2017年の中小企業の経営施策調査(中小企業の経営者対象) 

2017年01月24日
産業能率大学は、中小企業の経営者を対象に経営環境認識や経営方針・施策などを尋ねる調査を実施しました。調査はインターネット調査会社を通じて実施し、従業員数6人以上300人以下の企業経営者(経営トップ)661人から回答を得ています。

【注目データ】

▼「従業員が不足している」約半数
「建設業」「情報通信業」「飲食店・宿泊業」「医療・福祉」では6割以上
現在の従業員数の充足状況について尋ねたところ、およそ半数の 48.6%が「不足している」と回答しました。業種別に見ると、<建設業>(61.6%)、<情報通信業>(62.8%)、<飲食店・宿泊業>(61.1%)、<医療・福祉>(69.0%)では 6 割以上が「人材が不足している」と回答しました。

▼2017年の業績見通し 「良くなる」が優勢
「運輸業」「教育・学習支援業」では厳しい見方も
業績が“良くなる”が全体の 36.3%(「大幅に良くなる」5.1%+「やや良くなる」31.2%)、“悪くなる”が 16.2%(「大幅に悪くなる」2.9%+「やや悪くなる」14.1%)となり、“良くなる”が“悪くなる”を 19.4 ㌽上回りました。業種別クロス集計で見ると、<運輸業>と<教育・学習支援業>では、2017 年の業績見通しについて厳しい見方をしています。

▼2017年の経営活動に影響を与えそうな要因
「人材の不足」(36.0%)が最多
2017 年の経営活動に影響を与えそうな要因(上位 5 項目)は、「人材の不足」(36.0%)、「国の政策の変化」(24.8%)、「国際情勢の悪化」(20.0%)、「需要の不足」(19.8%)、「業界構造の変化」(17.4%)となりました。

▼2017年に最も取り組みたいこと「国内の販路拡大」が最多
2017 年に経営者として最も取り組みたいことは「国内の販路拡大」(14.5%)が最多となりました。
前年調査との比較でみると、上昇幅が拡大した上位 3 項目は「従業員満足度の向上」(1.6 ㌽増)、「海外の販路拡大」(1.5 ㌽増)、「新規事業への進出」(1.2 ㌽増)となりました。下落幅が拡大した上位3 項目は「営業力の強化」(3.1 ㌽減)、「顧客満足度の向上」(2.6 ㌽減)、「利益率の向上」(1.0 ㌽減)でした。

【調査結果】

1.会社を取り巻く状況

従業員について
 現在の従業員数の過不足状況について尋ねたところ(問1/P.10)、およそ半数の 48.6%が「不足している」と回答しました。<医療・福祉><情報通信業><建設業><飲食店・宿泊業>については、6 割以上が「不足している」と回答しています。従業員の女性・外国人・シニアの割合についても尋ねました(問 2/P.11)。<医療・福祉>と<飲食店・宿泊業>は女性割合が高く、外国人割合は「0%(いない)」が 83.7%となっています。

海外展開について
海外展開の状況を「海外展開をしている」「今後海外展開をする予定である」「過去に海外展開をしたが、現在は撤退している」「過去に海外展開の実績はなく、今後も海外展開をする予定はない」の 4 択で尋ねました(問 3/P.12)。「海外展開をしている」は 9.5%で、全体の 90.5%が(現状では)海外展開をしていないようです。前年調査と比較すると、「海外展開をしている」(0.9 ㌽増)、「今後海外展開をする予定である」(0.1 ㌽増)がそれぞれ微増しています。

2. 経営活動

2017 年の業績見通しについて
2017 年の業績見通しについて「大幅に良くなる」「やや良くなる」「同様となる」「やや悪くなる」「大幅に悪くなる」の選択肢からあてはまるものを選択してもらいました(問 4/P.13)。全体で見ると業績が“良くなる”が全体の 36.3%(「大幅に良くなる」5.1%+「やや良くなる」31.2%)で業績が“悪くなる”(「大幅に悪くなる」2.9%+「やや悪くなる」14.1%)を 19.4 ㌽上回りました。業種別クロス集計で見ると、<運輸業>と<教育・学習支援業>では、“悪くなる”とする見方が優勢となりました。

経営活動の影響要因
昨年(2016 年)の経営活動に影響を与えた要因について、選択肢の中から 3 つまで回答してもらいました(問 5/P.14)。上位 3 項目は「人材の不足」(36.0%)、「需要の不足」(23.8%)、「国の政策の変化」(22.1%)となりました。今年(2017 年)の経営活動に大きな影響を与えそうな要因についても選択肢の中から 3 つまで回答してもらったところ(問 6/P.16)、昨年同様に「人材の不足」(36.0%)が最も多くなりました。
次いで、「国の政策の変化」(24.8%)、「国際情勢の悪化」(20.0%)となっています。

経営者として最も取り組みたいこと
2017 年に経営者として最も取り組みたいことを選択肢の中から回答してもらいました(問 7/P.18)その結果、「国内の販路拡大」(14.5%)が最も多く、「利益率の向上」(14.2%)、「従業員の新規採用」(8.8%)、「営業力の強化」(8.8%)が続きました。前年調査と比較すると、上昇幅の大きかった上位 3 項目は「従業員満足度の向上」(1.6 ㌽増)、「海外の販路拡大」(1.5 ㌽増)、「新規事業への進出」(1.2 ㌽増)となりました。下落幅の大きかった上位 3 項目は「営業力の強化」(3.1 ㌽減)、「顧客満足度の向上」(2.6 ㌽減)、「利益率の向上」(1.0 ㌽減)となりました。

3.採用活動について

新卒採用
2017 年入社の新卒採用活動の実施状況について尋ねました(問 8/P.20)。新卒採用を「実施していない」が 86.2%を占め、多くの中小企業では新卒採用活動を実施していないようです。新卒採用実施企業を業種別クロス集計で見ると、<教育・学習支援業>(31.3%)、<情報通信業>(27.9%)、<金融・保険業>(26.3%)が比較的高い数値となりました。
2017 年入社の新卒採用活動を「実施した」と回答した企業(n=91)に対して、採用人数を尋ねました(問9/P.21)。「予定を下回る」が 36.3%となり、新卒採用を実施した 3 社に 1 社が予定数を確保できなかったようです。「予定を下回る」とする回答を業種別クロス集計で見ると、<サービス業>(61.5%)、<製造業>(50.0%)は半数以上が「予定人数を下回る」と回答しています。
経団連に加盟しない中小企業にとっても大きな影響を受ける就職選考解禁時期について、適切だと思う時期を尋ねました(問 10/P.22)。「通年採用」(解禁時期を設ける必要はない)とする回答が最も多く 35.4%、次いで「大学 4 年生の 9 月以降」(13.6%)、「大学 4 年生の 4 月」(12.2%)、「大学 4 年生の 6 月」(10.9%)となりました。

中途採用
2016 年の中途採用についても尋ねました(問 11/P.23)。中途採用を「実施した」は 52.3%となり、半数以上が中途採用を実施したようです。新卒採用より 38.5 ㌽多く、依然として新卒採用よりも中途採用に力を入れているようです。業種別に見ると、<医療・福祉>(71.4%)、<運輸業>(65.9%)、<飲食店・宿泊業>(61.1%)、<サービス業>(60.8%)で 6 割を超えました。前回調査(2015 年)と比較すると、「実施した」とする回答が 1.5 ㌽増加しています。
中途採用を「実施した」と回答した企業を対象(n=346)に、採用人数・採用活動の実施理由について尋ねました(問 12・13/P.24・25)。その結果、半数近くが“予定どおりの人数を確保できなかった”(「予定を下回る人数しか確保できなかった」34.1%+「一人も採用できなかった」16.2%)と回答しています。中途採用活動の実施理由は、「恒常的な人員不足解消のため」(51.2%)が最も多く、次いで「即戦力となる人員を確保したいため」(47.1%)、「退社などに伴う欠員を補充するため」(47.1%)となりました。2017 年の中途採用活動の予定についても尋ねました(問 14/P.26)。昨年(2016 年)の中途採用実施状況(2016 年:中途採用「実施」=52.3%)と同様に、およそ半数が「中途採用の予定がある」(51.6%)と回答しました。


【調査概要】
調査対象:従業員数6人以上300人以下の企業の経営者
調査期間:2016年11月11日~18日
調査方法:インターネット調査
サンプル:661

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