金融サービスの利用動向調査(18歳以上の男女対象) 

2016年10月06日
NTTデータ経営研究所はNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコム リサーチ」登録モニターを対象に、このたび「金融サービスの利用動向調査」を実施しました。

近年、ATMやインターネットバンキングなどの非対面チャネルの利用が拡大し、インターネット専業銀行を中心とした新たな形態の銀行も存在感を増してきています。一方で、地方の過疎化が進み、銀行窓口の営業時間短縮も検討される中、有人店舗の役割も再考される時期にきています。このような中、金融機関では従前の商品・サービスに加えて投資信託や生命保険といった取扱商品を拡充して収益確保を目指しています。消費者の側からは、クレジットカードや電子マネーの普及が進み、金融機関を介さない決済手段が提供され、選択の幅が広がっています。

そこで、金融機関のこれからの戦略を立案する上で参考となるように、消費者の金融サービスの利用動向をテーマに調査を行いました。

【主な調査結果】

1.金融機関(預金取扱機関)に保有している口座と利用頻度について

・保有していると最も多く回答があったのは、ゆうちょ銀行。2番目は、都市部は都市銀行、地方は地方銀行・第二地方銀行。3番目はインターネット専業銀行が占める。

・都市部では都市銀行、地方では地銀・第二地銀という回答が多いものの、全国的に2番手はゆうちょ銀行、3番手はインターネット専業銀行との回答が多い。

・2つの口座で入出金があったと回答している人が三分の一。3口座以上という回答も三分の一程度存在しており、日常的に口座の使い分けがなされている。

・最も預金残高が多い金融機関では給与受け取りが多く利用されているものの、2番目に預金残高が多い金融機関ではそれほど多く利用されていない。


2.メインバンクの利用動向

・メインバンクに口座開設を行ったきっかけは、就職後・アルバイト時の給与入金口座用という入金目的の回答が半数を占める。

・メインバンクを選んだ理由の半数超は、自宅近くに店舗やATMがあるからという、チャネルに関するものである。

・メインバンクを変更した理由の半数超は、自宅近くの店舗やATMがなくなったからという、チャネルに関するものである。


3.預かり資産

・金融機関で「投資信託」、「国債・地方債」もしくは「生命保険」を加入・購入した最大の理由は、渉外員からの勧誘。店頭のパンフレットを見て相談したという意見も2割程度存在。


4.非対面チャネルの利用動向

・6割程度の回答者がインターネットバンキングを利用。ただし、パソコンからのアクセスが多く、スマートフォンからの利用は3割弱にとどまる。

・インターネットバンキングを利用しない理由の半数近くが、セキュリティーへの不安を指摘している。

・インターネットバンキングにおける利用サービスは入出金明細の確認と振込が大半。

・店舗外、コンビニATMが拡がるものの、半数は銀行店舗内のATMを利用。


5.有人店舗の利用動向と意向

・有人店舗に出向く理由は入出金、定期預金関連、振込・税金が多くを占める。

・金融機関の窓口の時間外開設は、7割超のニーズがある。

・時間外開設で利用したいサービスは、税金・諸届が多いが、資産運用やローン商品など、金融機関側の収益拡大に資するニーズも4割程度存在する。


6.消費者の支払方法

・公共料金の支払いは口座引落が半数以上を占める。

・インターネット・ショッピングでの支払はクレジットカードでの支払いが圧倒的。

・よく利用する電子マネーは、関東では交通系電子マネー、四国ではWAONが半数超を占める。

・スーパーマーケットでの決済手段は半数超が現金。クレジットカードと電子マネーの利用は地域によって異なる。

・コンビニエンスストアでの決済手段は現金、電子マネー、クレジットカードの順番であり、地域の差異は大きくない。


【調査結果】

1 金融機関(預金取扱機関)に保有している口座と利用頻度について

1.1 保有しているすべての口座について
保有していると最も多く回答があったのは、ゆうちょ銀行。2番目は、都市部は都市銀行、地方は地方銀行・第二地方銀行。3番目はインターネット専業銀行が占める。
 すべてのエリアで7割超の消費者がゆうちょ銀行に口座を開設している。次点は、関東・関西の都市部では都市銀行が占めるものの、その他のエリアでは地銀・第二地銀が占めている。インターネット専業銀行に口座を持っている消費者の割合は、すべてのエリアで信用金庫を上回っている。信用金庫は東海、中国エリアで回答割合が多いものの、中国エリアでは農協・漁協の方の回答が多い。

1.2 最もよく利用する金融機関の業態について
都市部では都市銀行、地方では地銀・第二地銀という回答が多いものの、全国的に2番手はゆうちょ銀行、3番手はインターネット専業銀行との回答が多い。
 最もよく利用する金融機関について、都市部では都市銀行、地方では地銀・第二地銀という回答が多いものの、北海道ではゆうちょ銀行と回答する消費者が一番多かった。インターネット専業銀行と答える割合が最も多いエリアは九州エリア、次点で北海道である。信用金庫は東海エリアで健闘しているものの、全国的に見るとインターネット専業銀行と答える消費者の方が多く、ネット専業銀行の普及が見て取れる。

1.3 直近1か月間で入出金のあった口座数
2つの口座で入出金があったと回答している人が三分の一。3口座以上という回答も三分の一程度 存在しており、日常的に口座の使い分けがなされている。
 1か所の口座のみで入出金があったと答えた方が35%。残りは預貯金口座を使い分けていることが分かった。

1.4 最も預金残高が多い金融機関、2番目に多い金融機関で利用されているサービス
最も預金残高が多い金融機関では給与受け取りが多く利用されているものの、2番目に預金残高が多い金融機関ではそれほど多く利用されていない。
 最も預金残高が多い金融機関と2番目に多い金融機関では、クレジットカード引落が最も多く利用されているものの、2番目以降のサービスは両者で異なっている。調査結果から、預金獲得に効果があると考えられるのは、給与受け取り等の入金系口座の確保であることが推測できる。

2 メインバンクの利用動向

2.1 メインバンクの口座を開設したきっかけ
メインバンクに口座開設を行ったきっかけは、就職後・アルバイト時の給与入金口座用という入金目的の回答が半数を占める。
 メインバンクとして利用している金融機関の口座を開設したきっかけは、入金用という回答が半数を占めるものの、手数料や金利といったサービス面に着目した開設理由も2割程度見られた。また、幼いころから利用している金融機関をそのまま使い続けているという回答も一定程度見られた。

2.2 メインバンクを選んだ理由
メインバンクを選んだ理由の半数超は、自宅近くに店舗やATMがあるからという、チャネルに関するものである。
 メインバンクを選んだ理由の半数超は、自宅近くにチャネルがあるからという理由である。2割程度が、会社が指定した口座との回答があった。

2.3 メインバンクを変更した理由
メインバンクを変更した理由の半数超は、自宅近くの店舗やATMがなくなったからという、チャネルに関するものである。
 回答者のうち、22.9%はメインバンクを変更した経験があった。変更した理由は、近所の店・ATMがなくなったからという回答が最も多く、キャッシュポイントが近場にないと離反を起こすという結果になった。また、サービスが悪いという理由も2割程度おり、金融機関のサービス改善努力が望まれる。

3. 預かり資産

3.1 金融機関で「投資信託」、「国債・地方債」もしくは「生命保険」を加入・購入した理由
金融機関で「投資信託」、「国債・地方債」もしくは「生命保険」を加入・購入した最大の理由は、渉外員からの勧誘。店頭のパンフレットを見て相談したという意見も2割程度存在。
 金融機関で投資信託、国債・地方債、生命保険を購入・加入したことのある方に、購入した理由を伺ったところ、渉外員からの勧誘との答えが一番多かった。店頭のパンフレットを見て相談した方も2割程度おり、ATMコーナーをはじめとして、お客さまが来店されるエリアならびに動線を加味した掲示物・パンフレットの設置が、販売促進において有効ではないかと推測される。

4. 非対面チャネルの利用動向

4.1 インターネットバンキングの利用頻度
6割程度の回答者がインターネットバンキングを利用。ただし、パソコンからのアクセスが多く、スマートフォンからの利用は3割弱にとどまる。
 インターネットバンキングの利用はパソコンからの利用が大半を占める。利用頻度は月に1回程度という回答が最も多く、月に1回以上利用する人は4割程度存在する。

4.2 インターネットバンキングを利用しない理由
インターネットバンキングを利用しない理由の半数近くが、セキュリティーへの不安を指摘している。
 インターネットバンキングを利用しない理由の筆頭はセキュリティーへの不安である。利便性を感じない理由の背景には代替手段でニーズが満たされているためではないかと思われる。一方で、申込手続やログインなど、利便性の問題を指摘する声も四分の一程度見られた。

4.3 インターネットバンキングにおける利用サービス
インターネットバンキングにおける利用サービスは入出金明細の確認と振込が大半。
 入手金明細の確認や振込といった、日常的な金融取引においてインターネットバンキングは利用されている。定期預金や預かり資産に関する利用状況はあまり多く見られない。

4.4 ATMの利用場所
店舗外、コンビニATMが拡がるものの、半数は銀行店舗内のATMを利用。
 最も多く利用するATMの設置場所を聞くと、半数以上が銀行店舗内のATMと回答。メインバンクを変える理由の筆頭に近隣の店舗やATMがなくなったこと、という回答があったことを考慮すると、銀行店舗の存在感はいまだに高いものと考えられる。一方で、コンビニエンスストア・スーパー等の商業施設内のATMとの回答も四分の一程度ある。

5. 有人店舗の利用動向と意向

5.1 金融機関の有人店舗に出向く理由
有人店舗に出向く理由は入出金、定期預金関連、振込・税金が多くを占める。
 有人店舗に出向く理由は入出金、定期預金関連、振込・税金が多くを占める。諸届や両替といった、金融機関にとっては手数料等収入に結びつかない用件の来店がそれに続く。投資信託や生命保険といった預かり資産で訪問する割合は少ない。

5.2 窓口の時間外での利用意向
金融機関の窓口の時間外開設は、7割超のニーズがある。
 夕方・夜間の開設に対するニーズは、41%、土日・祝日の開設に対するニーズは55%ある。一方で利用しないという回答は28%あった。

5.3 夕方・夜間、土日祝日で利用したい金融機関のサービス
時間外開設で利用したいサービスは、税金・諸届が多いが、資産運用やローン商品など、金融機関側の収益拡大に資するニーズも4割程度存在する。
 税金、諸届に対するニーズは多くあるものの、金融機関の収益貢献をする資産運用やローン商品、保険・年金の相談申込ニーズは合わせて42%ある。項番5.1で金融機関の有人店舗に行く用件のうち、資産運用・保険に関するものが一桁台だったことを踏まえると、土日祝日の開設は、潜在的なニーズ獲得に資するのではないかと考えられる。

6. 消費者の支払方法

6.1 公共料金の支払方法
公共料金の支払いは口座引落が半数以上を占める。
 公共料金の支払いは口座引落が半数を占めるものの、クレジットカードによる支払いも三分の一程度見られて、カード支払が浸透していることがわかる。

6.2 インターネット・ショッピングでの支払方法
インターネット・ショッピングでの支払いはクレジットカードでの支払いが圧倒的。
 インターネット・ショッピングでの支払いはクレジットカードの利用が8割近い。理由を尋ねたところ、7割超がポイントが付くからという回答であった。コンビニエンスストアで支払う理由の筆頭は、使いすぎないようにするためという理由が最も多かった。

6.3 1か月に1回以上利用している電子マネー
よく利用する電子マネーは、関東では交通系電子マネー、四国ではWAONが半数超を占める。
 1か月に1回以上利用している電子マネーは地域によって大きく異なる。関東では交通系電子マネー、四国ではWAONを半数超の方が利用していると回答している。一方で、東北ではnanacoが最も使われている。電子マネーを利用していないという割合は、関東で最も低く、北信越エリアで最も高い割合になっている。

6.4 スーパーマーケットでの決済手段
スーパーマーケットでの決済手段は半数超が現金。クレジットカードと電子マネーの利用は地域によって異なる。
 スーパーマーケットでの決済手段は、現金決済が半数超を占めるものの、関東ではクレジットカードでの支払が4割程度ある。項番6.3でWAONの利用が多いという回答であった四国エリアでは他エリアに比べて電子マネーでの決済比率が高い。

6.5 コンビニエンスストアでの決済手段
コンビニエンスストアでの決済手段は現金、電子マネー、クレジットカードの順番であり、地域の差異は大きくない。
 コンビニエンスストアでの現金決済の比率はスーパーと同様であり、現金を好む消費者は半数程度存在しているものと考えられる。ただし、関東エリアでは現金比率が半数を切っている。


【調査概要】
調査対象:NTTコム リサーチ クローズド調査
調査方法:非公開型インターネットアンケート
調査期間:2016年8月23日~2016年8月26日
有効回答者数:1,092人
標本設計:18歳以上の男女を対象。

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