第15回 日本的雇用・人事の変容に関する調査(上場企業の人事労務担当者対象) 

2016年10月19日
日本生産性本部は、1997年より、全上場企業の人事労務担当者を対象に「日本的雇用・人事の変容に関する調査」を実施している。今回の調査は第15回にあたり、2016年7月から8月下旬にかけて実施した。結果のポイントは以下の通り。

【調査結果のポイント】

●「“いわゆる正社員”(無限定正社員)という働き方は今後も主流」との回答が約8割(82.0%)を占める。その利点としては「人材の柔軟な異動・配置が可能」(92.5%)、「長期的視点に立った人材の育成が出来る」(76.7%)等があげられている。逆に、問題点は「転居を伴う転勤・異動があるため生活基盤が安定しにくい」(60.9%)、「残業や休日出勤など長時間労働になりがち」(33.8%)等となっている。

●正社員(特にホワイトカラー層)の長時間労働について企業側の評価を尋ねたところ「労働時間の長短と評価は関係ない」が44.4%と最も回答が多く、次に「プラスに評価する傾向がある」が24.8%となっている。また、正社員(特にホワイトカラー)の生産性が同業他社に比べて「高い」、「どちらかというと高い」と感じている企業では、長時間労働に対して「労働時間の長短と評価は関係ない」が43.8%と最も高くなっているおり、生産性が「低い」、「どちらかというと低い」と感じている企業では「プラスに評価する傾向がある」が43.3%と最も高くなっている。

●正社員の働き方の多様化・柔軟化(時間や場所等)につながる制度の導入率を見ると、「フレックスタイム制度」の導入率が最も高く49.6%となっている。しかし、これ以外の施策については、いずれも導入率は低く、「在宅勤務制度」(18.8%)、「専門業務型裁量労働制」(17.3%)、「短時間正社員制度」(16.5%)、「企画業務型裁量労働制」(10.5%)、「朝型勤務(始業時間繰り上げ)」(9.8%)などとなっている。

●但し、こうした施策を導入している企業では、施策の生産性向上効果を高く評価している。「企画業務型裁量労働制」では「大いに効果あり」(36.4%)、「やや効果あり」(54.5%)で併せると90.9%が生産性向上に効果ありと回答している。また、最近注目されている「在宅勤務制度」も同じく5.6%、61.1%で併せると66.7%となっている。また、「朝型勤務(始業時間繰り上げ)」も同じく25.0%と50.0%で併せると75.0%となっており、労働時間や場所の柔軟性を高める制度が生産性向上に寄与しているとの回答が多い。

●勤務地を限定して働くことができる勤務地限定制度の導入率は30.1%となっている。勤務地限定制度を導入している企業の6割強(62.2%)が、非正社員から勤務地限定の正社員に「登用する仕組みがあり、実際に該当者もいる」と回答しており、勤務地限定制度が非正社員の正社員登用の効果的な制度となりえる可能性を示しているものと思われる。

●業績や成果・貢献度に比べて賃金水準が見合っていない(賃金水準が高い)と思われる社員の年齢層を尋ねたところ、50歳代という回答が49.6%と約半数を占めている。こうしたことも背景に、仕事・職務内容を反映する賃金である「役割・職務給」の導入率は高水準で推移しており、管理職層で74.4%、非管理職層で56.4%となっている。



【本調査について】
本調査は、日本生産性本部が過去実施した「終身雇用制度に関する調査」(1992 年)、「年俸制導入に関する調査」(1992・1996 年)、ならびに「裁量労働制導入に関する調査」(1994 年)をもとに、「日本的人事制度の変容に関する調査」として 1997 年より実施しているものである。今回の調査は第 15 回目にあたる。

【調査概要】
第 15 回調査(2016 年調査)の実施概要は以下のとおり。
調査名:「第 15 回 日本的雇用・人事の変容に関する調査(旧、日本的人事制度の変容に関する調査)」
実施時期:2016 年 7 月下旬~2016 年 8 月下旬
実施方法:アンケート調査票郵送方式
調査対象:全上場企業 2,177 社の人事労務担当者
回答企業:133 社(回収率 6.0%)

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