第1回 現代人の語彙に関する調査 

2016年09月15日
ベネッセコーポレーションは、グループ内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」の協力のもと、2016年7月に全国の高校生から社会人全3,130名を対象に「第1回 現代人の語彙に関する調査」(略称:語彙調査)を実施しました。

「語彙・読解力検定」が辞書語彙・新聞語彙の2領域から厳選した540語の「熟知度」を調べ、現代を生きる人々の言語活動の実態、及びその年代、生活、行動などによる「語彙力」の違いを明らかにすることで、現代人に必要な言葉の力を高めるにはどうすればよいかを検討することを目的としています。

【主な調査結果】

1.高校生の方が親世代より「知っている」語彙は「新語」
 スマートフォン、SNS世代の高校生と、その親世代である40代以上の社会人とで、知っている割合に差がある言葉を見てみると、高校生の方が「知っている」言葉は、ほとんどがカタカナかひらがなで表される略語、いわゆる「新語」だった。LINEなどをするのに便利な、短くて漢字変換が必要ない言葉も積極的に取り入れていることが分かる。
 一方、親世代である40代以上の社会人の方が高校生よりも「知っている」言葉は、日常的に口語として使われる言葉が少なく、社会的な時事用語も含まれる。また、同じ意味の言葉であっても、例えば親世代では8位に「こきおろす」、高校生では1位に「ディスる」があり、世代間で用いる語彙の違いがうかがえる。

2. 読書量や読書の分野の幅が「語彙力」に影響
 年代を問わず、読書量が多い人、読書をする分野が幅広い人の方が「語彙力」が高かった。また、特定の分野では、「ノンフィクションのみ」を読む人の「語彙力」は「新聞・ノンフィクション以外の複数種類」を読む人の「語彙力」を上回っており、「ノンフィクション」の本を読むことが「語彙力」によい影響を与えている可能性がある。

3.対話の機会が「語彙力」を高める
 高校生では親や学校の先生など、社会人では職場や仕事関係の人など、多様な年齢層や関係の人々と対話する頻度が高い人ほど、「語彙力」が高い傾向がある。

4.高校生、大学生にとって「語彙力」に差をつけるのは、関心や意欲
 高校生・大学生という若い世代で「語彙力」の差につながる要素は、高校生では社会や言葉への「関心」「意欲」の高さ、大学生では「読書好き」「読書量の多さ」である。
 高校生では、社会や言葉への「関心」や「意欲」は「読書量」よりも「語彙力」との関連が高く、社会や言葉への関心を高め、新聞やニュースを読んだり、こまめに辞書を調べたりすることは高校生にとって「語彙力」を高める有効な方法の一つであるといえる。大学生でも、「読書」に次いで社会や言葉への「関心」「意欲」との関連が高かった。

5.世帯年収が高いほど、「語彙力」が高い
世帯年収が高い人ほど、「語彙力」が高い傾向がある。

6.主観的幸福度が高い人ほど、「語彙力」が高い
 自分は現在どのくらい幸福だと思うかを、10点(とても幸福)、0点(とても不幸)までの11段階で答えてもらった「主観的幸福度」と「語彙力」の関係を見ると、「主観的幸福度」が高い人ほど「語彙力」が高い傾向がある。


【調査概要】
名称:第1回 現代人の語彙に関する調査 (通称:語彙調査)
調査テーマ:年代、生活、行動と語彙力の関連性を明らかにする調査
調査方法:インターネット調査(専用ページにて回答入力を行う)
調査時期:2016年7月
調査対象:全3,130名
 高校生(高校1年生~3年生):1,040名
 大学生(大学1年生~4年生):1,040名
 社会人(20代~30代): 520名、(40代~60代):530名
※男女比は均等人数
※高校生・大学生は各学年均等、社会人は10代刻みで均等人数

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[ベネッセホールディングス]
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