居住地別(沿岸部、内陸部)に見る中国人旅行者の旅行動向調査 

2016年10月14日
JTB総合研究所は、「居住地別(沿岸部、内陸部)に見る中国人旅行者の旅行動向」についての調査研究をまとめました。当社は生活者の消費行動と旅行に関する調査分析を、多様な視点で継続的に行っています。

訪日中国人旅行者の日本国内での消費行動は、円高や中国政府の内需拡大政策の影響、そしてリピーターの増加で今大きく変化を遂げようとしています。中国人にとって海外旅行が身近になるにつれ、一人あたりの旅行代金や滞在中の支出額は年々下がり、さらに今年4月以降は中国政府による海外購入品に課す関税引き上げの影響で、買い物代が大きく減少しています。一方、訪日客の28%(*)を占める中国人旅行者数は伸率こそ減少しているものの依然2ケタ増で推移し、日本人気はまだまだ底堅いと考えられます。

今回の調査では、日本への旅行者への査証発給が当初は沿岸部から内陸部へと解禁されたことや、広大で人口の多い中国の各都市の地理的環境などの違いに着目し、居住地域別(沿岸部都市、内陸部都市)に日本を旅する中国人旅行者の姿の可視化を試みました。その結果、沿岸部から日本を訪れる旅行者と内陸部からの旅行者のライフスタイル、価値観、旅行スタイルがそれぞれ明らかになってきました。

‘爆買い’後に来日する中国人の嗜好にあった商品やサービスとは何かを探るため、調査結果の一部を紹介します。

*日本政府観光局「訪日外国人旅行者数1~8月累計」より算出

【調査結果概要】

・景気減速といわれているが、約3割が「自分の生活にはあまり影響がない」と回答

・沿岸部では日本旅行はミレニアル世代(20~30代)中心。フォロワー層に広がる

・日本へのクルーズ経験者の7割がまた乗りたい。船上即売会も3割が楽しい

・キーワードは‘日本の日常生活に触れたい’。爆買いは減少だが消費熱は高い


【調査結果】

(スクリーニング調査より)
1.全体の 6 割が3年以内には日本へ行きたい。昨年と比べた時の生活や旅行に対する考え方は
「昨年より旅行回数を増やしたい(26.9%)」「クルーズ旅行を検討したい(24.6%)」が上位に


観光を目的とした日本への旅行の計画と意向について聞いたところ、3年以内に日本へ旅行をしてみたいと答えた人は、全体の 6 割でした(図1)。
次に昨年と比べた時の生活や旅行についての考え方の変化を聞いたところ、全体では「昨年より旅行回数を増やしたい(全体 26.9%)」「クルーズ旅行を検討したい(全体 24.6%)」「休みが取れそうなので旅行日数を増やしたい(全体 23.4%)」が上位となりました。一方「昨年より収入が減ったので旅行したくない」は全体で 2.8%でした。内陸部については「昨年より収入が増えたので旅行がしたい(沿岸部 17.1%、内陸部 21.3%)」、「休みがとれそうなので、遠距離の旅行がしたい(沿岸部 22.2%、内陸部 19.9%)」「昨年より豪華な旅行したい(沿岸部 14.8%、内陸部 18.3%)」が高い結果となり、旅行についてポジティブな印象がうかがえます(図2)。
逆に日本への旅行を計画していない・するつもりがない人にその理由を聞いたところ、沿岸部居住者、内陸部居住者共に「仕事が忙しくて休みがとれない(沿岸部 29.2%、内陸 28.1%)」が最も多く、「言葉が通じない(沿岸部 22.0%、内陸部 27.1%)」が続きました。内陸部では「国際情勢が不安(沿岸部 19.0%、内陸部 27.8%)」が多く、また「収入が減ったため日本旅行をする余裕がない(沿岸部 21.0%、内陸部 21.4%)」という経済的要因も比較的高い結果となっています(図3)。

(本調査より)
【3年以内に訪日旅行を考えている中国人の日々のライフスタイルや考え方】
2.最近の生活は「1 年前と比べて所得が増えた(全体 44.0%)」が沿岸部、内陸部最も多い
 「生活を切り詰めても欲しいものは購入したい」は沿岸部 36.4%、内陸部 24.0%)
 沿岸部の旅行者は便利で豊かな生活に対する意識が高く満足感も高いが、将来への不安も全体的に高め


中国の景気減速が伝えられていますが、当の中国人の生活や景況感はどうなのでしょうか。今回の調査では全般的に沿岸部の旅行者は、便利で豊かな生活に対しての欲求や意識が高く、内陸部に比べてネット社会のでつながりや社会でのやりがいなどに対して満足度が高い一方で、将来における不安も高い傾向が見られました。
現在の生活についての意識は、全体では「1 年前と比べて所得が増えた(全体 44.0%)」が最も多い結果となりました。沿岸部と内陸部で 10 ポイント以上の差が見られた項目は、「不動産や株式などへの投資を増やしたい(沿岸部 39.0%、内陸部 24.8%)」、「生活を切り詰めても欲しいものは購入したい(沿岸部 36.4%、内陸部24.0%)」、「物価上昇で生活が圧迫されそうだ(沿岸部 33.6%、内陸部 23.6%)」でした(図4)。
今の生活で満足している点を項目別に聞いたところ、家族関係、友人関係が共に最も満足度の高い結果となりました。沿岸部と内陸部で 10 ポイント以上差が見られたのは「便利な家電製品がそろった生活(沿岸部 72.0%、内陸部 55.6%)」、「インターネットを通じた人や社会とのつながり(沿岸部 60.8%、内陸部 47.4%)」、「仕事や学校でのやりがい(沿岸部 56.4%、内陸部 43.6%)」となりました(図5)。今後で不安に思うことについては、「将来の保障」「子供の教育環境」が共に上位となりましたが、どの項目も総じて沿岸部の不安が高い傾向となりました(図6)。

3.海外商品のネットショッピングが日常に広がる
日本への旅行予定者の 1 割強が「ネットショッピングで外国製品が安く買えるので海外旅行にはいかなくてもいい」「ネットショッピングで外国製品が安く買えるので海外旅行では買い物が減る・減った」


越境ECとは海外から商品をインターネットで購入する電子商取引をいいます。中国政府の内需拡大政策で、海外で購入した商品に課す関税引き上げや、越境ECの推進で、日本での爆買いが影を潜めつつある中、普段のネットショッピングの実態を日本への旅行予定者に聞きました。全体の半数が「ネットショップを利用するようになり以前よりも海外の商品を購入するようになった」と回答し、また「8 月に上海にオープンした中国人専用の海外旅行帰国者用免税店に行ってみたい」は、全体の 27.9%になりました。「ネットショッピングで外国製品が安く買えるので海外旅行では買い物が減る/減った」は 13.2%、「ネットショッピングで外国製品が安く買えるので海外旅行には行かなくていい」が 10.7%となりました(図7)。

【3 年以内に日本への観光旅行を予定する中国人 1000 人の特徴】
4.沿岸部の 84.0%、内陸部の 95.4%が 1 年以内に日本へ行きたい。内陸部の 64.6%が 3 か月以内に行きたい


日本への旅行を予定している時期を聞いたところ、全体の 89.7%が 1 年以内の旅行を計画している人でした。3か月以内に行きたいと考えている旅行者は、沿岸部は 25.6%、内陸部64.6%という結果となりました(図8)。

5.日本への旅行予定者のプロフィール
 沿岸、内陸部共に 30 代が最も多く(共に 43.8%)、中国企業の勤務者が多い
 沿岸部は 20~30 代のミレニアル世代が中心。外資系企業勤務や専門職も多く、年収の幅は広く分散傾向
 内陸部は年齢が高め。40 代が多い(37.0%)。管理職が多く、収入が高めの層が日本への旅行を考える


日本への旅行予定者の沿岸部と内陸とでは、傾向の違いが明らかになりました。共に 30 代が中心で、中国企業の勤務者が多い点は共通していますが、沿岸部の旅行予定者は 20 代が 30 代に続いて多く、年齢層が若くなっています。外資系企業勤務や、医師、弁護士といった専門職も多く、年収の幅は広く分散しています。内陸部は 30 代に続き 40 代が多く、女性の割合が高く、管理職が多く、年収は高めでした。
日本への旅行予定者の初めての海外旅行経験の時期は「1~3 年前」が共に多い結果となりましたが、内陸部の方がその割合は高く(沿岸部 51.8%、内陸部 54.6%)、また海外旅行未経験の割合も高い結果(沿岸部 2.4%、内陸部 6.4%)となりました(図9~図 14)。

6.沿岸部は日本への旅行は若い世代を中心に消費行動の“フォロワー層”まで広く浸透、身近な存在に
内陸部は流行に敏感な「共感型」がインフルエンサーとして他の層へ体験を共有しながら広げている段階


ここでさらに沿岸部、内陸部の日本への旅行予定者を可視化するために、生活者をライフスタイルや価値観から分類する当社独自のメソッド‘旅ライフセグメント5(TLS5)’に基づき分析を行いました。結果と各タイプの特徴は下表の通りです(表1)。
沿岸部、内陸部共に「共感型」タイプが最も多い結果となりました。特筆すべきは内陸部の方が「共感型」タイプと「高アンテナ」タイプが沿岸部より割合が高く、一方で、沿岸部は「合理派」「体験重視」「メリハリ消費」タイプの合計が多くなっている点です。当社のLCCなどの調査から、「高アンテナ」は消費におけるイノベーターの役割があり、「共感型」は新しいモノやコトの体験を周囲と共有して広げていくインフルエンサーの役割があることが過去の調査から分かっています。一方「合理派」「体験重視」「メリハリ消費」はフォロワーにあたることから、海外旅行や日本への旅行は、沿岸部に住む旅行者にとっては、既に幅広く広がっている身近な楽しみの1つである一方、内陸部にとっては、まだ流行に敏感な一部の層が他の層へと広げている過程にある存在であると言ってもいいでしょう。

【訪日旅行の経験について】
7.日本旅行の経験者のうち、観光、ビジネス、報奨旅行など目的を問わず合算すると 3 回以上が全体の 41.5%
3回以上は内陸部が沿岸部より多い(沿岸部 34.6%、内陸部 48.7%)。1回が多いのは沿岸部


日本旅行の経験回数を見ると、1 回の経験者は全体で 35.9%に留まり、中国人旅行者もリピーターが多くなっていることが分かります。地域別では、沿岸部では 1 回の経験者の割合が 44.5%となっていますが、若くなるほど日本への旅行経験が多くなり、20 代では 44.7%が 3 回以上日本旅行を経験しています。逆に内陸部では、3回以上の経験者は 48.7%と沿岸部より回数が多く、また世代が上がる程、日本旅行の経験が高くなり、40 代では 3 回以上日本への旅行を経験している人が 58.9%と 6 割を占めています(図 15)。日本への旅行は沿岸部では20 代、内陸部では 40 代以上がけん引しているようです。

8.初回の日本旅行と 2 回目以降の直近との違いは、「初回」は団体旅行が約半数を占め、「直近」は個人旅行やフリーのパッケージの方が多くなる。団体旅行は初回は沿岸部が多いが直近では内陸部の割合が高い
成田空港は「初回」が入国 43.9%、出国 24.2%だが、「直近」では入国 27.6%、出国 14%と減少へ


日本を訪れた経験のある人に、今後日本への観光旅行で、行きたい場所、したいこと、買いたい物などについて項目別に意向を聞きました。

(1) 初回の旅行形態と直近の旅行形態

初回に多く利用する団体型パッケージツアーは、沿岸部の旅行者は、初回 50.1%が利用し、内陸部は 43.0%でした。直近になると、沿岸部では団体パッケージツアーが 22.1%と大きく減少し、個人旅行やフリープラン型パッケージツアーの割合が高くなっています。内陸部は沿岸部ほど大きく減少せず、26.6%となっています(図16)。

(2)初回の日本旅行のビザと直近のビザ

直近の旅行では沿岸、団体共に個人ビザが主流となり半数以上を占めています。

(3) 初回の入国港と直近の入国港、直近の出国港と直近の出国港

初回の日本への旅行で利用した空港は、入国では成田空港が最も多く 43.6%でしたが、直近の旅行では 27.6%と大きく減少し、他の空港の利用が高くなっています。一方出国では成田空港の初回が 24.2%でしたが、直近では 14.0%となりました。羽田空港や中部国際空港も直近の旅行では利用が減少しており、出国で増えた空港は新千歳、関西空港、福岡空港、那覇空港となっています(表2)。

【日本への旅行で望むこと】
9.日本人との交流で望むことは沿岸部、内陸部共に「日本の日常生活に触れたい(43.2%)」
 日本旅行経験者は「東北」、「北陸」、「名古屋」「北海道」「沖縄」と地域への訪問希望が高い結果に


日本への観光旅行で、今後行きたい場所、したいこと、買いたい物など項目別に意向を聞きました。

(1) 日本で行ってみたい場所

沿岸部、内陸部共に日本旅行の経験に関わらず、「東京」が最多となりました。「広島」「北陸」「福岡」「四国」に関しては沿岸部より内陸部の方が行きたい割合が高くなりました。また訪日経験別では、「東北」、「北陸」、「名古屋」「北海道」「沖縄」は日本旅行経験者の希望の割合が高い結果となっています。また、沿岸部の未経験者は「東京」、「大阪」、「北海道」、「京都」といった、いわゆる有名観光地への訪問意向が特に高い傾向が出ています(図 18)

(2) 日本でしてみたいこと

28 の選択肢の中の上位 10 位のうち、「自然風景観光」「温泉に入る」「お花見・紅葉狩り」「ラーメンなど日本の日常的な食事を楽しむ」が上位となりました。図表にはありませんが、「お化け屋敷や心霊ツアーに参加する」も 1 割以上回答がありました(図 19)。

(3) 日本で買いたいもの(自分用)

17 の選択肢のうち、全体では「日本の菓子」「日本の化粧品」「日本ブランドの服、バッグ、時計」が共に上位になりました。「家電製品」は沿岸部の日本旅行経験者が特に高い結果となっています(全体 42.7%、沿岸部48.6%)。「日用雑貨や医薬品」も沿岸部に高く、沿岸部の人にとって日本ブランドや日本人が日常的に使用する商品を購入したい意向が強いことがわかります。内陸部は沿岸部に比べて全体的に購入意向は低めですが、「日本酒」や「日本の工芸品」という日本らしいものについては関心の高さがうかがえます(図 20)。

(4) 日本人との交流の考え方について

日本人との交流で望むことは、「日本人の日常生活に触れたい(43.2%)」が最も多くなりました。訪日経験、1回は 40.1%、2 回は 48.7%、3 回以上は 55.3%と訪日回数が増えるにつれて増加することにも注目です。沿岸部、内陸部で比べると沿岸部より多くなりました(沿岸部 45.2%、内陸部 41.2%)。また沿岸部では「農家民泊など、地域の人とふれあえるところに泊りたい」と答えた人が多く内陸部より 10 ポイント以上高い結果(沿岸部 37.2%、内陸部 27.8%)でした(図 21)。一方、「日本の歴史や文化について日本人に説明してもらいたい」「お祭りなど日本の地域活動に参加し積極的に交流を持ちたい」など、訪日経験 2 回では増加するものの、3 回以上では減少する項目も多く見られました。中国人旅行者が海外旅行に求めることでは「知られていない場所や土産物を自分で探して見つけたい」も高くなりました。ある程度以上のリピーターに向けては、何気ない日本の日常の中で「何か新しいものを自分で探して見つける喜び」を提供することが必要となりそうです。

【クルーズの経験について】
10.クルーズ旅行の魅力は、国内・海外を効率よく観光できること。船内の大即売会での買い物も大きな魅力


9 月 26 日の安倍首相の所信表明演説で観光に関してはクルーズ船受け入れについての言及が数多くありました。また前述の1項では、最近の旅行に対する考え方で「クルーズを検討したい」が高い傾向にありました。

(1)クルーズ旅行で日本を旅行したことがあるか

日本への旅行経験者の 46.0%がクルーズ旅行で日本に来たことがあるという結果でした。地域別では沿岸部の経験は 43.2%、内陸部は 49.0%と内陸部の人の経験が高い結果となっています。1 年以内の経験は沿岸部が21.6%の一方で内陸部が 33.7%とかなり高く、クルーズでの日本旅行は沿岸部から内陸へと広がり、内陸部での人気が高まっていることがうかがえます(図 22)。
中国人が多く参加する日本へのクルーズ旅行は、格安でカジュアルなイメージがありますが、実際参加している人の世帯年収を聞くと、60 万元以上が 22.2%、24~60 万元未満が 45.2%と高い傾向となっています。

(2)クルーズでの日本旅行経験者のクルーズの感想

クルーズでの日本旅行経験者に複数回答で意見を聞いたところ、全体で「日本国内を短時間で効率よく観光ができた(34.2%)」、「船内で開かれた即売会での買い物を楽しめた(31.8%)」、「食事、宿泊などがすべて含まれていて安心(30.7%)」「1 回の旅行で国内の都市・日本・韓国や台湾など複数の旅行地をまわることができお得(28.2%)」が上位となりました。特に沿岸部の人にとってクルーズは便利で手軽な一石二鳥の旅行手段のようです。また「旅行代金が安価だった」は全体で 21.4%と他の項目よりも低く、(1)の記載のとおり高所得者の参加が多いことも考慮すると、単に格安だから選ばれているわけでもなさそうです(図 24)。

(3) 日本へのクルーズ旅行の中国国内の出港地

クルーズで出港した港は上海が全体の 44.1%を占めています。
内陸部の人たちは大連港や青島港の利用が高いことも分かります。

(4)今後の日本へのクルーズ旅行意向 (図 26)今後のクルーズ旅行の意向 (複数回答)

クルーズ旅行での日本経験者に今後の意向を複数回答で聞きました。68.2%がまたしたいと回答した一方、クルーズ以外の方法で日本旅行したい人の 41.9%いました。内陸部の方がクルーズ意向はやや高くなっています。クルーズ旅行は安価だからリピートするとはいえないようです(図 26)。

11.海外旅行でしてみたいことは「その国ならではの文化が感じられる宿に泊まりたい(全体 50.5%)」が最多
沿岸部は、自分の国や友人家族の間で話題になっている場所、ものへの関心が高い
内陸部は、海外に話題になっている場所、ものへの関心が高い


日本行きに限らず、どんな海外旅行をしているか聞いてみました。

(1) 海外旅行頻度

海外旅行そのものの頻度は年1回が 44.1%。2回以上は 22.1%、3回以上は 7.3%。内陸部の人の方が年2回以上、3回以上の割合はやや高くなりました。

(2)旅行予約方法と旅行の形態

旅行の形態は、団体パッケージ型が 4 割ですが、沿岸部ではフリープラン型が 35.4%、内陸部では個人旅行も 28.1%ありました。オンラインはアプリを含めると 74.5%となり、予約方法はオンラインが定着しています。

(3)海外旅行で重視すること

項目別では全般的に沿岸部にこだわりが強く出る結果となりました。沿岸部と内陸部で大きく差が出たのは、「美味しいものが食べられるか(沿岸部 63.2%、内陸部 49.9%)」、「初めて見たり体験したりするものがあるか(沿岸部 60.5%、内陸部 50.3%)」、「世界遺産や歴史文化遺産など歴史的価値のあるものがあるか(沿岸部57.4%、内陸部 42.6%)」、「ノービザ、またはビザが取得しやすいかどうか(沿岸部 40.1%、内陸部 27.8%)」買い物も重視していることが分かりますが、特に沿岸部の人にとっては食べたり、見たり、体験したりすることに比べれば必ずしも最重要というわけではなさそうです(図 30)。

(4)どんな海外旅行をしたいか

海外旅行先を決める時、何を基準にしているのか聞いてみました。最も多かったのは「その国ならではの文化が感じられる宿に泊まりたい(沿岸部53.6%、内陸部 47.4%)」でしたが、沿岸部では「あらかじめ旅行先について詳しく調べて、やり残しがないようにしたい(沿岸部 53.8%、内陸部 36.0%)」が次に多い結果となりました。一方内陸部では「海外で話題になっているものを買ったり食べたりしたい(沿岸部 38.4%、内陸部 43.4%)」、「海外で話題になっている場所に行きたい(沿岸部 32.8%、内陸部 37.4%)」が続き、「海外で話題」であることへのこだわりが沿岸部より高い結果となりました。一方、沿岸部は、海外で話題というより、「自国の国や友人、家族の間で話題」になるもの好む傾向が現れ、消費のフォロワーが多い沿岸部と、イノベーターの多い内陸部の志向が分かれました。また「泊まる宿は安いところでよい(沿岸部 27.8%、内陸部 21.6%)」と沿岸部の方が宿泊代金を気にする傾向が現れました(図 31)。

12.SNSについての考え方は

スマホを駆使するソーシャルメディア(SNS)は中国人にとっては日本人以上に重要なツールです。SNSについてどのような経験があるか聞きました。沿岸部、内陸部ともに「SNSの投稿を見て行ってみたいと思った場所に出かけた(沿岸部 48.0%、内陸部 39.0%)」、「SNSで知った情報でいいと思ったものを購入した(沿岸部 40.4%、内陸部 36.8%)」が多い結果となり、SNSが行動のきっかけになっていることがわかります。より大きな影響を受けているのは沿岸部の旅行者といえます。日本で同様の調査をした結果では、「SNS は見るだけで投稿はしなくなってきた」が最も高いなど、SNS 疲れの傾向が強く見られましたが、中国における SNS はつながりや移動のきっかけとしてプラスに作用している面が大きいようです。

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