働く目的や職場環境評価、能力開発意識に ついての調査(18~69歳の男女対象) 

2015年10月14日
第一生命保険のシンクタンク、株式会社第一生命経済研究所では、全国の 18~69 歳の男女 7,256 人に対して「今後の生活に関するアンケート調査」を実施し、その分析結果を元に『ライフデザイン白書 2015 年』を発刊いたしました。そのうち、本リリースでは、正社員・正職員の働く目的や職場環境評価、能力開発意識についての結果を紹介します。

≪調査結果のポイント≫

働く目的
● 「働くのは当然だから」の回答割合は、29歳以下では女性(42.2%)が男性(37.4%)を上回る

現在勤めている職場に対する評価
● 男性同様女性も半数以上が「仕事の内容がおもしろい」と回答

現在身につけている職業能力
● 「英語などの語学力」以外、すべての項目で女性よりも男性のほうが身につけていると回答

今後新たに身につけたい能力、伸ばしたいと思う能力
● 「管理職としてのマネジメント能力」を身につけたい男性は 25.6%、女性は 12.6%

職場評価と職業能力との関係
● 男女にかかわらず、仕事にやりがいがあると思っている人のほうが、職業能力向上に意欲的

【調査結果】

働く目的
「働くのは当然だから」の回答割合は、29 歳以下では女性(42.2%)が男性(37.4%)を上回る


図表1は、働く目的をたずねた結果を性別、性・年代別にみたものです。
性別にみると、多くの項目で男性よりも女性のほうが回答割合が高いです。「将来に備えて貯蓄をするため」「自分の自由になるお金をえるため」「家計を補助するため」など、生活のためというよりは補助的な意識で働くことを示す項目に女性の回答割合が高いですが、それらばかりでなく、「仕事を通じて達成感をえたいから」や「自分の能力や可能性をためしたいと思うから」など、仕事にやりがいを見出すことを求める項目も女性のほうが高いことがわかります。
また、「働くのは当然だから」のように、性別では男性のほうが上回っている項目でも、年代別にみると 29 歳以下では女性のほうが高くなっています。働く目的は、その後のキャリア意識と関連すると思われます。女性の中でも、特に若い女性で、社会的意義のある仕事をしたいと思っている人が多いことをみても、職業生活の始期は女性も男性と同等か、それ以上に意欲を持って働こうと思っていることがわかります。

現在勤めている職場に対する評価
男性同様女性も半数以上が「仕事の内容がおもしろい」と回答


図表2は、現在勤めている職場についてどのように評価しているかを性別にみたものです。
回答割合の差が 10 ポイント以上開いている項目はなく、男女で回答傾向に大きな違いはみられません。
「能力がいかせる」「仕事の内容がおもしろい」といった、仕事のやりがいを示す項目への回答割合をみても、男性と同様に女性も半数以上があてはまる(「あてはまる」と「まああてはまる」の合計)としています。
このように、正社員・正職員として働く女性の、働く目的や職場評価から推察される仕事に対する意欲は男性とあまり変わらないことがうかがえます。

現在身につけている職業能力
「英語などの語学力」以外、すべての項目で女性よりも男性のほうが身につけていると回答


図表3は、現在身につけていると自覚している職業能力についてたずねた結果を性別、性・年代別に示したものです。性別にみると、「英語などの語学力」「特にない」を除くすべての項目において、女性よりも男性の回答割合が上回っています。図表2で示したように女性も男性同様、意欲を持って働いている人が多いものの、仕事上必要な能力を身につけていると認識している人は男性のほうが多いようです。
ただし、29 歳以下について性別にみると、「社内の人脈・ネットワーク」「社外の人脈・ネットワーク」「英語などの語学力」の回答割合は女性のほうが男性より高いです。語学力は僅差ですが、人脈づくりについては6ポイント以上の差があります。30 代以降は逆転する傾向にあるものの、20 代の入職期にあっては、女性のほうが人脈づくりに積極的であるようです。

今後新たに身につけたい能力、伸ばしたいと思う能力
「管理職としてのマネジメント能力」を身につけたい男性は 25.6%、女性は 12.6%


図表4は、今後新たに身につけたい、あるいは伸ばしたいと思う職業能力を複数回答でたずねた結果を性別、性・年代別に示したものです。性別にみると「専門分野における知識・技術・技能」「英語などの語学力」「特にない」を除くすべての項目において、女性よりも男性の回答割合が上回っています。
年代別にみても、29 歳以下では「特にない」を除くすべての項目で、女性よりも男性のほうが高いです。特に「管理職としてのマネジメント能力」の 29 歳以下の回答割合が男女で 20 ポイント以上差があり、40 代まで男女差が大きく開いています。
わが国は今、女性の活躍推進のために女性管理職を増やすことを目指していますが、管理職として必要なマネジメント能力を身につけたいとする女性は男性に比べて少ないようです。女性の活躍推進を目指すにあたり、女性がこうしたキャリア形成に関する意識を変えていくことも必要と思われます。

職場評価と職業能力との関係
男女にかかわらず、仕事にやりがいがあると思っている人のほうが、職業能力向上に意欲的


図表2の職場評価に関する項目のうち、仕事のやりがいを示す「能力がいかせる」「仕事の内容がおもしろい」「自己啓発や研修、勉強会などの能力開発がしやすい」といった項目への回答状況別に、現在身につけている職業能力及び今後新たに身につけたい職業能力いずれにも上位5位内に入った「専門分野における知識・技術・技能」「管理職としてのマネジメント能力」「社外の人脈・ネットワーク」と、「特にない」の回答割合を性別にみたものが図表5です。
全体的に、自らの職場について「能力がいかせる」などにあてはまるとしている人のほうが、あてはまらないとしている人よりも、現在身につけている職業能力、今後新たに身につけたい職業能力いずれの項目(「特にない」を除く)の回答割合も高いです。その傾向は男女とも同様であり、男女にかかわらず仕事にやりがいがあると思っている人のほうが、職業能力向上のために意欲的であることがわかります。


【調査概要】
調査対象:全国の満 18~69 歳の男女個人
調査実施期間:2015 年1月 29 日~30 日
抽出方法:調査機関の登録モニター約 118 万人から国勢調査に準拠して地域(10 エリア)×性・年代×未既婚別にサンプルを割付
調査方法:インターネット調査
有効回答数:7,256 サンプル
調査機関:株式会社マクロミル

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