平成27年 木質バイオマスエネルギー利用動向調査 

2017年01月31日
林野庁は、「木質バイオマスエネルギー利用動向調査」の調査結果を取りまとめましたので公表します。平成27年にエネルギーとして利用された木質バイオマスの量は、木材チップが690万絶乾トン、木質ペレットが16万トン、薪が5万トン、木粉(おが粉)が37万トンで、木材チップのうち、間伐材・林地残材等に由来するものは117万絶乾トンでした。また、木質バイオマスを利用する発電機の数は232基、ボイラーの数は1,945基でした。
なお、この結果(確報)を踏まえ、「平成27年木材需給表」(平成28年9月公表)を更新しました(同年の木材自給率は33.2%に)。

1.当調査の概要について

「木質バイオマスエネルギー利用動向調査」は、木質バイオマス(注1)のエネルギーとしての利用動向を把握し、木材利用の推進、木材の安定供給、地域振興など森林・林業施策の推進等に資することを目的に、木質バイオマスを利用している発電機及びボイラーを有する事業所を対象として、事業所の概要、設備の利用動向、公的補助の活用状況、木質バイオマスの利用量を調査するもので、今年度から開始しました。平成27年の調査では、調査対象として全国1,364事業所のうち、1,316事業所から回答がありました(回答率96%)。
既に、平成28年8月24日に、本調査の速報として、エネルギーとして利用された木材チップの量を公表しましたが、今般、既に公表したデータを精査するとともに、それ以外の調査結果のとりまとめを行いましたので、確報として公表いたします。

(注1)木質バイオマスについて
木質バイオマスとは、バイオマス(動植物に由来する有機物)のうち木質であるものをいい、具体的には、木材チップ、木質ペレット、薪、木粉(おが粉)等を指します。

2.当調査結果の概要について

(1)木質バイオマスの利用量
エネルギーとして利用された木質バイオマスの量は、「木材チップ」で690万絶乾トン(注2)、「木質ペレット」で16万トン、「薪」で5万トン、「木粉(おが粉)」で37万トンなどでした(全国集計表2-(1))。
このうち、木材チップに着目して、利用量を由来別にみると、「間伐材・林地残材等」が117万絶乾トン(構成比16.9%)、「製材等残材」が143万絶乾トン(同20.7%)、「建設資材廃棄物(解体材、廃材)」が420万絶乾トン(同60.8%)などでした。
また、木材チップの利用量を利用目的別に見ると、「発電のみ」が304万絶乾トン(構成比44.0%)、「熱利用のみ」が119万絶乾トン(同17.2%)、「発電及び熱利用」が268万絶乾トン(同38.8%)でした。特に、間伐材・林地残材等に由来する木材チップについては、「発電のみ」が74万絶乾トン(構成比63.4%)、「熱利用のみ」が10万絶乾トン(同8.9%)、「発電及び熱利用」が32万絶乾トン(同27.7%)でした(全国集計表2-(3))。
このほか、木質バイオマスと非木質バイオマスとの混焼を実施している事業所は68事業所(構成比5.2%)、化石燃料との混焼を実施している事業所は226事業所(同17.2%)でした(全国集計表2-(4)(5))。

(2)事業所
事業所の数は、合計1,316事業所で、業種別に見ると、「製材業、木製品製造業」が262事業所(構成比20.0%)で最も多く、次いで、「一般公衆浴場業、その他の公衆浴場業(温泉)」が126事業所(同9.6%)、「農業」が97事業所(同7.4%)、「宿泊業」が87事業所(同6.6%)、「老人福祉、介護事業、障害者福祉事業」が70事業所(同5.3%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」が60事業所(同4.6%)などでした(全国集計表1-(1))。

(3)発電機
発電機の数は、合計232基で、業種別に見ると、「パルプ・紙・紙加工品製造業」が77基(構成比33.2%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」が67基(同28.9%)などでした。
種類別では、「蒸気タービン」が208基(構成比89.7%)、「オーガニック・ランキン・サイクル(ORC)」が1基(同0.4%)、「ガス化」が18基(同7.8%)などでした。また、総数のうち、熱電併給を行う発電機は、81基(構成比34.9%)でした(全国集計表3-(1))。
電気の用途別では、「自社又は自社関連施設等で利用」が127基(構成比54.7%)、「売電」が82基(同35.3%)などでした(全国集計表3-(2))。

(4)ボイラー(熱利用の場合)
ボイラーの数は、合計1,945基で、業種別に見ると、「農業」が403基(構成比20.7%)、「製材業、木製品製造業」が298基(同15.3%)などでした。
種類別では、「ペレットボイラー」が935基(構成比48.1%)、「木くず焚きボイラー」が780基(同40.1%)、「薪ボイラー」が129基(同6.6%)などでした(全国集計表4-(1))。
用途別では、「暖房のみ」が701基(構成比36.0%)、「木材の乾燥」が361基(同18.6%)、「給湯」が340基(同17.5%)などでした(全国集計表4-(2))。

(5)公的補助の活用状況
平成27年に補助金等を活用して取得された設備は、発電機で15基、ボイラーで143基、附帯設備等で47基でした。このうち、ボイラーについて、業種別に見ると、「農業」が40基、「老人福祉、介護事業、障害者福祉事業」が18基、「一般公衆浴場業、その他の公衆浴場業(温泉)」が11基などでした(全国集計表3-(8)、4-(8)、5)。

(6)その他
灰の処理方法については、「産業廃棄物として処理」が663事業所(同50.4%)、「農業用に使用」が323事業所(24.5%)などでした(全国集計表1-(3))。

(7)都道府県別の結果
上記の結果のうち、木質バイオマスの利用量、木材チップの由来別利用量、木質バイオマスエネルギー利用事業所数、発電機数(種類別、電気の用途別)、ボイラー数(種類別、熱の用途別)、補助金等活用数(発電機、ボイラー、附帯設備等)については、都道府県別のデータも公表しました。

(注2)絶乾について
絶乾とは絶乾比重(含水率0%)に基づき算出された実重量を指します。

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[林野庁]
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