認知症ケアサービス市場予測 

2016年11月22日
市場調査・コンサルティング会社のシード・プランニングは、認知症ケア支援サービスに関する調査を実施し、その結果をまとめました。

前回「認知症ケア支援サービス」の調査を行った2014 年9 月より2 年が経過しましたが、認知症を取り巻く状況は大きく変化しています。

国際的な認知症に関する検討会議である、認知症サミット日本後継イベントの開催以降、オレンジプランを発展させた「認知症施策推進総合戦略 (新オレンジプラン)」を策定して省庁を横断した認知症の取り組みが進んでいます。特に、認知症の治療法が確立されていない現状を踏まえ、認知症の予防方法に関する大規模な調査研究が始まっており、自治体も企業と提携しながら、認知症に関する理解向上、予防活動のほか、見守り体制を構築するなどの取り組みを行っています。

一方で、認知症に伴う社会問題は深刻さを増しています。認知症行方不明者は2013 年に1 万人を突破してから年々増加の一途をたどっているほか、鉄道などによる人身事故の問題や認知症の疑いがある高齢者が運転する自動車事故など、本人だけでなく、家族に関しても多大な損害を負うリスクが高くなっています。各種の問題に対して、有効な打開策や対策が生まれていないのが現状です。

認知症を根治する有効な手段が未だ存在しないことから、予防の充実が現在のトレンドとなりつつあります。また、認知症の高齢者が安心して日常生活を送ることを支援するためのサービスの充実は、本人や家族だけでなく社会的なニーズも高い領域といえます。

本調査では、認知症に対して「認知症予防」、「認知症の早期発見・評価」、「日常在宅ケア」の3つの視点から認知症ケア支援サービスの現状と、今後どのような製品やサービスが発展していくのかを調査しています。

【調査結果のポイント】

認知症ケア支援サービスの市場規模は、
→ 2016年約230億円、2020年には約433億円、4年で1.9倍に
→ 2025年には約679億円と予測
→ 保険を中心とした日常在宅ケア領域が伸びる


本調査で対象とした「認知症ケア支援サービス」の定義
・既存の公的な認知症ケアを補完、充実させるサービスを対象としている。民間企業が提供する社会保障費によらないサービスが対象。
・対象領域は、認知症の「予防」および「早期発見・評価」、在宅生活継続のための支援を行う「日常在宅ケア」の3 分野。
・主な対象者は、認知症の高齢者、MCI の高齢者、その他現時点で健常である高齢者に加えて認知症高齢者を介護する家族などを含めている。

認知症ケア支援サービスの市場規模予測
認知症の、①「予防」、②「早期発見・評価」、③「日常在宅ケア」の3 分野を合計した「認知症ケア支援サービス」の市場規模は、2016 年の段階で約230 億円と推定される。
2016 年の段階では、特に予防分野の製品・サービスが市場の中心で、保険など日常在宅ケア領域のサービスが多数発売され、徐々に市場として確立され始めている。
2016 年以降、認知症ケア支援サービス分野は拡大を続け、2020 年の段階で市場規模が約433 億円と2016 年時点と比較して約1.9 倍、2025 年の段階で市場規模が約679 億円と2016年時点と比較して約3倍まで拡大すると想定される。


【調査概要】
調査対象:
 認知症ケア支援に関連するサービスを提供している企業・団体
 認知症に関する先進的、先駆的な取り組みをしている企業・団体
調査期間:2016 年6 月~2016 年10 月

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[シード・プランニング]
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