2016年度上期モバイルコマースレポート 

2016年09月21日
パフォーマンスマーケティングのテクノロジー企業であるCriteo S.A.(Criteo)は、2016年度上期モバイルコマースレポート(H1 2016 State of Mobile Commerce Report)を発表しました。本レポートは、モバイルコマースの動向を調査した上で、世界中のマーケターに多くの知見を提供することを目的として、2014年第4四半期より定期的に発行しています。

今回のモバイルコマースレポートでは、モバイルサイトの改善や、使いやすいショッピングアプリの増加に伴い、世界的にモバイル経由の売上がデスクトップを上回った最新のモバイルコマースの現状を明らかにしています。

このレポートは日本、イギリス、韓国、オーストラリア、ドイツ、オランド、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、ブラジル、ロシアの市場を調査したものです。

<全体サマリー>

● 日本全体のモバイル経由の売上シェアは、前年比11ポイント増加して52%に
モバイルでの購入件数が多い上位25%の小売業者は、モバイルからの購入率が約80%。

● モバイル経由の売上比率が高い業種はさらに割合を拡大
「ファッション・高級品」、「健康・美容」の業種では、モバイル経由の売上割合がそれぞれ前年比で+34%、+19%と増大し、他業種との差をさらに広げました。

● アプリは不動の販売チャネル
アプリが引き続き最も効果的な販売チャネルとなっています。
アプリから購買ファネルに誘導される買い物客の割合は高く、コンバージョンレートもモバイルサイトと比較して3倍高いことが明らかになりました。

● 売上を独占しやすい市場環境
優れたUXを提供するモバイルサイトやアプリを有する企業が、モバイル経由の売上の大部分を独占しています。

Criteoが日本のオンライン商取引を調査した結果、日本におけるモバイルシェアは52%で、引き続き世界で最も高い割合であることが判明しました。モバイルによる購入件数が多い上位の小売業者は、安定したシェアを維持しています。タブレットの出荷台数が減少する一方で、スマートフォンの出荷台数は増えており、指紋認証などの新機能の登場で、スマートフォンでの買い物がいっそう簡単になっています。 これはスマートフォンが世界を制しているという現状を示していると言えるでしょう。

■日本におけるモバイルコマースのトレンド

●  モバイルからの購入率は平均で11ポイント増加
モバイルからの購入件数が多い小売業者(上位4分の1)では、モバイルからの購入率は2015年度第2四半期と同様に、約8割を維持しています。さらに、小売業者全体のECサイトでのモバイルからの購入率は、平均で前年から11ポイントの伸びを見せています。

● 上位業種が他を引き離すペースで成長
業種別のモバイル経由購入状況では、「ファッション・高級品」「健康・美容」の2業種が他業種との差を拡大しています。「ファッション・高級品」のモバイル経由の売上げシェアが前年比+34%と大きく増加し、「健康・美容」(前年比+19%)とともにトップカテゴリに躍り出ています。「量販店」も前年比で17%増加しています。

● モバイル購入の主役はスマートフォン
IDCの調査によると、2016年第1四半期のタブレット出荷台数は世界で4,000万台と、昨年同時期の4,600万台から15%現象する一方で、スマートフォンの出荷台数は0.2%増え、3億3,500万台に達しています。日本の小売業界のECサイトにおけるモバイルデバイス別のシェアは、2016年度第2四半期ではスマートフォンが89%、タブレット11%となっており、スマートフォンの独占状態にあります。

● iPhoneからの購入件数は、Androidを大きく上回る
Kantar Worldpanelの「日本のOS別スマホ市場シェア調査 2016 Q2」によると、iOSが43%、Androidが56%となっており、iPhoneユーザはAndroidユーザよりも少ないが、モバイルでの購入件数シェアではAndroidを大きく上回っています。

■モバイル成熟度 4つのモデル
Criteoのモバイル成熟度モデルは、「アクセス」「再訪問の動機付け」「予測」「再訪問」の4段階で成り立っており、この4段階を達成して維持すれば、消費者の期待に沿ったモバイルショッピング体験を届けることができます。

①アクセス
ストレスフリーにモバイルサイトとアプリを使えるよう基盤を整え、パーソナライズしたショッピング体験を提供できるようにする。
②再訪の動機付け
顧客との関係を発展させ、商品の閲覧を促す再訪問者にメリットを提供する。
③予測
商品カタログ全般にわたって顧客の関心を予測し、リアルタイムに的確な商品を提案。
④再訪問
顧客が対象ブランドと再び接点を持てるような簡単でパーソナライズした仕掛けを用意。

■レポートハイライト
オンラインショッピングのモバイル化
デスクトップまたはモバイルを経由して商品を閲覧・購入するオンラインショッピングユーザは、従来の購買経路と比較して、高い商品購入率で増え続けています。

消費者のモバイルショッピング経験を適切に最適化している小売業者は、アプリにおいても、モバイルウェブサイトにおいても競合を凌ぎ、消費者に良質な購買環境を提供しています。

●日本とイギリスでは、ついにモバイル経由の売上がデスクトップ経由の売上を上回りました。
●オンラインショッピングにおけるモバイルのシェアが前年に比べ最も拡大したのは、ブラジル、オーストラリア、フランスでした。
●モバイルのコンバージョンが最も高いのは日本、イギリス、韓国でした。
●モバイルに慣れ親しんでいる、韓国、オーストラリア、日本をはじめとする国はモバイル取引の高いシェアが見られました。

世界でもモバイル購入の主役はスマートフォンに
タブレット購入者数が着実に減ってきているのに対し、スマートフォンは買い物をするデバイスとして、また特に、人差し指認証というような特徴のあるデバイスとして、顕著に広がってきています。より多くの小売業者が、モバイルに適したサイトをデザインしているため、モバイルでの取引は着実に増加しています。すべての小売業者が、スマートフォンを主に使用する人々のニーズを満たすために、in-appやモバイルWebを包括したモバイル中心のマーケティング戦略を打ち出すべきです。

●初めて、スマートフォンがすべての主要市場でモバイル取引の大多数を占めました。[i]
●日本、イギリス、韓国というモバイルがオンラインショッピングに占める割合の高く、モバイルフレンドリーなサイトの割合が高い国は、コンバージョンレートにおいても最も高い数値を示しています。
このレポートは日本、イギリス、韓国、オーストラリア、ドイツ、オランド、イギリス、スペイン、イタリア、フランス、ブラジル、ロシアの市場を調査したものです。

洗練されたアプリは高い支出をもたらす
トップ小売業者は、消費者にモバイルデバイス上でシームレスなショッピング手段を与える、精通し直感的で役に立つショッピングアプリを作っています。ホームスクリーンや速いローディング、オフラインコンテンツ、プッシュ通知、パーソナライゼーション、そしてネイティブ機能へのアクセスのような特性は、消費者にとって、モバイルショッピング経験をより豊かにします。デバイスに無頓着なショッパーに、この多機能な環境や統一的で、矛盾のない妥当な経験を作り上げるブランドは、リテンション率、コンバージョンレートの向上を成功させます。

●卓越したモバイルアプリをもつ小売業者は、2016年第二四半期において、アプリ内のモバイル取引が54%にまで増え、これは2015年と比べ47%の増加です。
●アプリは他のデジタルショッピングチャネルよりもずっと多くの取引に結びついており、コンバージョンレートを見るとモバイルWebの3倍に達しています。
●使用される金額はデスクトップでは平均100ドル、モバイルWebでは平均91ドルなのに対し、モバイルアプリは平均126ドルという高いという数字が見られました。
●モバイルアプリの成熟期のリーダーは、新興小売業者よりも90%も高いコンバーションレートを叩き出しています。

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