「君の名は。」ブームの拡散構造について 

2016年10月14日
ビデオリサーチは、10月10日時点で興行収入145億円を突破し、まだまだ勢いが止まらない映画「君の名は。」について、ブームの拡散構造を『VR CUBICデータ』で分析いたしましたので、お知らせいたします。

<Point>

・公開6週で「君の名は。」を観た人は10.7%。(その内1割は"普段映画館に行かない人")

・鑑賞者の性年代はティーン(男女15-19才)をはじめ、M1(男性20-34才)、F1(女性20-34 才)など若年層が6割を占めている。

・鑑賞のきっかけは「テレビCMを見て」(55.8%)。次いで「テレビ番組の紹介を見て」(32.6%)「友人・知人・家族の評判(主にリアルのクチコミ)」(30.8%)など。

・公開直後に観に行った人は主に「テレビCMを見て」映画館を訪問。しかし、公開5週目以降の鑑賞者では、「クチコミ」きっかけが「テレビCM」と同じレベルまで増加している。

・ログデータによると「テレビCM」「テレビ番組」「Web記事」いずれかの情報に接触した人の割合が8割を超える。

・「テレビCM」「テレビ番組」「Web記事」全てに接触した人の「君の名は。」鑑賞率は24.1%。「Web記事」に接触した人の鑑賞率も20.9%と高く、到達“効果”においては「Web記事」も有効であった。


<詳細>

■「君の名は。」鑑賞者は?

観客動員1,000万人を超え、今や社会現象となっている映画『君の名は。』

9月30日~10月2日にVR CUBICモニターに行ったアンケートでも、10.7%の人が公開6週で「一度は観た」と回答しました。
また、鑑賞者の約6割が“公開から3週間以上経ってから”映画館に足を運んでおり、評判が評判を呼び、徐々にブームとなっていった様子がわかります。さらに、鑑賞者の約1割は映画館訪問頻度が「年に1回以下」という“普段あまり映画館に足を運ばない人”といった結果も出ています。
ちなみに、鑑賞者の性年代構成割合は、ティーン(男女15-19才)の22.6%をはじめ、M1(男性20-34才)20.5%、F1(女性20-34才)16.4%など、若年層が約6割を占めています。

■「君の名は。」を観に行ったきっかけは?~アンケート回答より~

「君の名は。」鑑賞者の情報認知経路は「テレビCMを見て」(55.8%)が最も高く、次いで「テレビ番組の紹介を見て」(32.6%)「友人・知人・家族の評判(主にリアルのクチコミ)」(30.8%)など。
さらにこちらを、鑑賞タイミング別に見てみると、公開直後に映画館に観に行った人は主に「テレビCMを見て」。公開5週目以降の鑑賞者は「クチコミ」きっかけが「テレビCM」と同レベルまでUPしていることがわかります。
若年層からの支持を集めるアニメ映画という特性上、ネット記事やSNS等による拡散が多いのでは?と予想していましたが、アンケート結果からはテレビやリアルなクチコミが拡散に大きく寄与していたことが見えてきました。

■「君の名は。」情報接点は?~ログデータより~

VR CUBICでは、テレビ番組やテレビCMの視聴ログとWebサイトの閲覧履歴を確認することが可能です。アンケートによる意識回答だけでは拾いきれない、回答者の行動ログを確認してみると、期間中「君の名は。」のテレビCM、「君の名は。」を取り上げたテレビ番組、Web記事のいずれかに接触した人は83.6%。テレビCM単体で77.1%、テレビ番組では68.9%と改めてテレビメディアの到達パワーを確認できる結果となりました。

さらに、ログデータとアンケート回答(実際に映画館に足を運んだか?)を掛け合わせてみると、「テレビCM」「テレビ番組」「Web記事」いずれも接触した人の鑑賞率が24.1%と高く、接触者の4人に1人が映画館に足を運んだことになります。また「Web記事」に接触した人の鑑賞率も20.9%と高く、到達“量”においては「テレビCM」「テレビ番組」に劣る「Web記事」も“実際に映画館まで足を運ばせる”といった到達“効果”においては十分に力を発揮しています。

※「Web記事」は、8月1日~9月30日に掲載されたインターネットサイトのページタイトル及び文中に"君の名は。"を含む記事や公式サイト(kiminona.com)を対象としました。

■テレビCMの接触回数と鑑賞率の関係は?~ログデータより~

ちなみに、テレビCMに接触した、77.1%の方のCM接触回数と鑑賞率の関係性を確認してみると、「1~9回」「10~19回」では1割程度の鑑賞率ですが、「20回以上」テレビCMに接触している人では16.0%に上昇する結果が出ています。
もちろん、テレビCM以外の情報接触による影響も加味しなければなりませんが、テレビCMの接触回数と鑑賞率の関係性を示す分析事例としてご紹介させていただきます。


【調査概要】
調査地区:関東1都6県
調査サンプル数:約5,000s
調査対象者:インターネット利用者 15~69歳男女個人
対象者抽出方法:VRI Ad Valueパネル(Cookie/UUID取得済みパネル)からのリクルートが中心

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[ビデオリサーチ]
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