高年齢求職者給付金に関するアンケート調査 

2016年02月15日
労働政策研究・研修機構は、高年齢求職者給付金に関するアンケート調査を実施。

急速な高齢化の中で、働く意欲と能力のある高年齢者が、その能力を発揮して、希望すればいくつになっても働くことができるような環境整備が課題となっている。特に、65 歳以上の高年齢者については、近年、65 歳以上が一概に引退過程と捉える状況にはなくなっており、65 歳以上の再就職についても増加している状況である。
このような中で、65 歳以上の高年齢者が働くことができる環境整備の在り方の検討が必要となっており、今般、高年齢求職者給付金の活用実態について調査し、今後の参考とすることを目的としている。

【調査結果のポイント】

< 給付金を知ったきっかけとしては前の勤め先の退職時の会社説明が 4 割 >
給付金制度を知ったきっかけを尋ねたところ、前の勤め先の退職時の会社説明が約 4 割を占め最も多かった。従業員数 100 人未満の事業所では 100 人以上の事業所と比較して、同選択肢の選択率が 8%ポイント程度低かった。

< 半数以上の受給者の就業意識は「急がないで」、もしくは「条件の良いところがあれば」 >給付金受給時の就業意識を尋ねたところ、「できるだけ早く」という切迫した就業意識を持っていた人は2 割弱と限定的であり、半数以上は「急がないで」、「条件の良いところがあれば」といった就業意識だった。

< 7 割超の受給者は非正規職・週 40 時間未満を希望 >
 求職活動の時に希望していた雇用形態を尋ねたところ、有効回答の 7 割超は「パート」「アルバイト」を初めとする非正規職を希望していた。

<再就職者の入職経路 1 位は縁故>
 求職活動内容を複数回答で尋ねたところ、26.2%が「ハローワーク」、21.6%が「親戚や知人」であった。
一方、再就職した人に入職経路を択一式で尋ねたところ、1 位の「親戚や知人」が 3 割を占めた。

<受給者の再就職率は 42.7%、再就職した人は非正規かつ短時間労働が多い>
 全体の再就職率は 42.7%だった。また、再就職した人で正社員・正職員になった人は 4.3%に留まり、75.1%が非正規職、週 40 時間未満の短時間労働という状況であった。

< 給付金は求職期間中の生活の助けに「おおいになった」「まあまあなった」が 6 割 >
 給付金が求職期間中の生活の助けになったかを尋ねたところ、「おおいになった」が 26.2%、「まあまあなった」が 34.2%で、計 6 割が生活の助けになったと回答した。

< 過半数の人は今後の就業希望を持っていた >
 今後の就業希望を尋ねたところ、過半数の人は就業の意思を持っていた。ただし現在の年齢が高いほど、また現在の健康状況が「よくない」人ほど「すでに仕事からは引退している」の比率が高かった。


【調査概要】
・調査の対象者:平成 25 年度に各ハローワークにおいて高年齢求職者給付金を受給した 65 歳以上の者(全国で約 6,000 人)。対象者はハローワークにおいて任意に抽出。
 なお、平成 25 年度の高年齢求職者給付金の受給者は 198,709 人であるので、そのうちの約3%が今回の調査の調査対象となっている。
・調査方法:郵送調査
・調査委託事業者:株式会社RJCリサーチ
・調査実施期間:2015 年6月 24 日から7月 17 日
・回収状況等
 発送数:発送数は約 6000 人
 有効回答数 2560 人(有効回答率:約 42.7%)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[労働政策研究・研修機構]
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