企業IT動向調査 2017(「ビジネスのデジタル化」に関する速報値) 

2017年02月23日
日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)は、企業の IT投資・IT戦略などの動向を調べる「企業 IT 動向調査 2017」を実施しました。

企業 IT 動向調査の対象は、東証一部上場企業およびそれに準ずる企業です。本年度の調査では、急速に進む「ビジネスのデジタル化」※ に関する調査項目を新設しました。IT 活用のトレンドを知るための一助として、その速報値を発表します。
なお、最終集計・分析結果は 2017 年 4 月上旬に発表予定です。今回発表の速報値と若干のズレが生じる可能性があることをご了承ください。
※ 本調査では、「ビジネスのデジタル化」を「IT の進化により、様々なヒト・モノ・コトの情報がつながることで、競争優位性の高い新たなサービスやビジネスモデルを実現すること(例:IoT、Fintech、AI など)」と定義しています。

【調査結果】

■ビジネスのデジタル化 実施企業は約 1 割、検討中は 2 割超
ビジネスのデジタル化は、国内企業で着実に始まっています。図 1 はビジネスのデジタル化の検討状況を売上高別に示したものです。全体でみると「実施している」が 12.5%、「検討中」が 26.7%でした。企業の売上高が大きいほど、実施率が高いことが明らかになりました。売上高 1 兆円以上の企業では、ビジネスのデジタル化を「実施している」と回答した企業は 48.0%、「検討中」は 42.3%に達しました。

売上高 1000 億~1 兆円未満の企業では、「実施している」は 20.2%にとどまるものの、「検討中」は 42.8%と 4 割を超えます。一方、「関心なし」と回答した企業は 4.8%でした。もはやビジネスのデジタル化が無視できないキーワードになっていることがわかります。
それに対して、売上高が 1000 億円未満の企業では、取り組みが進んでいるとはいえません。5 割以上の企業が「関心があるが検討していない」、2 割弱の企業が「関心なし」という現状です。ビジネスのデジタル化を「実施している」企業は、売上高 100 億~1000 億未満の企業では 8.2%、100 億円未満では 6.8%と、一部の企業のみです。

■取り組み進む「金融」グループ、1 割超が成果を実感
ビジネスのデジタル化の検討状況を、業種グループ別に示した結果が図 2 です。取り組みが最も進んでいるのは「金融」グループで「実施している」が 17.9%、そのうち「実施している(成果あり)」と回答した企業が 12.5%と、既に 1 割を超える企業がデジタルを活かして自社の競争力を高めていることがわかります。取り組みの内容を自由記述で尋ねたところ、「AI」や「Fintech」などの分野でデジタル化が活発化していることがわかりました。さらに「検討中」の企業は 5 割に上り、他の業種グループを大きく引き離しています。
次いで取り組みが進展しているのは、「機械器具製造」グループです。「実施している」は 13.5%、「検討中」は 34.8%と、合計すると全体の半数近くに上ります。その一方で、「実施している(成果あり)」と回答した企業は 3.4%と最も少ないのが特徴です。
製造業では、自由記述より、ビジネスのデジタル化の中でも特に IoT に期待が寄せられています。
具体的には「製造機器の情報収集と分析」「ウェアラブルによる保守作業の高度化と効率化」「工場内での人の動きの分析と効率化」などの取り組みが始まっていることが明らかになりました。製造現場の生産性向上や、機器の監視/故障検知といった目的で、IoT の活用が進んでいます。ただし、この分野ではまだ成果を実感できる企業は少なく、道半ばであることがうかがえます。
IoT への関心は、「社会インフラ」「建築・土木」グループでも高まっています。自由記述から「設備の予防保全/遠隔監視」「位置情報を利用した要員の最適配置」という取り組み例がみられました。
IoT 以外では「消費者行動分析」「顧客向けクーポン」「AI とレコメンドを組み合わせた販売促進」など、デジタルマーケティング関連のキーワードが目立ちました。

■IT 部門と事業部門が共同でビジネスのデジタル化を推進
ビジネスのデジタル化は、どのような体制で推進されているのでしょうか。業種グループ別にまとめたのが図 3 です。いずれの業種グループでも「IT 部門と事業部門の共同チーム中心(組織化はされていない)」が最も多くの割合を占めています。ビジネスのデジタル化を進める上で「ビジネス」と「IT」の両面での知見が求められていることがうかがえます。自由記述からも「IT 部門と事業部門が共同でデジタル化を推進することが望ましい」とする意見が多数みられました。
業種によっては「デジタル化専門部門」を設置する動きがあります。「金融」グループでは 13.5%、「商社・流通」グループでは 4.8%が専門部門を設置しています。それ以外では、専門部門はほとんど設置されていません。


【調査概要】
「企業 IT 動向調査」は、IT ユーザー企業の IT 動向を把握することを目的に、1994 年度から実施している調査です。経済産業省商務情報政策局の監修を受け、一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(略称:JUAS)が行っています。

「企業 IT 動向調査 2017」の調査期間は 2016 年 9 月 30 日から 10 月 18 日。調査対象は、東証一部上場企業とそれに準じる企業の 4000 社で、各社の IT 部門長に調査票を郵送して回答を得ました。調査の有効回答社数は 1071 社。なお、設問によって有効回答数が異なりますので、ご注意ください。

本リリースは、調査結果をいち早くユーザー企業の皆様にお役立ていただくために「速報値」として公開するものです。正式なデータや分析結果については、ダイジェスト版を 2017 年 4 月上旬に、詳細な分析結果を掲載した報告書は同年 5 月に発行する予定です。

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