20代の金銭感覚についての意識調査2016 

2016年12月01日
SMBCコンシューマーファイナンスは、2016年10月5日~11日の7日間、20歳~29歳の男女を対象に「20代の金銭感覚についての意識調査2016」をインターネットリサーチで実施し、1,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。

<調査結果TOPICS>

【20代の財力 リアルと理想】
》 20代が毎月自由に使えるお金は平均3万円、未婚者は3.3万円、既婚者は1.9万円
》 毎月自由に使えるお金 理想は平均7.3万円、20代未婚男性の理想は高く平均9.8万円
》 20代の3割は、「現状のお小遣い額で満足している」
》 20代の貯蓄平均額は、86万円、20代後半では、120万円
》 将来の不安を反映? 「リタイアまでに貯蓄2千万円あれば安心」20代の6割に留まる

【20代の財力の中身】
》 20代の財布の中には1万円札はなし?所持金は平均9,634円、不安になってお金をおろすのは平均2,473円
》 初デートでの財布の中身は平均2.3万円、20代男性は平均2.8万円を準備して初デートに臨む
》 20代で進むキャッシュレス化 「電子マネーを普段使いしている」73.9%、昨年比で4ポイント増加
》 電子マネーは現金感覚で利用 1,000円以下は「現金」か「電子マネー」払い、3万円以上は「クレジットカード」払い

【“おごり”と“プレゼント”の水準】
》 上司からの4,000円のおごりに20代の半数以上が「抵抗を感じる」と恐縮
》 “重い”と思われない義理チョコ予算は2,000円以内
》 恋人へのクリスマスプレゼントは年々豪華に!平均予算は2.1万円、2年で1.4千円の上昇

【消費先と消費意識】
》 来年はもっと「家族交流」「スキルアップ」「ダイエット」に積極消費、今年お金を費やしたのは「友人との交流」「趣味」
》 20代男性は「副業」や「新たな趣味」に来年は挑戦、20代女性は「家族交流」や「ダイエット」
》 欲しいものの“イメージ固め”はインスタ検索で?20代の半数は「欲しいもの探しで画像検索を活用」
》 欲しいものが決まったら「最安値は必ずチェック」9割、「背伸びしてリッチなものを買うのも喜び」6割半

【結婚、出産・子育てと収入の事情】
》  「金銭感覚が合うことは結婚相手に求める条件の一つ」9割半
》  20代は早婚志向?「本音では、20代のうちに出産・子育てしたい」6割半、20代女性では7割強
》  「20代のうちは子育て可能な収入に届かない」7割半
    30歳時点の世帯年収総定額は平均408万円、年収400万円で結婚に前向きになれる男性は4割に留まる
》   子育ての障害は収入だけじゃない! 厳しい現実「仕事をしながら育児参加は難しい環境」8割強、7割半が「結婚したら共働き希望」も、共働き実践率4割半に留まる
》   30歳時点の収入で「自家用車の購入」に前向きになるのは2人に1人、「自宅」の購入は5人に1人

<調査結果>

【20代の財力 リアルと理想】
≫20代が毎月自由に使えるお金は平均3万円、未婚者は3.3万円、既婚者は1.9万円
≫毎月自由に使えるお金 理想は平均7.3万円、20代未婚男性の理想は高く平均9.8万円
≫20代の3割は「現状のお小遣い額で満足している」
≫20代の貯蓄平均額は86万円、20代後半では120万円
≫将来の不安を反映?「リタイアまでに貯蓄2千万円あれば安心」20代の6割に留まる

20代の金銭感覚についての意識を探る前段として、20代の財力を把握するための質問を行いました。
まず、20歳~29歳の男女1,000名(全回答者)に対し、毎月自由に使えるお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は30,422円、未婚者は32,997円、既婚者は19,376円となりました。20代の未婚者は3万円強、既婚者は2万円弱が毎月自由に使えるお小遣いのようです。
また、毎月自由に使えるお金がどのくらいあれば満足できるか聞いたところ、満足できる金額の平均額は全体で72,651円、未婚者では79,758円、既婚者では42,153円となりました。買いたいものややりたいことが多いのか、未婚者のほうが満足できる金額が高く、実態と理想とのギャップが大きくなりました。特に、未婚男性は、満足できる金額が97,784円とその他の層よりも高く、ギャップも大きなものとなりました。
さらに、毎月自由に使える金額と使えたら満足できる金額の多寡に注目すると、毎月自由に使える金額に「満足している」割合(実態≧理想となった割合)は29.5%となりました。現在のお小遣い額で満足している方も少なくないようです。

次に、現在貯蓄できているお金はいくらあるか聞いたところ、全体の平均額は86万円、20代前半では52万円、20代後半では120万円となりました。職業別にみると、会社員は143万円、パート・アルバイトは63万円、学生は33万円となっています。

また、仕事をリタイアする年齢までに貯蓄がいくらあれば安心できるか聞いたところ、「500万円超~1千万円以下で安心」が30.6%と多く、1千万円あれば安心する方(『1千万円以下』の累計)が47.6%、2千万円あれば安心する方(『2千万円以下』の累計)が60.6%となっています。見方を変えると、2千万円あっても安心出来ない方が20代の4割を占めているようで、「5千万円超~1億円以下で安心」12.8%や「1億円超で安心」4.6%といった回答も一定数みられ、全体の平均額は4,380万円となりました。将来の不安が先立ち、仕事をリタイアする年齢までにできるだけ多く貯蓄をしなければ、と考えている20代も少なくないようです。


【20代の財布の中身】
≫20代の財布の中には1万円札はなし?所持金は平均9,634円、不安になってお金をおろすのは平均2,473円
≫初デートでの財布の中身は平均2.3万円、20代男性は平均2.8万円を準備して初デートに臨む
≫20代で進むキャッシュレス化 「電子マネーを普段使いしている」73.9%、昨年比で4ポイント増加
≫電子マネーは現金感覚で利用 1,000円以下は「現金」か「電子マネー」払い、3万円以上は「クレジットカード」払い

次に、20代の財布の中身について質問を行いました。
全回答者(1,000名)に対し、普段(平日)、財布にいれている金額を聞いたところ、「3,000円超~5,000円以下」(23.8%)や「5,000円超~1万円以下」(26.5%)に回答が集中し、所持金が『5,000円以下』の方が累計で51.8%、『1万円以下』の方が累計で78.3%となりました。財布の中身に1万円札が入っていない20代が多数のようで、平均額は9,634円となりました。これは、毎月自由に使えるお金のおよそ3分の1に相当する金額となっています。

次に、どこまで所持金が減ったら、手持ちが少なくて不安になるかを聞いたところ、3,000円で不安になる方(『3,000円以上』の累計)が32.4%、2,000円で不安になる方(『2,000円以上』の累計)が45.1%、1,000円で不安になる方(『1,000円以上』の累計)が75.3%となりました。所持金が3,000円を下回り、千円札1、2枚になると不安を感じる方が多いようで、平均額は2,473円となっています。このぐらいの所持金になるとお金をおろす方が多いのではないでしょうか。

次に、“よそいきの財布の中身”として、気になる異性と初デートするとき、安心できる所持金を聞いたところ、「1万円超~2万円以下で安心」(33.5%)前後に回答が集まり、平均額は22,764円となりました。初デートなどの機会には、1万円札1、2枚は財布の中にいれておきたいと考えている方が多いようです。

財布の中身を男女別、年齢区分別に比較すると、“よそいきの財布の中身”では傾向の違いがみられ、男性では27,736円で女性の17,792円より1万円近く高くなりました。毎月自由に使える金額が3万円程度であったことを鑑みると、気になる異性と初デートするときのような“よそいき”の場面では、自由に使えるお金ひと月分に匹敵する金額を財布にいれておく男性が多いことがわかります。
また、同様の質問を行った過去2回の調査結果と比較すると、ゆるやかな増加傾向がみられ、よそいきの財布の中身は2年前(2014年)よりおよそ3.5千円高く(19,227円→22,764円)、普段の財布の中身は昨年よりおよそ1.2千円高く(8,386円→9,634円)なりました。

続いて、全回答者(1,000名)に、現金以外の支払い方法として、普段使いしている電子マネーは何種類あるか聞いたところ、「1種類」が35.5%、「2種類」が24.1%、「3種類以上」が14.3%となり、それらを合計した『電子マネーを普段使いしている』割合は、7割半(73.9%)となりました。同様の質問を行った昨年の調査では、『電子マネーを普段使いしている』割合が7割(69.9%)だったため、電子マネーを普段使いする方がやや増えている(+4.0pt)ことがうかがえます。
また、居住地別に『電子マネーを普段使いしている』割合を比較すると、関東は86.3%で、その他の地域よりも高くなりました。関東に住む20代では、普段使いの支払い手段として、電子マネーの利用が進んでいるようです。

では、現金とそれ以外の支払い手段はどのように使い分けされているのでしょうか。金額毎に、どの支払い手段を選ぶか聞いたところ、小さな金額の買い物では「現金」、大きな買い物の金額では「クレジットカード」が多くなり、100円~1,000円の買い物では「現金」が7割台(100円78.8%、500円73.2%、1,000円71.4%)、3万円以上は「現金」よりも「クレジットカード」が多くなり、3万円では「現金」45.2%に対して「クレジットカード」49.6%、5万円では「現金」36.9%、「クレジットカード」57.5%、10万円では「現金」32.1%、「クレジットカード」62.7%となりました。また、「電子マネー」を選ぶ割合に注目すると、1,000円以下では現金に次いで選ぶ割合が高く、100円では18.2%、500円では21.6%、1,000円では18.3%となりました。電子マネーは現金払いに近い感覚で利用されているのではないでしょうか。


【“おごり”と“プレゼント”の水準】
≫上司からの4,000円のおごりに20代の半数以上が「抵抗を感じる」と恐縮
≫“重い”と思われない義理チョコ予算は2,000円以内
≫恋人へのクリスマスプレゼントは年々豪華に!平均予算は2.1万円、2年で1.4千円の上昇

次に、“おごり”や“プレゼント”の金額について質問を行いました。全回答者(1,000名)に対し、<友達や同僚から>おごってもらうときに抵抗を感じない金額を聞いたところ、1,000円のおごりでは「抵抗を感じない」方が81.5%ですが、2,000円のおごりでは「抵抗を感じる」方が53.4%で、「抵抗を感じない」方(46.6%)よりも多くなりました。また、<職場の上司から>おごってもらうときに抵抗を感じない金額を聞いたところ、3,000円のおごりでは「抵抗を感じない」方が60.7%ですが、4,000円のおごりでは「抵抗を感じる」方が58.9%で、「抵抗を感じない」方(41.1%)よりも多くなりました。友人同士や同僚からのおごりでは2,000円のおごり、目上の人からのおごりでも4,000円のおごりに対しては、抵抗を感じる方が多数派となるようです。20代の部下におごってあげたい方は、奮発しておごってあげるよりも、3,000円以下に抑えておごってあげるほうが、余計な気を遣せることなく、20代から喜ばれるかもしれません。

さらに、バレンタインデーやホワイトデーなどの機会に、恋人でない異性からプレゼントを受け取る場合、抵抗を感じないのはいくら相当のプレゼントか聞いたところ、2,000円のプレゼントでは「抵抗を感じない」方が59.5%ですが、3,000円のプレゼントでは「抵抗を感じる」方が55.9%で、「抵抗を感じない」方(44.1%)より多くなりました。バレンタインデーやホワイトデーなどの機会に恋人でない異性にプレゼントを贈るとき、相手に“重い”と思われない金額は2,000円以内のようです。

反対に、自身がプレゼントを贈る側で、特別な相手に奮発してプレゼントをするときには、どのくらいの予算を用意するのでしょうか。恋人へ特別な日にプレゼント(例:クリスマスプレゼント)を贈るときに、奮発して贈ることができるのはいくら相当のプレゼントかを聞いたところ、「2万円未満~1万円以上」に3割弱(28.2%)の回答が集中し、平均額は全体で20,768円、男性では23,823円、女性では17,713円となりました。
同様の質問を行った過去2回の調査結果と比較すると、予算は年々増加の傾向がみられ、2年前(2014年)よりおよそ1.4千円高く(19,410円→20,768円)なりました。特別な日に特別な相手に贈るプレゼントの予算は増加傾向にあるようです。


【消費先と消費意識】
≫来年はもっと「家族交流」「スキルアップ」「ダイエット」に積極消費、今年お金を費やしたのは「友人との交流」「趣味」
≫20代男性は「副業」や「新たな趣味」に来年は挑戦、20代女性は「家族交流」や「ダイエット」
≫欲しいものの“イメージ固め”はインスタ検索で?20代の半数は「欲しいもの探しで画像検索を活用」
≫欲しいものが決まったら「最安値は必ずチェック」9割、「背伸びしてリッチなものを買うのも喜び」6割半

それでは、20代の消費の矛先はどこに向かっているのでしょうか。全回答者(1,000名)に対し、今年(2016年)、積極的にお金を費やしたことについて聞いたところ、「友人との交流」が45.7%で最も高く、「趣味を追求する(良い道具を揃えるなど)」が45.0%と僅差で続きました。以下、「暮らしの質の向上(食費や家具や家電など)」(28.3%)や「思い出に残る体験(ライブイベントや旅行など)」(27.4%)、「身だしなみ・美容」(26.4%)が2割台後半で続きました。
また、来年(2017年)、積極的にお金を費やしたいことについても聞いたところ「家族との交流」(32.0%)、「スキルアップ(勉強や習い事など)」(29.8%)、「ダイエット・健康管理」(17.4%)などは、今年お金を費やしたことよりも高い割合となりました。来年は今年以上に、家族との交流や、自己投資、自分磨きに積極的になりたいと考えている方が多いようです。
男女別に、来年、積極的にお金を費やしたいことをみると、男性は「スキルアップ」(32.6%)や「副業・副収入への挑戦」(23.4%)、「新たな趣味を探す」(23.4%)が今年、積極的にお金を費やしたことより10ポイント前後高くなり、女性は「家族との交流」(40.4%)や「ダイエット・健康管理」(26.0%)、「スキルアップ」(27.0%)が今年、積極的にお金を費やしたことより10ポイント前後高くなりました。来年は、スキルアップは男女ともに、男性はそのほかに副業や新たな趣味、女性は家族との交流やダイエットに積極的に消費しようと考えていることがわかりました。

全回答者(1,000名)に対し、お金の使い方に関する意識について、どの程度同意するか聞いたところ、<行きたい場所や欲しいものを探すときに画像検索(インスタグラムなど)をよく利用する>では、『そう思う』(「非常に」+「やや」)が50.1%となりました。20代の半数は欲しいもののイメージを固めるために、画像検索を用いることが頻繁にあるようで、特に女性では『そう思う』が53.6%と高くなっています。
また、<購入検討する際、同じ商品群・サービスの中で“最安値”のものは必ずチェックする>では、『そう思う』が90.8%となりました。欲しいものが実際に決まったら、ほとんどの方はその商品群で最安値の商品を調べ、把握しているようです。
さらには、<広告や口コミ、営業トークなど、情報が多すぎて判断に迷うと、購入意欲が冷める>では、『そう思う』が72.4%となっています。多くの情報に触れると判断に迷ってしまい、購入意欲が冷めてしまうことも度々起こるようです。欲しいもののイメージを画像検索して固め、最安値をチェックし、判断に迷ったら購入を諦めてしまう姿から、“買い物で出来るだけ失敗したくない”との意識がうかがえます。
一方で、<“少し背伸びして、良いもの(好きなもの・欲しいもの)にお金をかけること”に喜びを感じる>では、『そう思う』が65.7%、<多少高くても、社会のためになる活動をしている企業の商品・サービスを購入したい>では、『そう思う』が47.2%となっています。最安値を把握していても、自分が気に入ったものや気に入った企業の商品に対しては、出費をいとわない姿勢も見受けられました。
また、<ブランドや人気に関わらず、安くても良いものを選べる人はカッコいい>では、『そう思う』が89.4%となりました。周りに流されずに、自分なりに安くても良いものを判断できることをかっこいいと思う感覚を持っているようです。

お金の使い方に関する意識について、同様の質問を行った過去2回の調査結果と比較すると、「最安値チェック意識」は常に9割以上で推移していることがわかります。購入検討する際に最安値を把握することは、20代にとって、当たり前の消費行動になっているのではないでしょうか。
一方で、「背伸び消費意識」は2年前よりも2.9ポイント低く(68.6%→65.7%)、「エシカル消費意識」は2年前よりも1.1ポイント高く(46.1%→47.2%)なりました。誤差の範囲の変化ではありますが、商品の品質やブランドなどに対してお金を使うよりも、社会貢献に繋がるお金の使い方を優先したいと考える、エシカル(倫理的)な消費スタイルを志向する方が増え始めた兆候かもしれません。


【結婚、出産・子育てと収入の事情】
≫「金銭感覚が合うことは結婚相手に求める条件の一つ」9割半
≫20代は早婚志向?「本音では、20代のうちに出産・子育てしたい」6割半、20代女性では7割強
≫「20代のうちは子育て可能な収入に届かない」7割半、
30歳時点の世帯年収想定額は平均408万円、年収400万円で結婚に前向きになれる男性は4割に留まる
≫子育ての障害は収入だけじゃない!厳しい現実「仕事をしながら育児参加は難しい環境」8割強、7割半が「結婚したら共働き希望」も、共働き実践率4割半に留まる
≫30歳時点の収入で「自家用車の購入」に前向きになるのは2人に1人、「自宅」の購入は5人に1人

続いて、結婚や出産・子育てと収入についての意識を探る質問を行いました。
全回答者(1,000名)に対し、結婚や出産・子育てに関する意識について、どの程度同意するか聞いたところ、<“金銭感覚が合うこと”は結婚相手に求める条件の一つだ>では、『そう思う』が95.2%となりました。結婚相手を探すとき、“金銭感覚の一致”は外せない条件だと考えているようです。結婚後の生活における金銭事情について、結婚前から真剣に考えている証ではないでしょうか。
また、<“本音では、20代のうちに出産・子育てをしたい”と感じる>では、『そう思う』が64.6%となりました。特に女性では『そう思う』が73.4%と高くなっています。20代で結婚相手をみつけて出産をし、子育てを始めたいと考えている方が多数派のようで、昨今の20代の早婚志向がうかがえる結果となりました。
一方で、<“20代のうちに、出産・子育てに困らない世帯年収に到達できる”と感じる>では、『そう思わない』(「全く」+「あまり」)が74.4%となり、<“仕事をしながら育児参加するのは難しい環境だ”と感じる>では、『そう思う』が81.9%となりました。収入の面でも、仕事と育児の両立の面でも、“20代で結婚・子育て”が難しい環境だと感じている方が多数となっています。

それでは、具体的には近い将来どのくらいの収入が得られると想定しているのでしょうか。全回答者(1,000名)に対し、30歳になったとき、年収(世帯年収)はどのくらいになると想定しているか聞いたところ、「300万円台」(21.0%)や「400万円台」との回答が多く、平均額は408万円となりました。

また、未婚者(811名)に対し、結婚後は夫婦共働きを希望するか、どちらか一方の片働きを希望するか聞いたところ、「夫婦共働き」が76.0%で多数派となりました。
さらに、既婚者(189名)に対し、現在は夫婦共働きか、どちらか一方の片働きか聞いたところ、「夫婦共働き」が55.1%、「どちらか一方の片働き」が43.9%となりました。
同様の質問を行った昨年の調査結果と比較すると、既婚者が「夫婦共働き」している割合はおよそ10ポイント上昇(44.7%→55.1%)していることがわかりました。20代では夫婦共働きの世帯が増えているようですが、それでも未婚者の共働き希望(76.0%)を下回っていることがわかります。共働きの割合は増加傾向にあるものの、依然家庭と仕事の両立が難しい環境が多いためか、希望に反して片働きとなっている方が多く存在するようです。共働きを望んでも実現が難しい環境が、将来の世帯年収についての展望を暗くし、“20代のうちは結婚や出産・子育てするほどのお金の余裕がない”と思わせる一因となっているのではないでしょうか。

では、どのくらいの世帯年収があれば、車や住宅の購入などの高額消費や、結婚や出産・子育てをしたいと思えるようになるのでしょうか。
まずは高額消費に関して、<自家用車>を所有しよう(購入しよう)と思える世帯年収額を聞いたところ、年収400万円で所有しようと思える方(『年収400万円』までの累計)は50.7%、年収500万円で所有しようと思える方(『年収500万円』までの累計)は65.3%となりました。
また、<自宅>を所有しよう(購入しよう)と思える世帯年収額についても同様に聞いたところ、年収400万円で所有しようと思える方は20.4%、年収500万円で所有しようと思える方は34.5%となりました。
先の質問で、30歳になったときの想定世帯年収は平均408万円となりましたが、想定通りの世帯年収に到達したと仮定して、『年収400万円』を目安に結果を読み解くと、現在の20代が30歳になったとき、2人に1人が自家用車の購入を、5人に1人が自宅の購入を前向きに検討するようになるようです。
居住地域別に年収400万円で自家用車を購入しようと思う方の割合をみると、関東(37.8%)や近畿(48.2%)では、その他の地域に比べて低くなりました。都市圏に居住している場合、駐車場代などの兼ね合いから、年収400万円では自家用車の購入に前向きになれないのではないでしょうか。

続いて、結婚や出産・子育てなどをしたいと思える世帯年収額を聞いたところ、<結婚>は年収400万円で48.8%、年収500万円で66.0%となり、<出産・子育て(1人)>は年収400万円では37.8%、年収500万円では54.4%、<出産・子育て(2人)>は年収400万円では23.4%、年収500万円では37.4%となりました。
こちらも、『年収400万円』を目安に結果を読み解くと、現在の20代が30歳になったとき、結婚を前向きに検討するのは2人に1人、1人目の出産を前向きに検討するのは3人に1人、2人目の出産を前向きに検討するのは4人に1人の割合に留まりました。
男女別に年収400万円でしようと思う割合をみると、男性は女性よりも低くなり、結婚は40.0%、1人目の出産は32.8%、2人目の出産は19.6%となりました。望んでも夫婦共働きの実現が難しい状況下で、男性は自身の収入で家族を支える責任を感じるためか、世帯年収が400万円の場合、結婚や出産・子育てに前向きになれない傾向が強いことが明らかになりました。少子化に歯止めがかからない背景として、20代が将来の昇給に期待が持てない状況や、家庭と仕事の両立が難しく、希望しても共働きが叶わない環境が影響を及ぼしていることが推し量れる結果となりました。


《調査概要》
調査タイトル:20代の金銭感覚についての意識調査2016
調査対象:ネットエイジアリサーチのインターネットモニター会員を母集団とする20歳~29歳の男女
調査期間:2016年10月5日~11日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(有効回答から男女×20代前半・後半が均等になるように抽出)
調査協力会社:ネットエイジア株式会社

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