グローバルウェルス・レポート(富裕層市場調査) 

2016年06月08日
経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2016 年版グローバルウェルス・レポートを発表しました。

世界の家計金融資産は、前年比 5.2%増の 167.8 兆ドル、日本では前年比 4.4%増の 13.6 兆ドル

2015 年の世界の家計金融資産は、前年比 5.2%増の 167.8 兆ドル、日本の家計金融資産は前年比 4.4%増の 13.6 兆ドルと試算されました。2015 年の世界全体の家計金融資産は、前年(2014 年、前年比 7.5%増)に比べ増加率が鈍化し、増加率が上昇した地域は日本のみ(2014 年の増加率 2.8%)でした(図表)。世界全体では、ここ数年の傾向と異なり、既存資産の価値増大に比べ、家計収入の増加など新しい資産の流入が家計資産の増加により大きく寄与しました。ただし、日本では株価が堅調に推移したことなどから、既存資産の価値増大の影響が大きかったと考えられています。調査チームは、株式市場が停滞を脱すると仮定すると、2020 年にかけて世界の家計金融資産は年平均成長率 6%で拡大を続けると推計しています。

保有資産が 100 万ドルを越える富裕層世帯数は世界全体で 6%増加し、中国やインドでは特に高い伸びが見られました。富裕層世帯が保有する金融資産のシェアは全世界では 47%、この割合は 2020 年には 52%に上昇すると予測しています。日本では、富裕層世帯の家計金融資産シェアは 2015 年で 22%、2020 年には23%となると推計しています。

オフショア金融資産は前年比 3%増の約 10 兆ドル

自国以外の拠点に預けられたオフショア金融資産は約 3%増加し、約 10 兆ドルとなったと推計されます。オフショア拠点の中では、香港とシンガポールのオフショア金融資産額が約 10%と最も高い増加率を見せ、このトレンドは 2020 年ごろまで継続すると調査チームは予測しています。最も多額のオフショア金融資産を預かるのはスイスで、世界のオフショア金融資産の約 25%を擁すると試算しています。


■調査レポート
「Global Wealth 2016: Navigating the New Client Landscape」
BCG では、家計金融資産の規模、オフショア資産(税負担軽減などを目的に自国以外のオフショア拠点に預けられた資産)の規模、プライベートバンキング業務の動向などの分析をまとめたレポートを毎年発表しており、今回が 16 回目の調査となります。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ボストン コンサルティング グループ]
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