「読書」についての調査(20~60代女性対象) 

2016年12月02日
千趣会の「ベルメゾン生活スタイル研究所」は、ふだんの「読書」について調査を実施。

電子書籍の普及やインターネットの進展に伴って情報収集のスタイルが大きく変化している中、本を買うきっかけを聞いてみると全体の58.2%が「書店でなんとなく」と回答し1位となりました。また、4割以上が「本の帯や店頭のPOPのキャッチコピーや紹介文を見て購入した」と回答。今回の調査からは、まだまだ書店の存在価値は大きく、多くの人が足を運んでいる実態がみえてきました。

調査は2016年11月2日~11月16日にインターネットで実施。20~60代女性4068名の回答結果を集計しました。

【調査結果】

◆4人に3人は「本を読むことが好き」。

はじめに本を読むことが好きか、きらいかを聞いてみました。「好き」と答えた人は全体の46.4%、「わりと好き」と答えた人は28.2%で、合わせると74.6%の人が本を読むことが好き、ということがわかりました。年代別でみると20代は64.3%(「好き」33.0%、「わりと好き」31.3%の合計)と平均を10ポイント下回る結果に。30代以降では60代が平均を若干下回りました。。

◆ひと月当たりの読書量、約半数が「1~2冊」。

続いて「ひと月に何冊ぐらいの本(電子書籍も含む)を読んでいるかを訊ねました。最も多かったのは「1~2冊」で全体の48.5%、次いで「0冊」30.5%、「3~5冊」13.4%が続きました。年代別でみると20代では「0冊」と答えた人が48.9%と平均を約20ポイント上回る結果に。若い人の読書離れが進んでいることが明らかになりました。一方60代は「0冊」は21.2%で全年代中最も低く、「3~5冊」と回答した人が18.2%で全体を5ポイント弱上回るなど、読書を楽しんでいる人が多いことがわかりました。

◆1年前と比べた読書時間、半数以上が「減った」。

1年前と比べた読書時間の変化について聞きました。最も多かった回答は「以前より読書量は減った」で全体の52.5%、次に「以前と読書量は変わらない」が35.8%、「以前と比べて、読書量は増えている」はわずか11.8%という結果に。年代別でみると、30代と60代で「減った」と回答した人の割合が平均を上回りました。30代では働く女性が増えていることや育児で時間が取れないこと、60代では小さな文字が読みづらい人が増えていることなどが背景にありそうです。

◆今後の読書意欲、20代30代で高い結果に。

今後本を読む時間を「増やしたいと思う」と回答した人は全体の61.9%。年代別では、20代が76.4%、30代が70.9%と平均を上回り、読書への意欲が高いことがわかりました。一方60代は現時点でも読書を楽しんでいる人の割合が高いこともあり、「今と同じくらいでよいと思う」と回答した人が半数を超える結果になりました。

◆1ヶ月の本代、約半数が「1000円未満」、「今後増やしてもよい」と思う人は約3割。

1ヶ月の本代(電子書籍も含む)は、「500円未満」が28.8%で最も多く、次いで「500~1000円未満」が22.4%で続きました。合わせると51.2%の1ヶ月の本代が1000円未満であることがわかりました。年代別でみると60代では、「1000円~3000円未満」が27.7%で全体を10ポイント以上上回り、読書に熱心な人の割合が高いことを裏付ける結果になりました。今後について聞いてみると、「増やしてもよいと思う」人は全体の29.4%。年代別では20代が34.6%、30代が37.7%と平均を上回り、今後読書を増やしていきたいと考える人の割合が他の年代に比べて高いことがみえてきました。

◆本の購入場所、1位「書店」2位「インターネット」3位「古本屋」。

本の購入場所を訊ねると、最も多かったのが「書店」で72.6%、次いで「インターネット」の42.6%、古本屋(インターネット含む)の22.2%が続きました。インターネット通販が全盛の中、書店を利用している人はまだまだ多い結果になりました。また、本を買う買わないに関係なく書店に行くと答えた人は全体の84.0%(「よく行く」29.7%、「たまに行く」54.3%の合計)で、書店に足を運んでいる人が多いことも明らかになりました。

◆電子書籍の利用経験者は4人に1人。

最近1年間に電子書籍を利用した人は、「有料の電子書籍を利用した」6.5%、「無料の電子書籍を利用した」15.2%、「両方利用した」5.1%で、合わせると26.8%に留まりました。年代別でみると20代30代で平均を上回る利用率になりました。今後の利用意向を聞くと、「利用しようと思う」と答えた人は全体の19.4%であまり高くないことが明らかになりましたが、こちらも20代30代は平均を上回っています。

◆半数弱がこの1年間に「図書館を利用」。

この1年間に図書館を「よく利用した」人は全体の25.7%、「ときどき利用した」人19.9%を合わせると45.6%が図書館を利用していることがわかりました。年代別でみると30代が平均を6ポイント以上上回っており、子どもの絵本や児童書を利用している人が多いことが推測されます。同時に今後の図書館の利用意向を聞いてみると、64.2%が「利用しようと思う」と回答。利用意向でも30代は74.4%と平均を10ポイント上回る結果になりました。

◆本を買うきっかけ1位は「書店でなんとなく」。

本を買うきっかけを聞いてみると、最も多かった回答が「書店でなんとなく」で全体の58.2%、次いで「好きな作家やシリーズの新刊が出た時」の38.8%、「新聞の書評を見て」30.6%が続きました。「新聞の書評を見て」購入する人は20代ではわずか7.7%、一方60代では43.1%と年代により大きな開きがあり、若い人の新聞離れが進んでいることも明らかになりました。一方、「インターネットのクチコミを見て」と回答した人は全体では14.6%ですが、20代に限ってみると平均を10ポイント以上上回る25.8%。若い世代ほど情報収集にネットを活用していることが浮き彫りになりました。

◆購読ジャンルの上位は「文学・小説」と「暮らし・健康・子育て」。

購読している本のジャンルを訊ねると、1位は「文学・小説(小説・文芸・SF・エッセー・随筆など)で全体の78.5%、次いで「暮らし・健康・子育て(料理・育児・美容・健康・住まい・家庭医学・ファッションなど)が56.7%で続きました。50代60代では文学・小説や趣味・実用を好む傾向が強く、20代30代では暮らし・健康・子育てといった生活に役立つ書籍を好む傾向が強いことがみえてきました。

◆本を読む理由、「知識・技術の修得」「楽しい娯楽」「自分とは違う世界や考え方に出会える」。

本を読む理由として最も多かったのは「知識や技術を得たいから」で全体の60.4%、次いで「何となく楽しい娯楽となっているから」54.8%、「自分の違った世界や考え方に出会えるので」51.8%が続きました。20代30代では「知識や技術を得たいから」「何となく楽しい娯楽となっているから」「表現力や想像力が豊かになるので」「勉強として」と答えた人が全体平均を上回ったのに対して、50代60代では「自分の違った世界や考え方に出会えるので」「感動や癒しを得たいので」「1人で楽しめる娯楽だから」が平均を上回りました。40代に関しては際立った特徴はなくほぼ平均に近い結果となり、年代によって本を読む理由に違いがあることがわかります。

◆43.5%が「本の帯や店頭POPを見て購入」、31.9%が「ネット書店のレビューを見て」購入。

「本の帯や店頭のPOPのキャッチコピーや紹介文を見て購入した」人は全体の43.5%(「あてはまる」9.2%、「わりとあてはまる」34.3%の合計)という結果に。年代別でみると60代は平均を7.7ポイント下回っており、他の年代に比べ本を衝動買いする人が少ないと言えそうです。一方、「インターネット書店のレビューを見て購入した」人は全体の31.9%(「あてはまる」6.6%、「わりとあてはまる」25.3%の合計)で、こちらは20代30代が平均を上回り、60代では平均を11.5ポイント下回る結果になりました。

◆「映画やドラマ化前に原作を読んだ」39.0%、「映画やドラマを見て原作を読んだ」34.4%。

「映画やドラマ化される前に原作を読んだ」人は全体の39.0%(「あてはまる」13.1%、「わりとあてはまる」25.9%の合計)でした。年代別でみると20代が最も低く34.0%、その後年代が上がるにつれ高くなっていき50代60代では平均を上回っています。一方「映画やドラマを見て原作を読んだ」人は全体の34.4%(「あてはまる」9.0%、「わりとあてはまる」25.4%の合計)。こちらも20代は最も低く、50代60代で平均を3ポイントほど上回る結果になっています。

◆4人に1人が「直木賞、本屋大賞、ベストセラーなど話題になった本を読んだ」。

「直木賞、本屋大賞、ベストセラーなど話題になった本を読んだ」と答えた人は全体の24.6%(「あてはまる」5.1%、「わりとあてはまる」19.5%の合計)。年代別でみると、20代は最も少なく19.7%(「あてはまる」4.9%、「わりとあてはまる」14.8%の合計)、その後年代が上がるにつれて増えていき、60代では31.4%(「あてはまる」4.4%、「わりとあてはまる」27.0%の合計)と平均を7ポイント弱上回る結果になりました。50代60代はドラマや映画の原作本や話題になった本を読む人の割合が高く、本への好奇心が強いと言えるのではないでしょうか。

◆「本を処分するために古本屋などに売却した」人は、3人に1人。

本を処分するために古本屋などに売却したと答えた人は全体の36.2%(「あてはまる」15.8%、「わりとあてはまる」20.4%の合計)という結果に。年代別にみると20代が最も高く42.3%(「あてはまる」22.5%、「わりとあてはまる」19.8%の合計)。他の年代に比べてリサイクルを積極的に活用している年代といえます。

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[ベルメゾン生活スタイル研究所]
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