外食・中食市場2016第3四半期の動向 

2016年11月24日
外食・中食市場情報サービス『CREST®』を提供するエヌピーディー・ジャパンは、外食・中食市場2016年第3四半期動向の分析を紹介します。

8月・9月は相次ぐ台風や大雨などの悪天候の上、シルバーウィークはカレンダー並びが悪く飛び石連休、と外食・中食市場には悪条件が重なりました。そのような2016年第3四半期の外食・中食市場はどのような状況だったのか、エヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®マーケットトレンドレポート 2016Q3 vs. 2015Q3』から分析を紹介します。

【調査結果】

外食・中食市場全体の売上は横ばい

外食・中食市場全体の2016年第3四半期の成長率(図表1)をみると、売上は対前年同期比0%と横ばいでした。昨年から客数はプラスマイナス1%の範囲内で前後していて、市場規模の成長を左右しているのは客単価でした。客単価は2015年第1四半期にはプラス6%でしたが四半期毎に成長率が半減していき、2016年はゼロ成長だったのがついに今期マイナス成長となりました。この客単価の減少を受けて、市場規模成長率がマイナスとなりました。

スーパーの食機会数は夕食機会の減少でマイナス成長

業態別の食機会数*3の成長率(図表2)をみてみると、業態シェアの一番高いスーパーマーケットの成長率がマイナスとなりました。夕食機会数が減少したことが影響しています。FR(ファミリーレストラン)は、高客単価層の流出で食機会数が減少しました。FF(ファストフード)+セルフ型カフェ、CVS(コンビニエンスストア)は第1、2四半期に引き続きプラス成長を維持しています。

食事機会はすべて減少、間食機会が3四半期連続で伸びる

食機会別の成長率(図表3)を見ると、間食機会が大きく成長しているのが分かります。2015年第4四半期まで4期連続でマイナス成長だった間食機会が2016年に入ってからは3期連続でプラス成長となっています。間食の伸びには主にCVSとスーパーの間食機会の伸びがけん引していますが、全般的にどの業態でも間食が伸びている傾向があります。

反面、朝食、昼食、夕食のメインの食事機会数は、2016年に入り3期連続で減少しています。
第2四半期までは商品単価が上がり続いている傾向にありましたが、今期は多くの業態で商品単価が横ばいまたはマイナスの傾向となっています。間食が伸び食事機会が減ることで菓子やドリンクだけを購入するなどの機会が増え、平均商品単価が減り客単価が減少し、売上を下げる要因となっています。食事機会においてもドリンクとフードを一緒に購入(注文)しない食機会が増加傾向で、客単価を下げる原因にもなっています。節約志向を受け、消費者はより支払いにシビアになってきているといえます。メインの昼食や夕食の客数を回復させることが、市場の売上を伸ばすのに最も重要といえるでしょう。

*3  食機会数
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前間食/昼/午後間食/夕/夜間食)数


「NPD Japan, エヌピーディー・ジャパン調べ」

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[エヌピーディー・ジャパン]
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