企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査(常用雇用者100人以上の企業対象) 

2015年07月13日
労働政策研究・研修機構は、企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査を実施。

働く人々の多くが自主的な職業生活設計を希望し 、一方で経済のグローバル化やサービス化が進んでより高度な専門的知識・スキルに対する要請が強まる中で、労働者による自発的なキャリアアップの機会をいかにして充実していくかが社会的・政策的課題として注目を集めつつある。2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」においては、非正規雇用労働者である若者等がキャリアアップ、キャリアチェンジできるような、また社会人の学び直しを促進するような雇用保険制度の見直しが、政策目標として掲げられた。
労働政策研究・研修機構では、以上のような状況を踏まえ、①各種の資格・検定に対する企業のニーズや、企業内における資格・検定の扱い、②社会人の学び直しの際に活用されることが多い、大学院、大学、専修学校・各種学校等での従業員の受講をめぐる、企業側の取組みや評価について明らかにする目的で、アンケート調査を実施した。

【調査結果のポイント】

<採用において資格・検定が重視されるのは、正社員の中途採用の場面。医療・福祉や建設業ではその傾向がとりわけ強い>
1.採用にあたって資格・検定の所持を重視する企業の割合は、正社員の新卒採用で 20.0%、正社員の中途採用で 37.3%、非正社員の採用で 18.5%であり、正社員の中途採用において重視するという回答が最も多い。特に医療・福祉や建設業では、正社員の中途採用の際に資格・検定を重視するという回答が 70~80%台に達し、重視する傾向が強い(p.12 図表8)。資格・検定別にみても、「薬剤師」、「看護師」の医薬系の資格・検定や、「一級建築士」は、有資格者を採用することによって取得者を確保するという回答が最も多い(p.7 図表4)。

<約3分の2の企業が今後社外の資格・検定を重視している意向。従業員の専門性に対するモチベーションアップや、客観的な能力評価の実施がねらい>
2.社外の仕事に関する資格・検定を、今後より積極的に活用していきたいと考えている企業は回答企業の 65.3%。これらの企業にその理由をたずねたところ、約 7 割が「専門性に対する従業員の意欲を高めることができる」、約 6 割が「従業員の仕事上の能力を客観的に評価できる」といった理由を挙げている(p.5 図表2)。

<従業員の大学院、大学、専修学校・各種学校等の民間の教育機関での受講を業務命令で実施している企業は9.3%、受講に対し何らかの支援を行っている企業は13.4%>
3.従業員の大学院、大学、専修学校・各種学校等の民間の教育機関での受講に対し、支援等を行っているかについてたずねたところ、「業務命令で受講させている事例がある」という回答企業が 9.3%、「業務命令の受講はないが、会社として支援」という回答企業が 13.4%であった。医療・福祉で「業務命令の受講はないが、会社として支援」の回答率が 36.6%と、他業種より目立って高い(p.15 図表12)。

<従業員の大学院、大学、専修学校・各種学校等の民間の教育機関での受講は、「従業員が幅広い知識を習得することができる」「担当業務における専門性を高めることができる」と評価する企業がそれぞれ約3分の1。否定的な評価はごくわずか>
4.従業員が大学院、大学、専修学校・各種学校等で受講することの評価については、「従業員が幅広い知識を習得することができる」、「担当業務における専門性を高めることができる」と答える企業が、それぞれ回答企業の3分の1程度を占めている。「受講が、仕事上の成果につながっていない」、「受講した従業員は、離職しやすい」といった否定的な評価を挙げた企業はいずれも 5%未満であった(p.16 図表14)。


【調査概要】
・調査名:「企業における資格・検定等の活用、大学院・大学等の受講支援に関する調査」
・調査期間:平成 26 年 1~2 月。
・調査方法:郵送による調査票の配布・回収。
・調査対象・有効回収数:農林漁業・公務を除く常用雇用者 100 人以上の企業・9976 社を対象とし、1475 社から有効な回答を得た(有効回答率:14.8%)。

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[労働政策研究・研修機構]
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