの最も大きな変化は、2017 年も成長減速が予測される中国の実質昇給率の下落です。2016年 6.3%から 2.3% 下がって、2017 年は 4% と予測されます。

西ヨーロッパに比べ、やや良好な東ヨーロッパ
東ヨーロッパの 2017 年の平均昇給率は 5.1%でインフレ率 (3%) 調整後の平均実質昇給率は 2.1%です。対する西ヨーロッパは平均昇給率 2.1%ですが、低インフレ率(0.4%)を受けて平均実質昇給率は 1.7%の予測です。
イギリスは、EU からの離脱(Brexit)にもかかわらず、昇給率は 2.5%と過去 3 年と同等レベルを維持し、実質昇給率は昨年(2.3%)を下回ったものの 1.9% となり、西ヨーロッパ平均をわずかながら上回る見込みです。フランス、ドイツの実質昇給率はそれぞれ 1.5%、2.2%です。

北米は停滞
北米の平均昇給率は昨年同様の 2.8%で、平均実質昇給率は 1.4%と他の地域より穏やかな上昇予測です。米国は昇給率 3%、実質昇給率 1.9%。カナダは昇給率予測 2.5%、実質昇給率 0.9%です。

中南米は経済混乱が影響
中南米地域の平均昇給率は 7%と 2017 年の地域予測では最も高くなっていますが、5.9%という高いインフレ率により平均実質昇給は 1.1%にとどまる予測です。コロンビアの昇給率は 6.8% で実質昇給率は-0.8% 、ブラジルは昇給率 8.8%に対し実質昇給率は 0.4%です。

中東はインフレの中で実質昇給の上昇
中東の 2017 年の昇給率はポジティブな予測です。原油価格の下落や政治・経済の混乱にもかかわらず、中東平均の昇給率は 4.5%、平均実質昇給率は 2.5% の見込みです。中東で実質昇給率が最も高いのはヨルダン(6.3%)で、レバノン(6.1%)が続きます。最も低いアラブ首長国連邦は 0.5%で、前年の 0.9%よりの下落となります。

アフリカは実質昇給の上昇が最も少ない
アフリカも高インフレにより平均昇給率が 6.4%にもかかわらず、平均実質昇給は 0.7% にとどまります。
エジプトは昨年の-0.4% より更に悪化し、実質昇給率が-3.0% とアルジェリア(-1.1%)よりさらに悪く、アフリカで最低となる見込みです。

オセアニア地域は中間の位置
オセアニア地区の平均昇給率予測は 2.8%、平均実質昇給率は 1.8%です。
オーストラリアの昇給率は 3%、実質昇給率は 1.6%。ニュージーランドは昇給率 2.5%、実質昇給率 1.9%です。


◆世界の報酬動向調査について
「2017年世界の報酬動向調査」は、コーン・フェリー・ヘイグループのPayNet会員企業110カ国以上の2万5,000社の2,000万人以上を対象にアンケートによる調査を実施。
本調査は2017年の昇給予測を提示し、昨年同時期に作られた2016年の予測と比較しています。また、the Economist Intelligence Unit による2017年のインフレ予測率との比較も行っています。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[コーン・フェリー・ヘイグループ]
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