プラネットは、日用品にまつわるトピックスをお届けする『Fromプラネット』の第54号としてかぜ薬に関する意識調査の結果をご紹介します。

調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ『DIMSDRIVE』実施のアンケート「かぜ薬」。
期間 :2016年12月7日~12月19日、DIMSDRIVEモニター4,004人が回答。

【調査結果】

■3人に2人が“年1回以上”かぜをひく

 年明け早々、列島各地を強い寒波がおそいました。かぜをひきやすい気候ですが、どんな予防や対策をしているでしょうか。今回は、かぜ薬についてアンケートを行い、かぜをひいたときの対処法や市販薬を飲む理由などについてまとめました。
 はじめに、どのくらいの頻度でかぜをひくかを聞きました。最も多かったのは「数年に1回ひく程度」26.4%でしたが、僅差で「年に1回程度」25.5%が続き、次いで「年に2回程度」20.2%となりました。
 「年に1回程度」以上の数値を合わせた“年1回以上”の割合は64.8%。3人に2人が毎年1回はかぜをひいていることになります。“年3回以上”という人も19.1%と、約2割。多くの人にとって、かぜが身近な病気であることがわかります。
 エリア別に見ると、“年1回以上”の数値が最も高かったのが「北海道」の71.0%、次いで「北陸」の66.6%。一方、最も低かったのが「九州・沖縄」の41.0%で、やはり寒いエリアほどかぜをひく人が多く、暖かいエリアほど少ない傾向がうかがえました。「北海道」「北陸」に次いで高かったのが「関東」66.1%で、都市部もかぜをひきやすいと考えられます。人口が集まっていることから、他人からうつりやすいのかもしれません。
 しかし、「北海道」「北陸」と同じく寒いエリアの「東北」では、“年1回以上”が44.7%と、「九州・沖縄」に次いで低くなりました。「全くひかない」も12.5%と全エリア中最も高く、意外にもかぜをひく人が少ない傾向が見られました。単に寒さや暖かさだけでなく、生活習慣や環境の影響を考える必要がありそうです。

■かぜの自覚症状は“のどから”が最多

 次に、どんな症状があったときに「かぜをひいた」と感じるかを聞きました。
 1位は「のどの痛み」で75.5%と圧倒的に高く、2位「せき」58.9%、3位「鼻水」57.8%と続きました。大半の人にとって「かぜをひいた」と感じるのは「のど」の症状であると言えそうです。
 男女別に見ると、「特にない」以外のすべての項目で、女性の数値が男性を上回る結果に。中でも男女差が大きかったのは、「のどの痛み」と「体のだるさ」の項目で、10%以上の差がありました。男性に比べ、女性はよりさまざまな症状から「かぜをひいた」と感じていることがわかります。女性のほうが、体の不調に対して、より敏感に察知する傾向があると言えるのかもしれません。

■かぜへの初期対応…男性は“即効性”を求め、女性は“自然治癒”を好む

 それでは、かぜを自覚したとき、どんな対策をする人が多いのでしょうか。「かぜをひいた」と感じたら、まず何をするかを聞きました。1位は「市販薬を服用する」62.0%、2位「十分に睡眠をとる」46.3%、3位「安静にする(自然治癒)」38.6%という順になりました。「かぜをひいた」と感じたら、6割超の人がまず「市販薬」を飲むこと、4割程度の人が睡眠や休養を心がけることから、自分でなんとかしようとする傾向にあることがわかります。
 男女別に見ると、ほとんどの項目で女性の数値が男性を上回り、上位8位までのうち、「市販薬を服用する」「病院に行く」を除いた6項目で、10%を超える男女差がありました。
 女性は、「睡眠」「安静」「マスク」「うがい・手洗い」「体の温まる食事」「服装」など、日常生活でできるかぎりの対策を試み、なんとか自分でよくなろうとする“自然治癒”派が多いことがうかがえます。
 これに対して、男性が女性を上回ったのは、「病院に行く」や「ドリンク剤を飲む」などの項目。男性は、「病院」での“治療”や、「ドリンク剤」など“即効性”のありそうな対策をとる傾向があると言えそうです。男性のほうが、“できるだけ短期間で治したい”“早く効いてほしい”という気持ちが強いようです。

■市販薬を服用する理由…「購入しやすい」「価格が手頃」など“手に入れやすさ”

 前の調査で、「かぜをひいた」と感じたとき、まずは「市販薬を服用する」人が多いことがわかりました。そこで、市販薬を服用する理由を聞きました。
 1位は「購入しやすい(どこでも入手できる)から」70.8%。2位「早く効きそうだから」25.7%を大きく引き離し、断トツでした。また、3位「家にあったから」、4位「価格が手頃だから」もそれぞれ20%を超えていました。薬の効果も大切ですが、まずは手に入れやすさや価格の手頃さなども理由になっていることがわかります。常備薬として買い置きしている家庭もありそうです。
 男女差を見ると、やはりほとんどの項目で女性が男性を上回っていました。上位項目の中で唯一男性が女性を上回っていたのが、「早く効きそうだから」の項目。「かぜをひいた」と感じたときにどんな対策をとるかを聞いた前の調査で、男性が“即効性”を求める傾向が見られたこととも一致しています。
 女性が男性を大きく上回っていたのが「病院に行くのが嫌いだから」の項目。前の調査結果とも合わせて考えると、女性は男性に比べ、病院に行くのを避ける傾向があると言えそうです。病人の集まる場所に行くことで、かえってかぜがうつるのがいやなのかもしれません。

■始まったばかりの「セルフメディケーション税制」認知度は低いが期待は高い

 1月1日から「セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)」がスタートしました。一定の基準を満たした個人が、ドラッグストアなどで買える、対象市販薬の購入費の控除を受けられるもので、市販薬を利用する多くの人に関わりのある制度と言えます。この特例の認知度について調べました。
 まずは、「セルフメディケーション税制」を知っているかどうかを聞くと、「まったく知らなかった」が74.3%と4分の3を占めました。「詳しく内容を知っている」1.9%、「おおよその内容は知っている」6.3%を合わせた“内容を知っている”人の割合は合わせて8.2%と、1割以下。「まったく知らなかった」が7割以上を占める傾向はすべての性年代で見られ、今のところあまり知られていない状況がわかりました。
 次に「セルフメディケーション税制」による控除を受けたいかどうかを聞くと、「控除を受けるのを検討してもよい」が30.9%で最も高く、次いで「ぜひ控除を受けたい」の28.9%。2項目を合わせた“控除を受けたい”計は59.8%と半数を超えていました。その一方で、「わからない」と答えた人も25.7%と、4人に1人。制度自体への認知度、理解度の低さがうかがえます。
 制度に対する認知度は低いものの、控除を受けたいと期待を寄せる人は少なくない様子がうかがえました。今後は制度への理解を深め、市販薬を上手に使って、健康維持・病気予防と医療費の節約に生かしていきたいものです。

●セルフメディケーション税制とは…?
平成29年1月1日からスタートした医療費控除の特例。健康の維持増進や病気予防のために一定の健康診断などを受けている人が、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を年間1万2,000円を超えて購入した際に、1万2,000円を超えた部分の金額(上限:8万8,000円)について所得控除を受けることができる制度です。

※ 対象となる医薬品などは、厚生労働省のWebサイトに掲載されています。
※ 従来の医療費控除制度と同時に利用することはできません。
※ この特例は、平成29年分の確定申告から適用されます。

■うがい・手洗い、卵酒、ハチミツ大根…かぜ対策には自分なりの定番が

≪あなたのかぜ予防法やかぜ対策、かぜにまつわるエピソード≫
【やっぱり…うがい・手洗い、栄養、睡眠】
●とにかくしつこくうがいをして温かい物を食べ、体を休める。よく眠る。(女性・60代)
●外から帰ったら、必ずうがいと手洗いをする。外出中でもなるべくこまめに水を飲む。(女性・50代)
●鼻うがいをする。普通のうがいよりもはるかに効果がある。(女性・50代)
●やはり十分な休養と消化のよい栄養バランスのとれた食事をとることがいちばん回復します。(女性・40代)

【とにかく…防寒、マスク】
●手首、足首、首を冷やさないように防寒をする。(女性・60代)
●寒気がするとき、首の後ろをホッカイロで温めるとかぜにならない。(女性・60代)
●外に行くときはマスクを着用。のどの調子が悪いときは、睡眠時もマスクを着用して悪化を防ぐ。(女性・40代)
●いつもマスクを持ち歩き、かぜをひいている人がいたらマスクをする、近づかないなど。(女性・50代)

【定番!ハチミツ大根、しょうが、アルコール消毒?…】
●せきにはハチミツ大根、のどが痛いときはハチミツしょうがを飲めるように常備している。(女性・30代)
●せきが止まらないときは、大根を水あめにつけて、大根から出てきた水分を飲むとよい。(男性・40代)
●かぜかなと思ったらとにかくしょうがをとります。しょうが湯、しょうが紅茶、しょうががゆ…。(女性・40代)
●長ねぎの千切りにおみそを入れて熱湯を注いで食べると体温が上がるので温まります。(女性・60代)
●卵酒を飲むと体が温かくなり、程よく眠たくなり、かぜの症状が軽くなる。(男性・60代)
●かぜをひきそうになったら、いつも以上にお酒を飲んで、スコンと寝る。たいていはそれで治る。(女性・40代)

【早めの対処、ひき始めが肝心】
●体調が悪いかなと思ったら市販のかぜ薬を飲みます。悪化してからでは薬は効かないと思います。(女性・50代)
●ひき始めに市販薬を飲んでゆっくり休むとよくなってくるので、病院に行くことはほとんどない。(女性・60代)

【かぜにまつわる思い出】
●子どもの頃、のどが痛いときに祖母がねぎを手ぬぐいで包んで首に巻いてくれました。(男性・50代)
●子どもの頃かぜをひくと、父が大きなファミリーサイズのアイスクリームを買ってきてくれた。それがとてもうれしかった。(女性・30代)
●かぜのときはなぜか鍋焼きうどんとプリンを母が食べさせてくれました。そのせいか大人になった今でもプリンを食べると元気になるような気がします。(女性・30代)

 かぜの予防法やかぜ対策、思い出のエピソードを自由回答で聞きました。うがい・手洗い、休息・栄養、防寒にマスク着用といった日常的な心がけ、ハチミツ大根や卵酒を飲むなど、定番の対策法が集まりました。昔ながらのいわゆる民間療法が、今も予想以上に生きていることがわかります。また、“これが自分には効く”という自分なりの対策法を心得ている人が多い印象も受けました。何が効果的かは人それぞれ、自分に合ったかぜ対策・予防法を知ることが肝要だと思わされます。かぜにまつわるエピソードとしては、両親や祖父母に世話してもらった思い出が心に残っている人が多いようです。かぜで弱った心身に優しい心遣いがしみるのは、子どもも大人も変わらないのかもしれません。

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