2016年 技術革新リポート 

2016年09月29日
トムソン・ロイターは、『2016年 技術革新リポート~主要12技術分野における技術革新の動向』を発表しました。本リポートは、トムソン・ロイターの分類による12の主要な技術分野において、企業の特許活動から世界の技術革新の動向を調査・分析し、技術分野ごとにアジア、欧州、北米の各地域の特許出願人上位10社のランキングを示したものです。更に、学術論文、引用数を分析し、最も活動的及び影響力のある科学研究機関を示しています。

本リポートの分析では、2015年における世界の国際企業、教育機関、政府および研究機関における技術革新は、記録的な飛躍を遂げていることが明らかとなりました。今年で7年目となる本分析では、特許出願、学術論文を含む世界の知的財産データを、主要12分野におけるイノベーション活動の指標として捉えています。今年の分析では、世界のイノベーション活動が対前年比で2桁成長を遂げていることが明らかとなりました。特に、医療機器、家電、航空宇宙・防衛、情報技術および石油・ガス分野における成長が顕著でした。また、自動車関連分野における代替電力自動車技術では、首位のトヨタを始めとした日本企業が大半を占め、同分野を日本がリードしています。

【2016年 技術革新リポートの調査方法】
使用データベース:
トムソン・ロイター独自の手法で編集・強化された特許情報であり、50年以上に渡り、世界で最も信頼されている特許情報のDerwent World Patents Index ®(DWPISM) 、アート、人文、科学、社会科学などの分野を網羅した世界最大の科学引用データベースであり、研究発見や分の究極の判断基準の Web of Scienceを使用しています。

調査期間と調査対象:
2015年の1年間、またはリポートに示された該当期間に取得された登録特許および公開特許データ(審査済み、未審査の両方を含む)を集計し、技術革新の動向を分析しています。 本リポートは、Derwent World Patents Index®(DWPISM) におけるファミリー(発明)を単位として分析を行っています。

分析分野:
トムソン・ロイターの分類による主要な12の技術分野: 航空宇宙・防衛、自動車、バイオテクノロジー、化粧品・健康用品、食品・タバコ・発酵飲料、家電、情報技術、医療機器、石油・ガス、製薬、半導体、電気通信。

本リポートによる主な所見は以下の通りです:

・2桁成長を遂げたイノベーション活動:
2015年の世界の総特許数は13.7%の成長を遂げました。これは本分析を開始した2009年に比べると、100%以上の成長率となります。一方、新たな学術論文の総数は、対前年比で19%の減少を見せています。これは2009年に比べると、27%の減少となります。

・医療機器、家電、航空宇宙・防衛分野が成長をけん引:
前年度比において減少を見せた唯一の分野はバイオテクノロジー分野でした。本分野は前年度比で2%の減少を見せました。

・バイオテクノロジー分野の減少:
対前年比で最も大きな成長が見られたのは、医療機器(27%)、家電(21%)、航空宇宙・防衛(15%)、石油・ガス(14%)および情報技術(13%)でした。

・オープンイノベーション・モデルの発展:
企業、大学、政府、研究機関がパートナーシップを組んで新たな技術を市場に投入するオープンイノベーションが増加しています。これらのオープンイノベーションが発展している事実は、多くの多国籍企業や影響力のある科学研究機関が参入してきたことにより証明されました。化粧品分野におけるオープンイノベーションが活発な組織として名を連ねるのは、サンパウロ大学(ブラジル)、米国食品医薬品局に続き、プロクター&ギャンブル(米国)が上位3位にランクインしています。また、自動車関連分野では、ミシガン大学(米国)、トリノ・ポリテクニック大学(イタリア)に加えて、フォード・モーター(米国)がランクインしています。

2015年は様々な分野で大きな飛躍のあった年でした。長年期待されてきた自動運転者が初めて公道で試運転されました。国際宇宙ステーションの滞在最長記録が更新されました。初めてバイオシミラー(バイオ医薬の後発品)の認可が下りました。これらの技術革新は、従来あった境界線を越え、人間の想像力の限界に挑戦してこそ実現したイノベーションです。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[トムソン・ロイター]
 マイページ TOP