Retail Holiday Season Global Forecast(2016年ホリデー・シーズン 世界の小売業におけるロスの見通し) 

2016年11月01日
チェックポイントシステムジャパンは、「Retail Holiday Season Global Forecast(邦題:2016年ホリデー・シーズン 世界の小売業におけるロスの見通し)」日本語版を発表しました。

当調査レポートは、チェックポイント社の出資のもと、小売業ロス対策アナリストであるアーニー・デイル(Ernie Deyle)氏が実施しており、小売企業が今年のホリデー・シーズンに直面するビジネス上のリスクについて考察しています。

【調査結果】

■ホリデー・シーズンの売上とロス
調査対象全13カ国※の小売業において、第4四半期(10~12月)のホリデー・シーズンは年間で最も高い売上である一方、ロスについても最も高い割合を占めることが当調査レポートで示されました。
この傾向は日本も同様であり、第4四半期の売上は全四半期中最も高く約28%に相当しますが、ロスについても最も高く、約31%に相当すると推測されています。この要因として次の2つが挙げられています。まず、この時期は高価格帯の商品が増加するため、盗難された点数は同じであっても、金額が高額になるという要因です。次に、店舗の来店者数が増えるため、万引き行為を行う者も増加するためと考えられています。

※北米/米国、ヨーロッパ/ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ポルトガル、スペイン、イギリス、アジア太平洋地域/オーストラリア、中国、香港、日本

■ホリデー・シーズンの利益(日本)
ホリデー・シーズンの売上高は年間の28%を占めるにもかかわらず、利益は年間の26.6%にとどまっています。この理由はいくつか要因が考えられますが、一因としてロスが高いためだと考えられます。第4四半期はロス構成比率だけでなく、SRA(Sales Reduction Activities:値引きやクーポン、売上キャンセルなど、売上低下につながるPOSでの処理)の構成比率も高いことがレポートで示されています(それぞれ30.7%、29.2%)。また、利益率でみると、他の四半期平均の利益率は24.5%であるのに対し、第4四半期は22.8%であり、約7%も低いことが分かります。

■ホリデー・シーズンに盗難されやすい商品(日本)
カシミア製の冬用衣類、革製品(手袋/財布)、子供向けおもちゃ、正月用食材が挙げられています。

■「小売業に対する犯罪」に要するコスト:1人当たりの負担額(日本)
日本の小売業で発生するロスを国民一人当たりの負担に換算すると、年間約40.54ドル(4,427円※)の負担に相当すると推定されています。四半期別でみると、第4四半期は他4四半期よりも約33%も高く、12.46ドル(1,361円※)です。ロスは小売業にとって大きな負担であり、最終的には、善良な一般消費者にコストとして跳ね返っているといえます。

※換算レートは1ドル=109.2円(2016年5月時点)を使用しています。


■About the Global Forecast for the Retail Holiday Season
(邦題:2016年ホリデー・シーズン 世界の小売業におけるロスの見通し)について
当調査の方法は、世界の大手小売企業の売上データと、ロスに関する主要指標のデータを組み合わせて分析を実施しています。適切な分析を行うため、一般に公表されている2015年の決算上のデータを使用しているほか、昨年のグローバル・リテイル・セフト・バロメーター(GRTB)調査のデータを採用しています。今回の報告書は、「食料品店/スーパーマーケット」、「百貨店」、「アパレル/ファッション」の主要3業種を中心に、特にホリデー・シーズンの期間に着目して分析を行いました。この3業態は、昨年のGRTB調査によると対前年比でロスが極端に悪化しています。

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