平成27年「国民健康・栄養調査」 

2016年11月14日
厚生労働省は、平成27年11月に実施した「国民健康・栄養調査」の結果を取りまとめました。
平成27年調査は、毎年実施している基本項目に加え、重点項目として、栄養バランスのとれた食事、運動ができる場所、適正な休養の確保及び受動喫煙の防止など、社会環境の整備の状況について把握しました。

【調査結果のポイント】

若い世代ほど栄養バランスに課題
・主食・主菜・副菜を組み合わせた食事は、若い世代ほど食べられていない傾向にあり、この世代は、外食や中食の利用割合が高い。(5頁、7頁)
・特に20~30歳代の女性では、たんぱく質、カルシウム、食物繊維及びカリウムなどの摂取量が、60歳以上に比べて少ない傾向。(39頁、41-43頁)

受動喫煙の機会は「飲食店」が最も高く4割超
・受動喫煙の機会を有する者の割合について場所別にみると、「飲食店」では41.4%と最も高く、次いで「遊技場」では33.4%、「職場」では30.9%。(15頁)

1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合が増加
・1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、ここ数年で増加傾向にあり、睡眠の妨げになっていることは、男性では「仕事」、女性では「育児」「家事」。(27頁、13頁)

地域でお互い助け合っていると思う割合が増加
・居住する地域の人々が「お互い助け合っている」と思う者の割合は55.9%で、前回調査(平成23年)と比べて約5ポイント増加。(16頁)

【調査結果(一部抜粋)】

第1部 重点項目 社会環境の実態とニーズの状況
1.栄養バランスのとれた食事を食べている状況


主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日に2回以上食べることが、「ほとんど毎日」の割合は、男性 47.6%、女性 52.7%である。年代別にみると、男女ともに若い世代ほどその割合が低い傾向にある。
主食・主菜・副菜のうち、組み合わせて食べられないものは、男女とも「副菜」が最も高く、それぞれ 76.7%、74.0%であり、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度に関わらず同様の傾向である。
また、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が高い者ほど、炭水化物、たんぱく質及び野菜の摂取状況が食事摂取基準等の目標とされる量に合致していると評価される者の割合が有意に高い。

2.外食、持ち帰りの弁当・惣菜の利用状況

外食を週1回以上利用している者の割合は、男性 40.6%、女性 25.1%であり、若い世代ほどその割合が高い。持ち帰りの弁当・惣菜を週1回以上利用している者の割合は、男性41.1%、女性 39.4%であり、20~50 歳代ではその割合が高い。
外食及び持ち帰りの弁当・惣菜を定期的に利用している者※の割合は、男性 41.3%、女性29.2%であり、男女とも 20 歳代で最も高く、70 歳代で最も低い。
また、外食及び持ち帰りの弁当・惣菜を定期的に利用している者はほとんど利用していない者※より、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事の頻度が有意に低い傾向が見られた。
※外食及び持ち帰りの弁当・惣菜を「定期的に利用している者」とは、外食又は持ち帰りの弁当・惣菜のいずれかの利用頻度が週2回以上の者、「ほとんど利用していない者」とは、外食及び持ち帰りの弁当・惣菜のいずれの利用頻度も週1回以下の者である。

3.栄養成分表示に関する状況

ふだん食品を購入する時に、栄養成分表示を参考にしている者※の割合は、男性 26.1%、女性
53.0%である。
食品を購入する際の参考として必要だと思う栄養成分表示については、男性では「特にない」、女性では「エネルギー(熱量)」の割合が最も高い。また、栄養成分表示を参考にしている程度別※にみると、栄養成分表示を参考にしている者では「エネルギー」が最も高く、63.5%であり、参考にしていない者では「特にない」が最も高く、45.3%である。
※栄養成分の表示を「参考にしている者」とは、「いつもしている」又は「時々している」と回答した者、「参考にしていない者」とは、「あまりしない」又は「いつもしない」と回答した者である。

4.運動ができる場所に関する状況

運動ができる場所は、男女とも「地域センター、公民館など」が最も高く、それぞれ 74.9%、76.1%である。
運動習慣の有無別にみると、「運動が行える公園」「安全な歩道や自転車道など」「グランド、テニスコート、野球場など」については、運動習慣ありの者で有意に高い。一方、運動習慣なしの者においても「地域センター、公民館など」「運動が行える公園」「安全な歩道や自転車道など」については、60%を超えている。
運動習慣のない者における、整備されることを望む運動ができる場所は、「特にない」を除くと、男女とも「運動が行える公園」「安全な歩道や自転車道など」「スポーツジム、フィットネスクラブ」が高く、20.0%を超えている。

5.適正な休養の確保に関する状況

睡眠の確保の妨げとなっていることについて、「特に困っていない」や「その他」を除くと、20~50歳代男性では「仕事」が最も高く、20 歳代 31.6%、30 歳代 39.3%、40 歳代 40.5%、50 歳代 32.2%である。20 歳代女性では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中すること」が 33.3%と最も高く、30 歳代女性では「育児」が 32.7%、40 歳代女性では「家事」が 27.9%と最も高い。
また、1日の平均睡眠時間別にみると、6時間未満の者では「特に困っていない」や「その他」を除くと、男性では「仕事」「健康状態」、女性では「家事」「仕事」の順で高い。
睡眠の確保の妨げになっていることがある者のうち自分の睡眠の確保のために最も必要としていることは、20~50 歳代の男性では「就労時間の短縮」、20 歳代の女性では「就寝前に携帯電話、メール、ゲームなどに熱中しない」、40 歳代の女性では「家事のサポート」、60 歳以上の男女では「健康状態の改善」が最も高い。

6.受動喫煙の防止に関する状況

過去1ヶ月間に、自分以外の人が吸っていたたばこの煙を吸う機会(受動喫煙)を有する者(現在喫煙者除く)の割合について場所別にみると、「飲食店」では 41.4%と4割を超えて最も高く、次いで「遊技場」では 33.4%、「職場」では 30.9%である。
非喫煙者において、受動喫煙防止対策が推進されることを望む場所は「飲食店」が 35.0%と最も高く、次いで「路上」が 34.8%、「子供が利用する屋外の空間(公園、通学路など)」が 28.2%である。

7.地域のつながりに関する状況

居住する地域の人々が「お互いに助け合っている」と思う者の割合は 55.9%で、平成 23 年と比較して、40 歳代、70 歳以上を除くすべての年代で有意に増加している。
また、居住する地域の人々を「信頼できる」と思う者の割合は 55.7%、「お互いにあいさつをしている」と思う者の割合は 82.0%、「問題が生じた場合、人々は力を合わせて解決しようとする」と思う者の割合は 52.4%で、その割合は年代が高いほど高くなる傾向がある。

【その他調査項目】

第2部 基本項目
第1章 身体状況及び糖尿病等に関する状況
1.肥満及びやせの状況
2.糖尿病に関する状況
3.血圧に関する状況
4.血中コレステロールに関する状況
第2章 栄養・食生活に関する状況
1.食塩摂取量の状況
2.野菜摂取量の状況
3.朝食の欠食に関する状況
第3章 身体活動・運動及び睡眠に関する状況
1.運動習慣者の状況
2.歩数の状況
3.睡眠の状況
第4章 飲酒・喫煙に関する状況
1.飲酒の状況
2.生活習慣病のリスクを高める飲酒量に関する認識
3.喫煙の状況
4.喫煙本数と禁煙意思の有無の状況
5.身近に喫煙治療が受けられる医療機関の状況
第5章 歯・口腔の健康に関する状況
1.歯・口腔の健康に関する状況
≪参考≫栄養素・食品群別摂取量等に関する状況
1.栄養素等摂取量
2.食品群別摂取量
3.エネルギー及び主食・主菜・副菜に関連した栄養素摂取量の年次推移(平成7年~27年)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[厚生労働省]
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