第9回:全国「休廃業・解散」動向調査 

2017年01月31日
2016年の企業倒産件数(法的整理による倒産、負債1000万円以上)は8164件と7年連続で前年を下回り、2000年(6734件)以降で2番目の低水準となった。背景には、建設投資拡大の恩恵を受けて「建設業」の倒産が8年連続で前年比減少となったほか、中小企業金融円滑化法の終了後も引き続き返済猶予を受けている企業が多いことが挙げられる。

一方で、中小・零細企業を中心に、後継者難や代表の高齢化が深刻化しており、倒産に至らないまでも事業継続を断念し、「休廃業・解散」を選択する件数が倒産件数の3倍を超えている。

帝国データバンクは、企業概要ファイル「COSMOS2」(146万社収録)から削除されたデータを収録したファイル(削除ファイル)を用いて、2006年~2016年の間に休廃業、解散に至った事業者(法人、個人含む)を集計。倒産件数との比較や、代表者年齢別、業種別、都道府県別にその傾向を分析した。なお、本調査は2016年1月29日に続き9回目。

■「休廃業」とは、企業活動を停止している状態を指す(官公庁等に「廃業届」を提出して企業活動を終えるケースを含む)。調査時点では当該企業の企業活動が停止していることを確認できているが、将来的な企業活動再開を否定するものではない
■「解散」とは、企業が解散した場合を指す。主に、商業登記等で解散を確認
■「休廃業・解散」は、企業活動停止が確認できた企業のなかで、倒産(任意整理、法的整理)に分類されないケース

【調査結果】

1 2016年(1~12月)の「休廃業・解散」は、2万4957件判明。前年(2万3914件)を1043件(4.4%増)上回り、4年ぶりの前年比増加となった。「倒産」が7年連続で減少しているなか増加したことから、「休廃業・解散」は「倒産」の約3.1倍にのぼった

2 代表者の年齢別では、「60代」が最多。「70代」以上が全体の4割を超え、高齢代表者の占める割合は増加

3 業種別では、7業種中6業種で前年を上回った。業種細分類別に「休廃業・解散」率をみると、「大工工事業」が3.771%でトップとなった。また、上位20業種中8業種が「小売業」に属していた

4 都道府県別では、「東京都」(2745件)が最多となり、「休廃業・解散」率は「新潟県」がトップで2.359%


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[帝国データバンク]
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