若年層アニメーター生活実態調査(経験年数3年以内のアニメーター対象) 

2016年12月12日
若手層アニメ制作者を応援する会(AEYAC)では、支援活動の一環として経験年数3年以内のアニメーターを対象とした実態調査を行いました。

本調査は、厳しい労働条件の下で働いているとされる若年層アニメーターの労働実態・生活実態について、単純に賃金や労働条件の観点だけではなく、より多角的な観点から把握する目的で実施したものです。その第一回となる今回は労働条件に加え、奨学金返済の状況、居住形態、通勤時間などをインターネット調査にてアニメーターの方に尋ね、153 名(うち男性 29%、女性 69%、その他 2%)の方々からご回答をいただきました。

【調査結果のポイント】

1 居住形態・生活実態
(1)実家暮らしと回答した者は全体の 35%、実家暮らしでないと回答した者(「一人暮らし」「友人知人と同居」「配偶者・パートナーと同居」「寮」「近親者と同居」)は 65%だった[図1]。
(2)実家暮らしの者は全員が「主な家計支持者ではない」(=世帯の主たる稼ぎ手ではない)と回答した。また、実家暮らしではない者のうちの 31%(全体の 18%)は、実家から仕送りを受けながら生活していると回答した[図2]。
(3)上記より、全体の 53%(実家暮らし 35%+実家暮らしではないが仕送りを受けている者 18%)の回答者が、家族からの何らかの経済的援助のもとで働いていることが明らかになった。
(4)また、実家暮らしではない者のうち 58%(57 名)は生活のために貯金を切り崩したことがあると回答している[図3]。
(5)家賃を負担している者のうち、最も回答の多かったのは「3 万円~5 万円未満」(32%)であった[図4]。

2 通勤時間
通勤時間に関して、「30 分以内」である者が全体の過半数であった。しかし一方で、「1 時間~1 時間半」と回答した者も 14%おり、全体のうち4分の1の者は1時間以上かけて通勤していることが明らかになった[図5]。実家暮らしか否かで分けてみると、実家暮らしである者の 61%が通勤時間 1 時間以上で、実家暮らしでない者の 76%が通勤時間 30 分以内となっていることがわかった[表1]。

3 奨学金返済の状況
奨学金の返済を行っているか否かという質問に対して、「行っている」と回答した者が約33%(49 名)だった[図6]。日本学生支援機構(2013)『貸与と返還の現状』によると、2012 年度における学生数に対する奨学金の貸与割合は 37.7%となっており、今回のサンプルと同程度の水準といえる。つまり、アニメーターの生活を苦しくさせている要因として、業界の問題としての低賃金問題だけではなく、若者の労働問題に共通する要素である奨学金の返還負担の問題があることが指摘できる。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[若手層アニメ制作者を応援する会]
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