2016 年度 新卒採用に関するアンケート調査(経団連企業会員 1,339社対象) 

2016年11月15日
日本経済団体連合会(経団連)は、2016 年度 新卒採用に関するアンケート調査結果を発表。

【調査結果概要】

1.2016 年4月入社対象の採用選考活動について
(1) 選考にあたって特に重視した点
「コミュニケーション能力」が 13 年連続で第1位、「主体性」が7年連続で第2位となり、昨年第3位だった「チャレンジ精神」と、同じく第4位だった「協調性」の順位が逆転した。

(2) 選考にあたっての学業成績の重視状況
「やや重視した」(51.8%)が最も多く、前回調査より 10.7 ポイント増加した。
一方、「どちらともいえない」は 11.5 ポイント減少した。

2.2017 年4月入社対象の採用選考活動について
(1) 採用選考活動の実施割合
採用選考活動を実施した企業(実施予定も含む)の割合は 96.8%だった。前回調査より 0.1 ポイント減少したものの、高水準で推移している。

(2) 新卒採用市場の評価
「前年と比べて売り手市場であった」との回答は 71.3%だった。「前年と変わらなかった」が大きく増えているが、2016 年入社においても9割弱が「前年よりも売り手市場であった」と回答しており、売手市場の状況が続いているといえる。

(3) 企業説明会の実施状況
前年と比べて開催回数を「大幅に増やした」、「やや増やした」との回答合計が53.2%となった。実施にあたっての学事日程への配慮としては、「学内セミナーへの積極的参加」(79.4%)、「本社のある地域以外での開催」(73.5%)や「土日、祝日や平日の夕方にも開催」(57.1%)が多かった。

(4) 熊本地震の被災学生に対する配慮
広報活動、選考活動ともに、「被災学生からの申し出を踏まえて個別・柔軟に対応」がそれぞれ 53.2%、55.2%と最も多かった。

(5) 面接時における履修履歴(成績証明書等)の活用状況
「かなり重視した/する」、「やや重視した/する」との回答は合計で 66.6%だった。今後については「かなり重視した/する」、「やや重視した/する」との回答合計が 73.6%で、現在よりも7ポイント高まっている。

3.2017 年入社対象の採用選考スケジュールの変更に伴う影響や評価について
(1) 2016 年入社対象との比較
2017 年入社対象の採用選考スケジュール(広報開始3月1日、選考開始6月1日)について、2016 年入社対象(同3月1日、8月1日)との比較では「非常に良かった」、「どちらかといえば良かった」との回答合計が 69.4%にのぼった。

(2) 選考活動開始時期の2カ月前倒しによる学生の学業や就職活動への影響
「良い影響」で最も多かった回答は、「就職活動の長期化の是正」(37.9%)だった。一方、「悪い影響」で最も多かったのは「学生の業界・企業研究の促進」(70.7%)だった。

(3) 選考活動開始時期の2カ月前倒しによる自社の採用選考活動への影響
「良い影響があった」とする回答で最も多かったのは、「採用選考活動の長期化の是正」(32.7%)だった。一方、「悪い影響があった」とする回答としては、「学生の自社に対する理解・研究」(66.2%)や「学生の業界・企業研究」(65.7%)が多かった。

(4) 経団連会員以外も含めた「指針」のスケジュールの遵守状況に関する認識
「あまり守られていない」、「ほとんど守られていない」との回答の合計は 89.6%にのぼった。「指針」のスケジュールにとらわれずに活動を行う企業への受けとめとしては、「指針のスケジュールが実態に合っていないので、守らないのはやむをえない」(55.8%)、「ルールを守らない企業が先に優秀な人材を確保するのは不公平である」(43.4%)との回答が多かった。

(5) 2018 年4月入社対象の「指針」のあり方
「指針」で規定しているスケジュールについて、63.2%の企業が「見直すべき」と回答した。見直しが必要な項目としては、「選考活動の開始時期」(83.9%)、「広報活動の開始時期」(83.5%)が多かった。
インターンシップで見直すべき内容は、「実施期間(5日間以上)」(42.2%)、「取得した個人情報の採用選考活動での使用禁止」(35.9%)が多くなっている。

(6) 中長期的な指針のあり方
「選考開始時期等を含めた現行の指針の内容を維持していくべき」(27.4%)との回答が最も多く、「指針自体は残すが、広報・選考活動の開始時期の規定は削除すべき」が 22.4%と続いている。「指針そのものを廃止し、自由な採用活動を認めるべき」は 10.2%にとどまった。

4.新卒採用の基本的な考え方について
(1) 新卒一括採用についての基本的な考え方
現在の考え方は、「春季一括採用のみ実施」(45.8%)、「春季一括採用を基軸としつつ、多様な選考機会を設けている」(41.0%)との回答が多かった。今後については、「春季一括採用を基軸としつつ、多様な選考機会を設ける」(53.6%)が最も多く、「春季一括採用のみ実施」は 27.6%にとどまる。

(2) 春季一括採用を実施する理由
「若い労働力を効率的に確保できるため」(80.8%)との回答が最も多く、「長期雇用を前提とした教育訓練に適しているため」(61.5%)が続いている。

(3) 多様な選考機会を提供する理由
「様々な機会を設けることで優秀な人材を確保しやすくするため」(87.3%)との回答が最も多いものの、「既卒者、留学生、外国人など多様な人材を確保するため」(74.8%)、「経営環境の変化を踏まえ、柔軟に必要な人材を採用するため」(71.3%)との回答も多くなっている。


【調査概要】
調査目的:企業の大卒等新卒者の採用選考活動を総括することを目的に、1997 年度より実施
調査対象:経団連企業会員 1,339 社
実施時期:2016 年7月5日~8月 22 日
回答社数:709 社(回答率 52.9%)
*製造業 41.7%、非製造業 57.1%、不明 1.1%
*従業員数 1,000 人以上 74.2%、500 人以上~1,000 人未満 12.7%、500 人未満 12.0%、不明 1.1%

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[日本経済団体連合会]
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