キャンピングカーユーザーのペット同伴旅行の実態調査 

2017年03月06日
日本RV協会は、ペット連れ旅行を楽しんでいるキャンピングカーユーザーに対し、飼っているペットの種類、頭数、同伴旅行の頻度、ペット同伴旅行を始めた動機、ペット旅行を始める前と始めた後の意識変化などを調査しました。
 その結果、飼っているペットの種類では犬が圧倒的に多く、ペットを「必ず旅行に連れて行く」人の割合は6割以上に及び、旅行中も「家族の一員」として接し、一緒に旅行を始めるようになって「にぎやかで楽しくなった」など、ペット同伴旅行を歓迎している様子が浮かび上がってきました。

【調査結果】

キャンピングカーユーザーのペット飼育率は高い

 この調査は、2017年の1月18日から2月17日にかけて、当協会のホームページに寄せられた約270件のアンケートデータをもとに行われました。それによると、「現在ペットを飼っている」と答えたユーザーの率は55.3%。「飼っていない」と答えたユーザーは44.7%となり、回答者の5割強がペットを飼っていることが判明しました。[図表1]

 いま日本のペット飼育率は、犬・猫合わせて全世帯の22.1%(2016年度・一般社団法人ペットフード協会調べ、以下 ペットフード協会調べ)といわれており、今回の調査で浮かび上がってきたキャンピングカーユーザーの55.3%という飼育率は、仮にペットに関心が高いユーザーの回答が多かったとしても、なかなか高い数値といえそうです。

猫派は10%にも満たず

 では、その飼っているペットの種類とその頭数はいったいどうなっているのでしょうか。
 一番多かったのは「犬が1匹」という回答で、その率は51.0%に及びました。次点は「犬が2~3匹」(20.9%)となり、これに6番目に浮上してきた「犬が4匹以上」という答えと合わせると、犬だけを飼っているユーザーの率は75.2%に達しました。 [図表2]

 一方、最近マスコミやメディアなどで“猫ブーム”といわれながらも、猫だけを飼っているユーザーは、全体の8.5%にすぎませんでした。
 先述したペットフード協会の調べによると、日本で犬を飼育している世帯率は14.2%、猫は9.9%とそれほど差はありません。それと比べると、キャンピングカーユーザーは圧倒的に“犬派”によって占められていることが判明しました。
 これは、キャンピングカー旅行に同伴させた際、犬の方がリードを付けて管理しやすいことや、犬の従順な性格が、人と一緒に移動しながら生活する環境になじみやすいなどという理由によるものと思われます。

「ペットは家族の一員」という意識が定着

 では、キャンピングカーユーザーは、旅行に出掛ける際、その飼っているペットをどのくらいの割合で同伴させているのでしょうか。
 「キャンピングカー旅行に出るときは、そのペットを連れて行きますか?」という設問を設けたところ、一番多かった回答は、「どんなキャンピングカー旅行でも必ずペットを連れて行く」というもので、その回答率は61.7%に達しました。
 2番目はペットを飼っていても旅行には連れて行かない」という回答が入りましたが、3番目は「旅行日数や、留守番がいる・いないなどを考えて、5割ぐらいの率で連れて行く」(12.8%)となり、4番目には「旅行日数や、留守番がいる・いないなどを考えて、7~8割の率で連れて行く」(10.6%)という回答が続きました。[図表3]

 以上のことから、ペットを「旅行に連れて行く」というユーザーの率は全体の85.1%ということになり、「ペットを旅行に連れて行かない」という回答(14.9%)を大きく引き離す結果となりました。

 このようにペットを旅行に連れて行くキャンピングカーユーザーが非常に多いことが判明した調査でしたが、そもそもペット同伴旅行を始めたきっかけは何だったのでしょうか。
 それを調べた結果、大きく浮かび上がってきたのは「家族の一員として一緒に旅行へ連れて行きたかったから」(49.6%)というものでした。ちなみに2番目は「ペットと一緒に泊れるホテル、ペンションなどを利用して乗用車で旅行していたが、予約がなかなか取れないなど、満足できないことが多かったから」(24.8%)という回答でした。[図表4]

 一般的に、ペット飼育者が一番悩む問題は、旅行中のペットの世話だといわれています。そのため「旅行中や外出中にペットの世話を代行してくれるサービス」を望む声は、ペット飼育率調査の対象者のうち41.0%にも及ぶといわれています(ペットフード協会調べ)。
 キャンピングカーユーザーの中には、その問題を解決するために、キャンピングカーを購入したという人も少なくありません。今回の調査結果を見るかぎり、その実態が具体的に浮かび上がってきたといえそうです。

ペット同伴旅行を始めて、家族全員が円満

 では、ペット同伴のキャンピングカー旅行を始める前とその後では、ユーザーの意識はどう変化したのでしょうか。
 回答者の半数に近い43.6%の人が、「ペットも家族と一緒に出掛けるので、にぎやかで楽しくなった」と答えました。また、より具体的な回答として、「ペットの散歩やペットの気分転換を考えるようになったので、ドッグランを探すなど、旅行しているときに見るものが変わった」と答えた人は23.9%に及びました。[図表5]

 このように、今回の調査においては、旅行中に家族がペットを意識することによって、キャンピングカー旅行がより楽しいものになっていることが分かりました。
 ただ、最近はペット飼育者の高齢化も始まり、心身の衰えによってペットの世話ができなくなることを懸念し、ペット飼育を諦める高齢者も出てきたという話も聞かれるようになりました。シニアの利用者が多いといわれるキャンピングカーユーザーの場合はどうなのでしょうか。
 そこで、「もし、今のペットが亡くなったら、次のペットを飼う予定はありますか?」という設問を設けてみました。
 それによると、36.2%の人が「(次のペットを飼う予定が)ある」と答え、その率は「飼うつもりはない」という回答(17.4%)の倍に達しました。しかしながら、「わからない」と回答を保留にされた方々が44.2%もいることから、これらの方々の今後の動向にも興味深いものがあります。[図表6]

調査結果からのまとめ

<調査結果のポイント>
・キャンピングカーユーザーは圧倒的に犬派
・ペットを必ず旅行に同伴する人は6割
・「ペットは家族の一員」という意識がしっかり定着

 ペットと共に暮らすことが、あらゆる意味で人間の精神生活を向上させるというデータがあちらこちらの研究から出てくるようになりました。前述したペットフード協会のデータにおいても、高齢者を対象にした調査の場合は、回答した高齢者の47.7%が「ペットのおかげで情緒が安定するようになった」と答えており、夫婦の場合は、58.6%の夫婦が「ペットのおかげで会話が多くなった」ことを認め、45.3%の夫婦が「関係がなごやかになった」と感じているという調査結果が出ています。
 キャンピングカーユーザーの場合は、まさにその中心的年齢層が“高齢者予備軍”ともいえる60歳代であり、旅行の同伴者は夫婦が中心です(「キャンピングカー白書2016」調べ)。このように、キャンピングカーユーザーは、ペットの恩恵をしっかり実感している年代の人たちが中心となって構成されていると考えていいでしょう。
 今回の調査で、ユーザーの55.3%がペットを飼育しており、さらにその中の61.7%の人がキャンピングカー旅行には必ずペットを連れて行くと答えたのは、そのような要因があったからだと理解していいようです。


【調査概要】
調査地域:全国
調査対象:日本RV協会ホームページ閲覧者
調査手法:Webアンケート
調査時期:2017年1月18日(水)~2017年2月17日(金)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本RV協会]
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