がん対策に関する世論調査(18歳以上の日本国籍を有する者対象) 

2017年01月30日
内閣府は、がん対策に関する世論調査を実施。

【調査結果】

1 がんに対する印象・認識について
(1)がんに対する印象

問1 あなたは,がんについてどのような印象を持っていますか。
この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・こわいと思わない(小計) 26.8%/24.6%
 ・こわいと思わない 15.8%/13.6%
 ・どちらかといえばこわいと思わない 11.1%/11.1%
・こわいと思う(小計) 72.3%/74.4%
 ・どちらかといえばこわいと思う 29.9%/33.2%
 ・こわいと思う 42.4%/41.2%

更問 がんをこわいと思う理由
更問 (問1で「どちらかといえばこわいと思う」,「こわいと思う」と答えた方(1,312 人)に)
あなたが,がんをこわいと思う理由を,この中からいくつでもあげてください。
 (複数回答)

 (上位4項目)
平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・がんで死に至る場合があるから 72.1%/72.9%
・がんの治療や療養には,家族や親しい友人などに負担をかける場合があるから* 55.2%/35.5% *
・がんそのものや治療により,痛みなどの症状が出る場合があるから 50.0%/53.9%
・がんの治療費が高額になる場合があるから 46.3%/45.9%

(2) がんに関する知識
問2 がんについてあなたが知っていることを,この中からいくつでもあげてください。
 (複数回答)

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・がんの治療方法には,大きく手術療法,化学療法,放射線療法がある 63.7%/66.6%
・たばこは,さまざまながんの原因の中で,予防可能な最大の原因である 61.8%/62.4%
・子宮頸がんのように若い世代で増えているがんもある 61.2%/62.8%
・日本では,死亡者の約3人に1人が,がんで死亡している 43.4%/43.6%
・日本では,約2人に1人が,将来,がんにかかると推測されている 31.3%/26.7%
・がん全体の5年生存率は50%を超えている 29.5%/24.3%

2 がんの予防・早期発見について
 がん検診の受診状況

問3 胸や胃のレントゲン撮影やマンモグラフィ撮影などによるがん検診が行われています。
あなたは,こういったがん検診を受けたことがありますか。
この中からあてはまるものを1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月
・2 年以内に受診した (小計) 52.6%
 ・1 年以内に受診した 44.2%
 ・2 年以内に受診した 8.4%
・2 年以上前に受診した 13.8%
・今までがん検診を受けたことはない 33.4%

更問ア がん検診の受診場所
更問 (問3で「1 年以内に受診した」,「2 年以内に受診した」,「2 年以上前に受診した」と答えた方(1,204 人)に)
あなたが,がん検診を受けたのはどこでしょうか。
この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

平成 28 年 11 月
・お住まいの市区町村におけるがん検診 46.8%
・職場におけるがん検診 27.0%
・職場以外の個人で受診するがん検診 26.8%

更問イ がん検診を受けない理由
更問 (問3で「2 年以上前に受診した」,「今までがん検診を受けたことはない」と答えた方(856 人)にあなたが,これまであるいは最近,がん検診を受けていない理由は何ですか。
この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
平成 28 年 11 月
・受ける時間がないから 30.6%
・健康状態に自信があり,必要性を感じないから 29.2%
・心配なときはいつでも医療機関を受診できるから 23.7%
・費用がかかり経済的にも負担になるから 15.9%

3 がんの治療法及び病院等に関する情報源等について
(1) がんの治療法や病院についての情報源

問4 あなたは,がんと診断されたら,ご自身のがんの治療法や病院について,どこで情報を入手しようと思いますか。
この中からあてはまるものをいくつでもあげてください。(複数回答)

 (上位4項目)
平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・病院・診療所の医師・看護師や(がん相談支援センター)以外の相談窓口 68.6%/60.3%
・インターネット (「がん情報サービス」以外) 35.5%/35.6%
・家族・友人・知人 33.4%/32.5%
・がん相談支援センター(がん診療連携拠点病院の相談窓口)* 26.6%/45.2% *

* 平成 26 年 11 月調査では「がん診療連携拠点病院(がんの治療を行うとともに,地域の医療機関との連携の中心となる役割があり,国が指定を行っている病院)のがん相談支援センター」としている。

更問 がん相談支援センターで得たい情報
更問 (問4で「がん相談支援センター(がん診療連携拠点病院の相談窓口)」をあげた方(483 人)に)
あなたは「がん相談支援センター」で,どのようなことを聞きたいですか。
この中からあてはまるものをいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
平成 28 年 11 月
・治療費・保険など経済面について 75.4%
・がんの治療内容に関する一般的な情報 74.3%
・他の専門的な医療機関の情報 40.2%
・退院後の生活など療養上の注意点 39.5%

(2) 病院を選ぶにあたり重視すること
問5 あなたは,がんと診断されたら,治療を受ける病院を選ぶにあたり重視するのはどれですか。この中からあてはまるものをいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・専門的な治療を提供する機器や施設の有無 60.2%/65.2%
・医師や看護師の技術の優秀さ 56.7%/55.0%
・自宅からの距離 50.5%/49.1%
・受診にかかる経済的負担(交通費や差額ベッド代) 32.3%/33.0%

4 緩和ケアについて
(1) 緩和ケアの認知度

問6 がん医療における緩和ケアとは,がんに伴う体と心の痛みを和らげることですが,あなたは,がん医療における緩和ケアについて知っていましたか。
この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・知っている(小計) 65.3%/67.4%
 ・よく知っている 26.2%/40.5%
 ・言葉だけは知っている 39.2%/26.8%
・知らない 34.0%/31.8%

(2) 緩和ケアを開始すべき時期
問7 あなたは,がんに対する緩和ケアはいつから実施されるべきものと思っていますか。
この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・がんと診断されたときから 56.1%/57.9%
・がんの治療が始まったときから 20.5%/21.8%
・がんが治る見込みがなくなったときから 16.2%/13.9%

(3) 医療用麻薬に対する意識
問8 あなたは,医療用麻薬についてどのような印象を持っていますか。
この中からあてはまるものをいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・正しく使用すればがんの痛みに効果的だと思う 52.9%/55.7%
・正しく使用すれば安全だと思う 52.7%/52.8%
・最後の手段だと思う 31.5%/32.6%
・だんだん効かなくなると思う 29.1%/37.1%

(4) 医療用麻薬の使用に対する意識
問9 もし,がんのために痛みが生じ,医師から医療用麻薬の使用を提案された場合,あなたは医療用麻薬を使用したいと思いますか。この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・使いたい(小計) 67.4%/72.3%
 ・使いたい 39.5%/41.3%
 ・どちらかといえば使いたい 27.9%/31.0%
・使いたくない(小計) 29.0%/24.6%
 ・どちらかといえば使いたくない 22.0%/19.5%
 ・使いたくない 7.0%/5.1%

5 がん患者と社会とのつながりについて
(1) がんであることを話せるか

問10 あなたご自身が,がんと診断されたら,家族や友人などだれか身近な人にがんのことを自由に話せると思いますか。この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・話せると思う(小計) 88.0%/87.3%
 ・話せると思う 66.4%/63.1%
 ・どちらかといえば話せると思う 21.5%/24.1%
・話せると思わない(小計) 11.4%/11.9%
 ・どちらかといえば話せると思わない 6.8%/7.9%
 ・話せると思わない 4.6%/3.9%

(2) 仕事と治療等の両立について
問11 現在の日本の社会では,がんの治療や検査のために2週間に一度程度病院に通う必要がある場合,働きつづけられる環境だと思いますか。
この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・そう思う(小計) 27.9%/28.9%
 ・そう思う 9.8%/10.4%
 ・どちらかといえばそう思う 18.1%/18.5%
・そう思わない(小計) 64.5%/65.7%
 ・どちらかといえばそう思わない 35.2%/38.2%
 ・そう思わない 29.3%/27.5%

更問 両立を困難にする最大の要因
更問 (問11で「どちらかといえばそう思わない」,「そう思わない」と答えた方(1,170 人)に)
がんの治療や検査のために2週間に一度程度病院に通う必要がある場合,働き続けることを難しくさせている最も大きな理由は何だと思いますか。
この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・代わりに仕事をする人がいない,またはいても頼みにくいから 21.7%/22.6%
・職場が休むことを許してくれるかどうかわからないから 21.3%/22.2%
・がんの治療・検査と仕事の両立が体力的に困難だから 19.9%/17.9%
・休むと収入が減ってしまうから 15.9%/13.1%
・がんの治療・検査と仕事の両立が精神的に困難だから 12.8%/13.2%
・休むと職場での評価が下がるから 6.0%/8.8%

(3) 両立に必要な取り組み
問12 働くことが可能で,働く意欲のあるがん患者が働き続けるようにするためには,どういう取り組みが必要だと思いますか。
この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
平成 28 年 11 月
・病気の治療や通院のために短時間勤務が活用できること 52.6%
・1時間単位の休暇や長期の休暇が取れるなど柔軟な休暇制度 46.0%
・在宅勤務を取り入れること 38.6%
・がん患者と産業医と主治医の連携 35.3%

6 がん登録について
(1) がん登録の認知度

問13 あなたは,がん登録について知っていましたか。
この中から1つだけお答えください。

平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・知っている(小計) 14.9%/17.1%
 ・よく知っている 5.1%/6.2%
 ・言葉だけは知っている 9.8%/11.0%
・知らない 84.4%/82.5%

(2) がん登録に期待すること
問14 がん登録によって,がんに関する正確な統計が整備されると,様々なメリットが期待できます。あなたは何に期待しますか。
この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

 (上位4項目)
平成 28 年 11 月
・国が,正確なデータに基づき,がんの早期発見に向けた対策を行えるようになること 56.7%
・大学などの学術機関や民間企業の研究者が研究に利用し,がんの予防法や治療法の開発に役立てること 47.2%
・一般の人が日本のがんの状況について情報を得ることができるようになること 43.3%
・国が,正確なデータに基づき,がんの医療提供体制を評価・検討できること 38.6%

7 がん対策に関する政府への要望
問15 あなたは,がん対策について,政府としてどういったことに力を入れてほしいと思いますか。この中からいくつでもあげてください。(複数回答)

(上位4項目)
平成 28 年 11 月/(参考)平成 26 年 11 月
・がん医療に関わる医療機関の整備(拠点病院の充実など) 61.5%/64.9%
・がんの早期発見(がん検診) 56.3%/56.5%
・仕事を続けられるための相談・支援体制の整備* 49.6%/53.4% *
・がんに関する専門的医療従事者の育成 48.3%/55.3%

*平成 26 年 11 月調査では,「がんによって就労が困難になった際の相談・支援体制の整備」としている。


【調査概要】
調査対象:全国18歳以上の日本国籍を有する者 3,000人
有効回収数:1,815人(回収率60.5%)
調査時期:平成28年11月17日~11月27日(調査員による個別面接聴取)
調査目的:がん対策に関する国民の意識を把握し,今後の施策の参考とする。
調査実績:「がん対策に関する世論調査」(平成 26 年 11 月,25 年 1 月,21 年 9 月,19 年 9 月調査)
(平成 18 年度の調査から,調査対象者に調査主体が「内閣府」であることを提示した上で実施。)
※ 今年度から調査対象者の年齢を18歳以上に引き下げているため,原則として20歳以上を対象としていた前回調査までとの単純な比較には注意を要する。

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