子どもがいる正社員の休暇に対する意識調査①(20~59歳の男女対象) 

2016年07月11日
第一生命保険のシンクタンク、第一生命経済研究所は、全国の 20~59 歳の男女 1,400 人に対して「子どもがいる正社員の休暇に対する意識調査」を実施しました。この中から、配偶者も自分も正社員として働きながら子育てをしている人の年次有給休暇の取得実態と取得することに対する「ためらい」意識に関する調査結果を紹介します。

≪調査結果のポイント≫

年次有給休暇の取得状況 (P.2)
●末子の学齢別にみて最も取得率が高いのは、男性は末子が「大学生」50.4%、女性は末子が「幼稚園・保育園」63.2%

年次有給休暇の取得理由 (P.3)
●男性は「家族との旅行、レジャー」、女性は「子どもの学校行事」が第1位

年次有給休暇の希望する用途 (P.4)
●第1位は男女とも「家族との旅行・レジャー」、第2位は男性「自分の休養・リフレッシュ」、女性「子どもの学校行事」

有給休暇を取得することへの「ためらい」意識 (P.5)
●男性の57.3%、女性の63.2%が有給休暇を取得することにためらいを感じている

有給休暇を取得することにためらいを感じる理由 (P.6)
●男女とも「休むと職場の他の人に迷惑がかかるから」が第1位

ためらいを感じずに取得できる理由 (P.7)
●男性は「自分のペースで仕事を進めることができるから」、女性は「職場の他の人と仕事の調整・分担ができているから」が第1位

有給休暇の取得促進のメリット (P.8)
●第1位は男女とも「従業員の心身の健康を高める」、第2位は男性は「従業員の生産性向上」、女性は「両立のしやすさ」

【調査結果】

年次有給休暇の取得状況
末子の学齢別にみて最も取得率が高いのは、男性は末子が「大学生」50.4%、女性は末子が「幼稚園・保育園」63.2%


本稿の分析対象者における年次有給休暇の取得率(2014 年度に付与された日数に占める取得日数の割合)は全体平均で 50.5%でした(図表省略)。性別では男性 43.6%、女性 54.3%です(図表1)。性・企業規模別では男女ともに 30 人以上の企業からは企業規模が大きいほど取得率が高いです。性・役職別では、男女ともに一般社員よりも管理職(課長以上)の方が取得率が低く、性・職種別では、技術系専門職(設計、研究開発、プログラマーなど)と事務(総務、経理、企画、編集など)が男女とも取得率が比較的高いです。性・末子の学齢別では、取得率が最も高い時期が男女で異なり、女性は末子が「幼稚園・保育園」、男性は「大学生」です。女性は末子が「幼稚園・保育園」から「中学生」までが取得率が高く、「高校生」になると低下しています。男性は末子が「中学生」で最も低いですが、これ以外は「大学生」までほぼ横ばいであり末子の学齢による変化は余り大きくないです。

年次有給休暇の取得理由
男性は「家族との旅行、レジャー」、女性は「子どもの学校行事」が第1位


年次有給休暇を取得した人に、取得した理由をたずねた結果をみると、全体では「家族との旅行・レジャー」が最も多く、次いで「子どもの学校行事(授業参観や PTA 活動など)」(以下「学校行事」)、「自分の病気・けがの療養、通院」(以下「自分の病気」)などが続いています(図表2)。
性別にみると、男性は「家族との旅行・レジャー」が最も多く、次いで「自分の病気」「学校行事」の順です。女性は「学校行事」が最も多く、「家族との旅行・レジャー」や「自分の病気」を上回っています。子育て世代の女性は特に、年次有給休暇を子どもの学校行事のために利用している人が多いことがわかります。また「子どもの病気・けがの看病、通院」(以下「子どもの病気」)のために休む男性の割合は 15.3%であり、女性の 35.9%を大幅に下回っています。本調査の分析対象は配偶者も正社員として働いている人です。
配偶者が正社員として働いていても、子どもの病気のために休むのは女性に多いことがうかがえます。

年次有給休暇の希望する用途
第1位は男女とも「家族との旅行・レジャー」、第2位は男性「自分の休養・リフレッシュ」、女性「子どもの学校行事」


年次有給休暇を取得した人に希望する用途を2つまで回答してもらった結果が図表3です。全体では、実際の取得理由と同様「家族との旅行・レジャー」が最も多いですが、「自分の休養・リフレッシュ」が「学校行事」や「自分の病気」を上回っているなど、2位以下は実際の取得理由の順位とは異なっています。
性別にみると、男女とも「家族との旅行・レジャー」が1位ですが、2位は男女で異なっています。男性は「自分の休養・リフレッシュ」、女性は「学校行事」が僅差で「自分の休養・リフレッシュ」を上回って2位です。女性の約4人に1人は、自分の希望としても、子どもの学校行事のために休暇を取得したいと思っているようです。
性・末子の学齢別にみると、男性でも末子が中学生までは「学校行事」のために休みたいと思っている人の割合が「自分の休養・リフレッシュ」と同率もしくは高いです。他方、女性は末子が幼稚園・保育園までは「自分の休養・リフレッシュ」が「学校行事」を上回っています。未就学児を育てている時期は、子どもに手がかかることもあり、自分の休養のために休みたいと思っている人が多いようです。

有給休暇を取得することへの「ためらい」意識
男性の 57.3%、女性の 63.2%が有給休暇を取得することにためらいを感じている


有給休暇の取得を望んでいても、実際には取得することをためらう人も多いと思われます。そこで次に「ためらい」意識に注目して、この「ためらい」が有給休暇の取得行動にどのように関係しているかをみます。
有給休暇を取得することにためらいを感じるかをたずねた結果をみたものが図表4です。
全体の約6割の人が「ためらいを感じる」(「ためらいを感じる」と「ややためらいを感じる」の合計、以下同じ)と回答しています。
性別では男性よりも女性の方が「ためらいを感じる」の回答者が多いです。女性の方が男性よりも取得率は高いのですが、ためらいを感じながら取得している人が多いようです。
他方、企業規模別では、取得率が低い傾向にあった小規模企業ほど「ためらいを感じる」人の割合が高いです。有給休暇を取得する壁を低くするためには「ためらい」意識の発生を弱めることも必要と思われます。

有給休暇を取得することにためらいを感じる理由
男女とも「休むと職場の他の人に迷惑がかかるから」が第1位


「ためらいを感じる」と回答した人に、その理由をたずねた結果が図表5です。全体では「休むと職場の他の人に迷惑がかかるから」など、職場の人への気遣いから、有給休暇を取得することにためらいを感じる人が多いことがわかります。
性別では、上位3位までは男女とも同じ理由ですが、4位の理由が男女で異なります。
男性は「職場の周囲の人がほとんど有給休暇をとらないから」ですが、女性は「家族の病気や急な用事のために残しておく必要があるから」です。本調査の分析対象は配偶者も正社員として働いている人です。同じ正社員として働きながらも、家族の病気などに備えて有給休暇を残しておきたいとの思いは、男性よりも女性に強いようです。

ためらいを感じずに取得できる理由
男性は「自分のペースで仕事を進めることができるから」、
女性は「職場の他の人と仕事の調整・分担ができているから」が第1位


有給休暇を取得することに「ためらいを感じない」と回答した人に、その理由をたずねたところ、「自分のペースで仕事を進めることができるから」が最も多く43.7%、次いで「職場の他の人と仕事の調整・分担ができているから」(以下「他の人と分担ができているから」)が41.8%で続いています(図表6)。「職場内で計画的に休暇のスケジュールを決めているから」や「有給休暇を取得する時期及び日数を会社から決められているから」は約1割に過ぎないことから、有給休暇の取得を職場や会社が決めることよりも、日ごろの仕事の仕方が休みやすさにつながることが示されています。
職種別では、いずれの職種も「他の人と分担ができているから」への回答が2位までに入っています。回答数が少ないので参考値ですが、比較的取得率が低い介護・医療職であっても仕事の分担ができていればためらいなく休めるものと思われます。

有給休暇の取得促進のメリット
第1位は男女とも「従業員の心身の健康を高める」、第2位は男性は「従業員の生産性向上」、女性は「両立のしやすさ」


有給休暇を取得しやすくすることの「メリットは特にない」と回答した人は全体の15.9%であり、8割以上の人は有給休暇を取得しやすくすることが従業員や会社にメリットがあることを認識しています(図表7)。
具体的内容をみると、「従業員の心身の健康を高める」が最も多いですが、「従業員の生産性が向上する」や「従業員が仕事と家庭の両立がしやすくなる」(以下「両立のしやすさ」)も僅差で続いています。有給休暇の取得促進の取組は、従業員の健康、生産性向上、両立支援に寄与することを約4割の人が認めています。
性別にみると、特に男性よりも女性で「両立のしやすさ」と「女性の継続就業につながる」の回答が多く、女性の方が休みやすさが就労促進につながることを意識しています。


≪調査の概要≫
・調査対象 20~59 歳で、民間企業で正社員として働いており、かつ大学生(短大、専門学校、大学院を含む)までの子どもがいる男女 1,400 人(男女 700人ずつ)
・調査方法 インターネット調査(株式会社クロス・マーケティングのモニター)
・調査時期 2015 年 11 月
・分析対象 今後、女性の活躍推進にともない、子育てと両立しながら正社員として働く女性が増えるとともに、そのような女性を妻に持つ男性も増えることが見込まれます。そこでここでは、正社員の配偶者をもち、自分も正社員として働いている男女 980 人について分析をおこないました。

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