農林水産物・食品関連企業への輸出に関するアンケート調査 

2017年02月27日
ジェトロは、日本国内の農林水産物・食品関連企業を対象に、輸出への考え方や課題等に関するアンケート調査(調査期間:2016年9月~10月)を行いました。調査対象は過去最大規模の1万社(うち輸出有3,380社、輸出無6,620社)、有効回答は2,630社(有効回答率26.3%、うち輸出有734社、輸出無1,896社)です。

2016年の日本産農林水産物・食品の輸出額は、前年比0.7%増の7,503億円と4年連続で最高を更新する中(農林水産省発表)、ジェトロは今後もさらなる輸出拡大に向けたさまざまなサポートを行う計画です。結果概要は以下のとおりです。

【調査結果概要】

1.輸出を手掛ける企業の7割超が引き続き輸出規模の拡大に積極的 ‐日本食品人気アップが後押し‐
農林水産物・食品の輸出を手掛ける企業734社の今後(3年程度)の輸出展開は、「現在の輸出規模の拡大を検討している」が72.4%と最も高く、次いで「現在の輸出規模を維持する」が21.0%だった。「現在の輸出規模の縮小・輸出撤退を検討している」は1.6%にとどまった。【結果概要p.4 図表1】
「拡大」「維持」「新規展開」と回答した企業693社の理由は、「日本食品の人気が高まっている」が407件(全体の58.7%)と最も高く、次いで「国内需要の減少」が341件(同49.2%)、「海外市場の収益性が高い」が125件(同18.0%)と続いた。輸出を「収益性のあるビジネス」として位置づけている企業が一定数存在することが明らかになった。【結果概要p.4 図表2】

2.輸出を手掛けていない企業のうち輸出に関心があるのは約2割
農林水産物・食品の輸出を手掛けていない企業1,896社の輸出への関心は、「関心はない」が78.4%と最も高い。一方、「関心はあるが、まだ具体的には何も行っていない」が17.4%、「関心があって、具体的に準備を進めている」が3.4%であった。これら関心がある層の取り組みが、今後の輸出拡大の鍵とみられる。【結果概要p.11 図表12】

3.今後輸出を増やすのは1位「台湾」、2位「香港」、3位「米国」など現輸出実績上位国・地域
農林水産物・食品の輸出を手掛ける企業のうち、「現在の輸出規模の拡大を検討している」「現在輸出していないが、今後輸出を始める予定である」と回答した企業539社が今後輸出を増やす国・地域は、1位「台湾」45.1%、2位「香港」44.7%、3位「米国」40.6%、4位「シンガポール」39.0%、5位「中国」が38.6%であった。現在の輸出上位国・地域と重なっていることから、当該地域での日本産農林水産物・食品の市場拡大や他の国・地域での新規市場の開拓が求められるといえる。【結果概要p.5 図表3】

4.輸出にあたっての問題点は「現地や日本の制度情報やその運用」がトップ(75.0%)
「輸出にあたって課題・問題点を感じる」と回答した企業は、全体で68.8%(輸出を手掛けている企業は66.3%、手掛けていない企業は73.3%)。【結果概要p.13 図表16,17,18】
そのうち課題・問題を感じる項目は、「現地や日本の制度情報やその運用について」が全体で75.0%(輸出を手掛けている企業は81.1%、手掛けていない企業は64.7%)と最も高かった。次いで、「海外ビジネスを担う人材について」が全体で62.6%(輸出を手掛けている企業・手掛けていない企業共に62.6%)、「価格競争力について」が全体で46.9%(輸出を手掛けている企業は55.6%、手掛けていない企業は32.2%)が続いた。【結果概要p.14 図表19】

5.「原発事故関連の規制」を課題・問題として挙げる企業も一定数
「現地や日本の制度情報やその運用」について課題・問題点を感じていると回答した企業の具体的な項目は、「現地の制度情報の入手が困難」が952件、「現地の制度の理解が困難」が851件、「日本の食品安全基準(内容、基準値)と異なる」が554件であった。また、課題・問題を感じている国・地域は、中国、台湾、韓国の順であり、具体的な項目として「原発事故関連の規制により、輸出が困難」が多い傾向だった。【結果概要p.15 図表20】

6.海外ビジネスを担う人材について課題・問題点は「語学力不足」
「海外ビジネスを担う人材」について課題・問題点を感じていると回答した企業の具体的な項目は、「語学力が不足している」が72.2%で最も高く、次いで「海外ビジネスの経験がなく貿易実務が分からない」52.3%、「売上・業績等の向上の効果が不明」49.8%であった。語学力不足を挙げたのは中小企業(71.7%)よりも大企業(80.0%)の方が多く、企業規模に関わらず問題となっていることが浮き彫りになった。【結果概要p.19 図表24】

7.輸出先における競合企業は「日本企業」が最多
「輸出先における競合企業」について課題・問題点を感じていると回答した企業の具体的な競合企業は、「日本企業」が全体で589件と最も高かった。次いで、中国企業が294件、地場企業が178件と続く。日本企業同士が競合となっていることから、日本産農林水産物・食品の市場の拡大が重要とみられる。【結果概要p.21 図表26】

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