2016 年版 M&A レポート「Masters of the Corporate Portfolio」 

2016年08月31日
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2016 年版 M&A レポート「Masters of the Corporate Portfolio」 を発表しました。

2016 年は M&A 市場の潮目が変化する年に
2015 年は、ほぼすべての業種・地域で M&A 取引が増加、金額ベースの M&A 取引総額は 2014 年比 39%増加して、過去最高レベルを記録した 1999 年、2007 年に迫る勢いとなりました(図表 1)。GDP 成長率の低迷、潤沢なキャッシュなど、基本的な条件に変化はありませんが、バリュエーションの高騰などバブルを警戒すべき兆候があらわれており、2016 年の上半期は一転して取引金額が 2015 年比で 27%減少しています。

積極的に M&A を行ってきた企業は、中期的に大きな価値を創造
今回の調査では、M&A を通じて積極的にポートフォリオ再構築を行うことが、企業の価値創造にどう影響を与えているかを調べました。BCG のデータベースを基に、対象企業群を 2011 年から 2015 年までの 5 年間に 5件以上の M&A を行った企業群「ポートフォリオマスター」と、2~4 件の M&A を行った「ストラテジックシフター」、1 件のみ M&A を行った「ワンタイマー」の 3 つに分類し、それぞれ 5 年間の年平均 TSR(株主総利回り)を分析したところ、「ポートフォリオマスター」の年平均 TSR は 10.5%と、「ストラテジックシフター」の同 7.9%、「ワンタイマー」の同 5.3%を大きく上回っていました(図表 2)。さらに、「ポートフォリオマスター」の TSR の変動率は他の 2 つの企業群に比べ低く抑えられていました。

ポートフォリオマスターは企業数では調査対象企業の約 6%にすぎませんが、過去 25 年の M&A 件数の約25%、約 14,000 件がポートフォリオマスターによるものでした。今回の調査では、1990 年から 2015 年までに行われた、全株式の 75%以上を取得/売却した、取引価額 2,500 万ドル以上の 54,000 件超の M&A 案件を対象に分析を行っています。この調査はドイツのパダーボルン大学と共同で行われました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ボストン コンサルティング グループ]
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