外食・中食市場2016第2四半期の動向 

2016年09月08日
外食・中食市場情報サービス『CREST®』を提供するエヌピーディー・ジャパンは、外食・中食市場2016年第2四半期動向の分析を紹介します。

消費者の節約志向が強まり、値上げや高価格帯の店が苦戦し始めたと言われていますが、2016年第2四半期の外食・中食市場はどのように動いたのか、エヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST®マーケットトレンドレポート 2016Q2 vs. 2015Q2』から分析を紹介します。

【調査結果】

外食・中食市場全体の売上は微減

外食・中食市場全体の2016年第2四半期の成長率(図表1)をみると、売上は対前年同期比-1%と微減。2016年第1四半期では食機会数*、売上ともに微増でしたが、今期は、食機会数が減少したことで売上が減少しました。6月の悪天候が影響したほか、節約志向の高まりの影響を受けたと考えられます。

スーパーの食機会数がマイナス成長に転じる

業態別の食機会数の成長率(図表2)をみてみると、スーパーマーケットが今期は減少に転じました。夕食の食機会数のマイナス幅が大きくなったことが影響しています。FR(ファミリーレストラン)は、GWなど休日、ディナーのファミリー層取込みに苦戦したことで食機会数が減少しました。FF(ファストフード)+セルフ型カフェ、CVS(コンビニエンスストア)はプラス成長を維持しています。

食事機会はすべて減少、間食機会が伸びる

食機会別の成長率(図表3)を見ると、2015年第4四半期まで4期連続でマイナス成長だった間食機会(各午前間食、午後間食、夜間食)が2016年第1四半期に引き続き伸長しました。午前間食の伸びにはFF+セルフ型カフェとCVSの間食機会の伸びが影響しています。

昼食、夕食は前年同月比ですと2期連続減少していますが、2年前の2014年第2四半期とはほぼ同じ水準になっています。2015年に一時的に増えた食事機会、減った間食機会が2014年の水準に戻ってきているという見方ができます。

物価の上昇が依然として続き、特に外食ではアイテム単価が連続して増加しています。節約志向を受けて外食各社は値上げの見直しや低客単価業態への転換などを進めていますが、全体としてはアイテム単価は上昇し続けているのが現状です。消費者は、これに対応すべく外食・中食する食機会数を減らすことで出費を維持していると考えられます。消費税増税延期と所得の増加傾向を受け、消費者の財布のひもが緩み始めるタイミングはいつなのかが今後注視していくポイントになりそうです。


* 食機会数
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前間食/昼/午後間食/夕/夜間食)数

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[エヌピーディー・ジャパン]
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