老後とお金に関する調査(20歳以上の男女対象) 

2016年11月28日
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(日本FP協会)は、誰もが訪れる「老後」にフォーカスし、「老後とお金に関する調査」を実施いたしました。この中から、老後の不安は、世代間によってどのような違いがあるかなどに注目した調査結果をまとめました。

【TOPICS】

■老後の生活資金の不安計は81.3%。900万円以上貯蓄があるという方でも不安計は71.3%と高い結果になった。不安な理由は、年金がいくらもらえるか不安だ、病気になった場合不安だなどの声が多い。一方、不安に思わない理由は、若年層はまだ先のことでわからない。高年層は貯蓄があるからという回答が多く集まった。

■老後の夫婦暮らしに必要だと思う金額について、20代は「¥226,200」に対し、70代以上は「¥267,050」と、その差は¥40,850となった。

■老後の生活資金準備「預貯金(定期預金を含む)で準備する」が40.9%で最多。男性は「老後も働く」。女性は「預貯金(定期預金を含む)で準備する」が第1位。しかし30代女性は「老後も働く」が第1位に。

■年金受給者のうち、実際に働いている方は24.5%。

■老後の資金の情報源は「テレビ」が第1位。70代以上は「新聞・雑誌」が第1位。

■20代から50代までのお金にまつわる悩みは「年金がもらえるのか心配」、60代、70代以上は「老後の医療費や介護費がいくらかかるかわからない」が第1位となった。


【調査結果】

■老後の不安
Q1. あなたは、ご自身の老後の生活資金についてどのように思いますか。(単数回答)

【年代別】
老後の生活資金については「不安に思う」と回答した方が最も多く43.0%となりました。「どちらかと言えば不安に思う」38.3%を合わせた不安計は81.3%と、多くの方が老後の生活資金について不安を抱えていることがわかります。年代で比較をすると、最も「不安に思う」と回答した方が多い年代は40代(54.5%)、最も低い年代は70代以上(23.0%)となりました。

【貯蓄額別】
貯蓄額別に見てみると、900万円以上貯蓄があるという方でも不安計が71.3%と高い結果になりました。総務省の平成26年全国消費実態調査では、単身世帯の貯蓄額の中央値は577万円となっています。貯蓄があっても老後の生活資金が不安であるということは変わらないようです。

■老後の不安~その理由~

【不安な理由】
・年金が将来破綻する恐れが非常に大きいから。また年金がいくら貰えるのかも不透明なのでとても不安に感じる。(29歳男性)
・貯金もないし、この先貯金できるかもわからないから。(23歳女性)
・今現在充分な収入もあるわけでなく、年金では暮らしていけそうにないから。(33歳女性)
・年金だけで生活できない。要介護者になったら今の家に住み続けられない。(44歳女性)
・フリーランスなのでいつまで続けられるかわからない。(40歳男性)
・自分や家族の介護が必要になった場合に今の生活が維持できるか心配。(62歳男性)
・健康な時はよいが、病気になった場合に年金だけで生活できるかどうか不安。(69歳男性)

【不安に思わない理由】
・自分で資金は貯めるので。(24歳女性)
・まだ先のことだから考えていない。(29歳女性)
・年金を全額納めているし、貯金も充分しているから。また持ち家で、ローンは支払い済みだから。(34歳女性)
・この後の経済なんて考えてもわかるわけがないので考えても無駄。(37歳男性)
・具体的な資金計画を立てているから。(66歳男性)
・老後資金は蓄えてある。(78歳女性)

前問の回答理由をお聞きしたところ、不安な理由は、年金がいくらもらえるか不安だ、病気になった場合不安だなどの声が多く集まりました。一方、不安に思わない理由は、若年層にはまだ先のことでわからない。高年層は貯蓄があるからという回答が多く集まりました。

■老後に必要な資金
Q2. あなたは老後の暮らしにかかるお金は、夫婦で過ごす際に月額どれくらい必要だと考えていますか。(数値回答)

老後の暮らしにかかるお金は、夫婦で過ごす際、月額どれくらい必要だと考えているかをお聞きしたところ、平均金額は「¥242,370」となりました。年代別で見ると、20代は「¥226,200」に対し、70代以上は「¥267,050」と、その差は¥40,850となりました。

■老後資金の準備
Q3. あなたは、年金以外に老後資金をどのように準備していますか。(複数回答)

老後資金をどのように準備しているかをお聞きしたところ、全体では「預貯金(定期預金を含む)で準備する」が40.9%で第1位となりました。性年代別で見ると、男性は「老後も働く」が20代から60代まで第1位となっています。特に40代男性は62.0%と多くの方が回答しています。女性は「預貯金(定期預金を含む)で準備する」が30代以外で第1位となりました。30代は「老後も働く」が第1位となっています。老後資金の準備で、働き盛りであり、結婚適齢期でもある30代女性の第1位が「老後も働く」という回答となったのは時代の表れではないでしょうか。

■年金受給者と仕事
Q4. あなたの職業をお答えください。(単数回答)

老後資金の準備では「老後も働く」と回答した方が35.7%となりましたが、実際に年金を受給する年齢になっても働き続けている方はどれくらいいるのでしょうか。そこで、年金受給者351名に対し、職業をお聞きしたところ、合計24.5%の方が現在も仕事をしていることがわかりました。社会貢献のため、生きがいのためなどの目的だけではなく、収入のため、今も働いているという方も多いのかもしれません。

■老後の生活資金の情報源
Q5. あなたは現在、老後の生活資金に関する情報をどこから集めていますか。(複数回答)

老後の生活資金に関する情報は全体では「テレビ」が47.8%で最も多い結果となりました。年代でみると、20代から60代までは「テレビ」が第1位となっています。しかし、70代以上は「新聞・雑誌」が第1位となりました。また、第2位は20代から50代までが「インターネット」となり、60代は「新聞・雑誌」、70代以上は「テレビ」と年代によって老後の生活資金に関する情報源がことなることがわかりました。

■お金の悩み
Q6. あなたがお金にまつわることで悩んでいることをお答えください。(複数回答)

お金にまつわる悩みをお聞きしたところ、全体での第1位は「老後の医療費や介護費がいくらかかるかわからない」37.3%となりました。年代で比較をすると、20代から50代までのお金にまつわる悩みは「年金がもらえるのか心配」が第1位となり、60代、70代以上は「老後の医療費や介護費がいくらかかるかわからない」が第1位となりました。65歳から老齢基礎年金が支給されることもあり、60代からは、年金についての悩みは低くなりますが、医療費や介護費など、お金に関する悩みは尽きないようです。


【調査概要】
・調査の方法:株式会社ネオマーケティングが運営するアンケートサイト「アイリサーチ」のシステムを利用したWEBアンケート方式で実施
・調査の対象:アイリサーチ登録モニターのうち、インターネットを利用している全国の20歳以上の男女を対象に実施
・有効回答数:1,200名(20代、30代、40代、50代、60代、70代以上の男女:各100名)
・調査実施日:2016年10月7日(金)~2016年10月11日(火)

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[日本ファイナンシャル・プランナーズ協会]
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