ARとVRに関する一般消費者の利用実態と市場規模調査(15~69歳の男女対象) 

2017年01月17日
MM総研は、AR(拡張現実、Augmented Reality)とVR(仮想現実、Virtual Reality)における一般消費者の利用実態および市場規模に関する調査結果を発表した。2016年11月に実施したユーザー調査にもとづく分析で、本テーマでは初の調査となる。

【調査結果】

■ 認知度はARが30.9%、VRが47.5%
■ ARコンテンツの利用経験はポケモンGOが最も高い
■ VR HMDの所有率は3.4%、購入意向は8.0%
■ 2016年度コンテンツ国内市場規模はAR 59億円・VR 27億円、VR HMDは55億円の見通し

【調査結果】

認知度はARが30.9%、VRが47.5%

 「AR」と「VR」という言葉の認知度について質問した。その結果、ARは「よく知っている」9.5%、「聞いたことがある程度」21.4%、「聞いたことはない・知らない」69.1%となり、一般消費者のAR認知度は30.9%となった。
 VRについては「よく知っている」16.9%、「聞いたことがある程度」30.6%で、これに対し「聞いたことはない・知らない」 が52.5%となり、VR認知度は47.5%となった。およそ、ARは3人に1人、VRは2人に1人が知っている結果になった。

ARコンテンツの利用経験はポケモンGOが最も高い

 AR技術を活用したコンテンツの利用経験をジャンル別に複数回答形式で質問した。その結果「利用したことはない」の69.1%が最も多く、次いで「ポケモンGO」20.4%、「カメラアプリ(SNOW、Snapchatなどで撮影時に顔が加工されるものなど)」9.8%となった。
 利用したことがある871人に限って分析した場合、「ポケモンGO」65.8%、「カメラアプリ(SNOW、Snapchatなどで撮影時に顔が加工されるものなど)」31.6%、「天気予報」17.5%となる。

 また、「ポケモンGO」の利用経験がある573人に、直近1週間でのプレイ時間を質問した結果、「直近1週間は利用していない」57.8%が最も多く、「30分未満」12.9%、「1時間未満」10.1%、「2時間未満」5.4%の順となった。半数以上の「ポケモンGO」利用経験者が直近1週間では利用していない実態が明らかとなった。
 これまで同コンテンツに課金した累計金額についても質問した。その結果、「0円・課金していない」88.1%、「2,000円以下」3.1%、「1,000円以下」2.4%で、9割近いユーザーが無課金でプレイしている傾向が明らかになった。

VR HMDの所有率は3.4%、購入意向は8.0%

 VR HMD(ヘッドマウントディスプレイ)の所有状況について質問した。その結果、「所有している」3.4%、「検討中」8.0%、「持っていない」88.5%となった。
 VR HMDを「所有している」97人に所有製品を複数回答形式で質問した結果、所有しているVR HMDでは雑誌の付録やイベントなどでも配布される紙製の製品が最も多く、プラスチック製の簡易的なVR HMDが2位という結果で、比較的安価に購入できる製品が上位となった。
 また、ARとVRについて今後の体験(購入)意向について質問した。その結果、「体験したい(購入したい)」と回答したのはARが25.6%、VRが30.2%となった。9割以上がVRを経験したことはないものの、体験・購入意向は高いことが明らかになった。

2016年度のコンテンツ国内市場規模はAR 59億円、VR 27億円でVR HMDは55億円の見通し

 2016年度のARコンテンツ、VRコンテンツ、VR HMDの一般消費者向け国内市場規模について分析した。
 ARコンテンツ市場は59億円、VRコンテンツ市場は27億円、VR HMD市場は55億円となる見通しだ。17年度以降も更なる普及が見込まれ、2021年度にはARコンテンツ市場 355億円、VRコンテンツ市場710億円、VR HMD市場1,046億円に達するだろう。

 VR市場を考えると、4万円以上でハイエンドに位置付けられるPS 4やゲーミングPCを活用したコンソール型のVR HMDは、台数としては少ないものの高品質なコンテンツを楽しみたいユーザーに好まれ、VRを活用したイベントなどでも積極的に利用される見通し。4万円未満のミドルレンジに分類できるVR HMDはスマートフォンなどを活用したモバイル製品が中心となり、さまざまなジャンルで手軽に楽しむ利用シーンが増えそうだ。一方、台数に最も寄与するのは4,000円以下の紙製などの簡易VR HMDで、動画配信サービスの360度映像の視聴や雑誌やイベントの付録など無料のサービスが拡大するうえで有力な受け皿になりそうだ。
 2016年度はARとVRそれぞれにネームバリューのあるコンテンツやハードウェアが登場したことで話題となった。VR HMDが手頃な価格で相次いで発売されたことなどから「VR元年」と呼ばれ、コンテンツとVR HMDを含む国内市場としては82億円規模となる見通しだ。2020年度にサービス開始予定の次世代移動通信方式5Gや、東京オリンピックに合わせたVR向けサービスの登場などによって市場規模のさらなる拡大が期待される。


【調査概要】
調査方法:WEBアンケート調査:2,815件
対象:15~69歳の男性・女性
調査時期:2016年11月

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[MM総研]
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