「出産後の夫婦関係」実態調査(20歳~49歳既婚男女対象) 

2016年08月25日
オウチーノ総研は、子どもがいる首都圏在住の 20歳~49歳既婚男女 790 名を対象に、出産後 2 年以内の状況について、「『出産と夫婦関係』に関するアンケート調査」を行った。

はじめに「出産後、夫婦関係に変化はありましたか?」という質問をした。結果、「良化した」という人が 26.6%、「変わらない」が 50.4%、「悪化した」が 23.0%だった。次に「出産前後で、夫婦の寝室形態は変わりましたか?」と聞いたところ、「出産前も出産後も同じ寝室で寝ている」という人が 67.5%、「出産前は同じ寝室だったが、出産後は違う寝室で寝ている」人が 20.5%、「出産前は違う寝室だったが、出産後は同じ寝室で寝ている」人が 1.6%、「出産前も出産後も違う寝室で寝ている」人が 10.4%だった。次に「出産後、配偶者に対する恋愛感情や愛情に変化はありましたか?」と聞いた。結果、「増した」という人が 19.0%、「変わらない」が 46.9%、「減った」が 34.1%だった。最後に「出産後、夫婦関係を維持する、もしくは良化させるには、何が大切だと思いますか?」と質問したところ、最も多く選ばれたのが「お互いを思いやる心」で 41.9%。「夫婦間コミュニケーション」が 33.0%、「1 人の時間」が 16.5%と続いた。

【調査結果】

1. 2 人に 1 人が、出産後の夫婦関係に変化を感じている。
はじめに「出産後、夫婦関係に変化はありましたか?」という質問をした。結果「とても良化した」と回答した人が11.8%、「どちらかというと良化した」が 14.8%、「変わらず良い」が46.1%、「変わらず悪い」が4.3%、「どちらかというと悪化した」が 16.5%、「とても悪化した」が 6.5%だった。合わせると「良化した」という人が 26.6%、「変わらない」が 50.4%、「悪化した」が 23.0%と、約半数の人が出産を機に夫婦関係に変化があったことが分かった。
男女別に見ると、「良化した」という男性は 28.5%、女性は 24.8%、「変わらない」という男性は 55.7%、女性は45.7%、「悪化した」という男性は 15.8%、女性は 29.5%だった。女性に比べ、男性の方が出産後の夫婦関係に鈍感なのかもしれない。

それぞれ、理由を聞いた。「良化した」という回答では「配偶者もしくは自分が協力的だった」という人が最も多く、具体的には「思いのほか子煩悩で育児にも協力してくれたから」(41 歳/女性)や「子どものためにお互いに協力し合えるようになった」(27 歳/女性)、「自分が子育てに積極的だったことと、子どもが非常に良い子だから」(36 歳/男性)などが挙がった。次いで「会話が増えたから」という声が多く、例えば「子どもという共通の話題ができたから」(20 歳/男性)や「どんなことでも情報を共有するようになった」(49 歳/男性)などが聞かれた。他には「猫を被らずにお互いラフで居られるようになった」(28 歳/女性)や「家族が増え責任感が増したから」(47 歳/男性)、「もともと仲が良いところに 2 人の楽しみがひとつ増えた」(44 歳/男性)などが挙げられた。
「悪化した」と回答した人からも「配偶者もしくは自分が協力的ではなかった」という理由が最も多く挙がった。具体的には「家事に対する不公平感が生まれた」(28 歳/女性)や「自分の仕事が忙しく、帰宅が遅くなってしまい家庭に関われないことが多かったから」(49 歳/男性)などの声が聞かれた。次いで「子育て方針の違い」という理由が多く、例えば「子育てに対する価値観の違いで喧嘩が多くなった」(30 歳/女性)や「子どものしつけについての口論などが増えた」(34歳/男性)などが挙がった。他には「お互いに子ども優先となり、コミュニケーションが十分とれていない」(32 歳/男性)や「2 人とも育児疲れやストレスが溜まり、関係悪化に繋がった」(37 歳/女性)などが挙げられた。

2. 寝室形態の変化が夫婦関係に与える影響は、大!
次に「出産前後で、夫婦形態は変わりましたか?」と聞いたところ、「出産前も出産後も同じ寝室で寝ている」という人が67.5%、「出産前は同じ寝室だったが、出産後は違う寝室で寝ている」人が 20.5%、「出産前は違う寝室だったが、出産後は同じ寝室で寝ている」人が 1.6%、「出産前も出産後も違う寝室で寝ている」人が 10.4%だった。
「出産前後で寝室の形態は変わっていない」人の場合、出産後の夫婦関係は「変わらない」という人が 54.1%なのに対し、「寝室形態が変わった」人では 38.1%だった。寝室形態の変化が夫婦関係に与える影響は大きいようだ。また、出産後、同じ寝室で寝ている人で関係が「悪化した」と回答した人は 19.1%だったのに対し、違う寝室では 32.8%だった。

3. 出産後の恋愛感情や愛情の変化は、男女差が大きかった。
次に「出産後、配偶者に対する恋愛感情や愛情に変化はありましたか?」と聞いた。結果「とても増した」と回答した人が7.7%、「どちらかというと増した」が 11.3%、「変わらず多い」が 36.8%、「変わらず少ない」が 10.1%、「どちらかというと減った」が 21.8%、「とても減った」が 12.3%だった。合わせると、「増した」という人が 19.0%、「変わらない」が 46.9%、「減った」が 34.1%だった。
男女別に見ると、「減った」と回答した男性は 21.4%だったのに対し、女性は 45.7%、また「変わらず多い」という男性は47.8%、女性は 26.8%と、大きく差が開く結果となった。さらに寝室の形態別で見ると、出産後同じ寝室で寝ている人で「減った」と回答した人は 28.7%、違う寝室で寝ている人は 45.9%だった。

「増した」と回答した人にその理由を聞いたところ、「子育てを見て」という声が最も多く、具体的には「子育てに非常に協力的なため」(29 歳/女性)や「子どものことをよく考えて育てながらも、自分に対しても優しく接する姿勢に頭が下がる」(36 歳/男性)などが挙がった。次いで「『家族愛』が加わった」という声が多く、例えば「妻への愛情と自分の子の母への愛情、2 つを感じるようになったから」(42 歳/男性)や「一緒に子どもを育む意識が増したから」(25歳/女性)などが聞かれた。他には「出産に立ち会ったことで敬意を持つようになった」(38 歳/男性)や「子どもの存在によって、また新たなキャラクターが見えてきたから」(39 歳/男性)、「心から信頼できるようになった」(27 歳/女性)などが挙げられた。
反対に「減った」という人からは「子ども優先、子育てで手一杯になった」という声が最も多く挙がった。具体的には「2 人きりになる時間がほとんどなく、子どもに手が掛かるので余裕がない」(38 歳/女性)や「子ども優先になり、旦那にまで気が回らなくなった」(41歳/女性)などの声が聞かれた。次いで「子どもへの愛情が大きくなった」が多く、例えば「子どもに対する感情が優先されるから」(49歳/男性)や「子どもが優先され、夫に対しては、愛情もあるが恋愛感は減った」(33 歳/女性)などが挙がった。他には「恋愛的な感情よりも家族愛に変わったから」(44 歳/女性)や「あまり子育てや生活面で協力が見られないから」(30 歳/女性)などが挙げられた。

4. 出産後の夫婦関係には「夫婦間コミュニケーション」や「1 人の時間」が重要。
さらに大切なこととは?


最後に「出産後、夫婦関係を維持する、もしくは良化させるには、何が大切だと思いますか?」と質問したところ、最も多く選ばれたのが「お互いを思いやる心」で 41.9%だった。「夫婦間コミュニケーション」が 33.0%、「1 人の時間」が 16.5%、「夫婦 2 人の時間」が 15.3%、「家事の平等」が 14.7%、「育児の平等」が 14.3%と続いた。
家事や育児の平等について男女別に見ると、「家事の平等」と回答した男性は 12.4%、女性は 16.8%。「育児の平等」と回答した男性は 10.3%、女性は 18.0%だった。やはり女性の方が負担は大きいようだ。
「お互いを思いやる心」と回答した理由を聞いたところ、最も多かったのは「相手の状況や立場を理解するべきだから」という声が最も多く、具体的には「お互いを理解しようと努力することは大切だし、それが相手への優しさに繋がると思う」(45 歳/女性)や「環境が変わると感情も変わるので、それを逐一理解することが大事だと思う」(32 歳/女性)などが挙がった。次いで「気持ちを声や態度に出すべき」という声が多く、例えば「お互いに感謝と謝罪の気持ちを言葉にすることが大事だと思うから」(49 歳/男性)や「ありがとうという言葉が一言あるだけで、良い関係が続くと思うから」(28 歳/男性)などが聞かれた。他には「親しい人ほど忘れがちだから」(38 歳/女性)や「ちょっとしたことはお互いに妥協することが大事だと思う」(27 歳/女性)、「夫婦とは言え、他人同士が同じ屋根の下にいるのだから」(48 歳/男性)などが挙げられた。
「夫婦間コミュニケーション」では「分かり合えないから」という理由が最も多く、具体的には「意見の違いを理解しあうことが重要と思うから」(43 歳/男性)や「話し合うことで、問題を解決ないし緩和できるから」(25 歳/女性)などが挙がった。
次いで「毎日少しでも会話をすることが大事」という声が多く、例えば「朝の見送りや帰ってきたときのお帰り、くだらない会話などが大切だと思う」(28 歳/女性)や「その日の出来事はその日のうちに共有したいから」(39 歳/女性)などが挙がった。他には「人間関係構築維持の基本だから」(35 歳/男性)や「必然的に子ども中心になるから」(39 歳/女性)などが挙げられた。
「1 人の時間」と回答した人からは「育児から離れる時間が必要だから」という声が多く、例えば「どんなに子どもがかわいくても、育児から離れたくなる時は誰にでもあるから」(36 歳/男性)や「母でも妻でもない時間がたまにはほしい」(29歳/女性)などが挙がった。他には「育児から離れることでリフレッシュできるから」(32 歳/女性)や「1 人の時間があると冷静になれるし、家族や夫の大切さを実感できるから」(40 歳/女性)、「プライベートな時間があれば心に余裕ができるから」(45 歳/女性)などが聞かれた。
今回の調査では、2 人に 1 人が出産後の夫婦関係に変化があったと感じていた。出産は男性が絶対に経験できない出来事の 1 つ。出産前後において、夫・父親側と妻・母親側では、感じ方の差が大きいことも分かった。


【調査概要】
有効回答:子どもがいる首都圏在住の 20 歳~49 歳既婚男女 790 名(学生は除く)
調査方法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2016 年 8 月 4 日(木)~8 月 11 日(木)

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[オウチーノ]
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