MONEX 個人投資家サーベイ(2016年8月調査) 

2016年08月17日
マネックス証券は、個人投資家の皆様の相場環境等に対する意識調査のため、2016年8月5日~8月8日にマネックス証券に口座をお持ちのお客様向けにアンケートを実施しました。
今回は日本銀行の金融政策への期待感および相場観などについて調査しました。

【調査結果】

1.今月の特別調査~日本銀行の金融政策について~
一定数の個人投資家は ETF のさらなる買い入れ増額やヘリコプターマネー導入を期待


 今月は日本銀行の金融政策について特別調査を行いました。7 月の金融政策決定会合で日銀は ETF の買い入れ金額を年間 3.3 兆円から 6 兆円にほぼ倍増させることを決定しました。それを受けた個人投資家の投資マインドの変化は限定的で、8 割近くの個人投資家が金融政策決定会合前後で「投資意欲が変わらない」と回答しました。
 また、次に日銀が追加緩和を実施すると思う時期について尋ねたところ、「9 月」との回答が最も多くなりました。ただ、「9 月」と回答した個人投資家の割合が 30%だったのに対し、「10月」が約 25%、「12 月」が約 19%と次の追加緩和時期の予想は分かれています。
さらに、9 月の金融政策決定会合で決定されそうな政策についても質問しました。すると、「ETF・J-REIT の買い入れ増額」との回答が最も多く、次に多かったのが「国債の買い入れ増額」となりました。日銀は現在行っている政策の拡大を行うのではないかとの予想が多数となっています。
日銀がどのような政策を行えば投資に対して強気になれるかという、いわば「個人投資家が期待する金融政策」についても尋ねました。最も多かった回答は「ETF・J-REIT の買い入れ増額」で、次いで多かったのが「超長期国債の直接引き受け(いわゆる「ヘリコプターマネー」)」でした。「ヘリコプターマネー」については、財政規律の崩壊やハイパーインフレを招くなどの懸念があることから否定的な論調も見られる一方、一定の割合の個人投資家は導入に期待を持っていることがわかりました。

2. 株式市場を取り巻く環境について
(2-1)日本株 DI(※1)は上昇も米国株と中国株の DI は低下

今後 3 ヶ月程度の各国(日本、米国、中国)の株式市場に対する個人投資家の見通しは、日本株 DI がわずかに上昇した一方で、米国株 DI と中国株 DI は低下しました。特に米国株 DI は前回調査時(2016 年 5~6 月実施)から 25 ポイントの大幅低下となりました。ダウ平均などの主要株価指数が史上最高値を更新するなど株価が高値圏にあることから株価調整に対する警戒感が強まっているのかもしれません。

【日本株 DI】(2016 年 6 月)4→(2016 年 8 月)5(前回比+1 ポイント)
【米国株 DI】(2016 年 6 月)49→(2016 年 8 月)24(前回比-25 ポイント)
【中国株 DI】(2016 年 6 月)-43→(2016 年 8 月)-50(前回比-7 ポイント)

(※1) DI:「上昇すると思う」と回答した割合(%)から「下落すると思う」と回答した割合(%)を引いたポイント
DI がプラス:「上昇すると思う」と回答した割合が高い。DI がマイナス:「下落すると思う」と回答した割合が高い。

(2-2)業種別魅力度は「通信」が 2 位に浮上
個人投資家が魅力を感じている業種上位 5業種のうち、1 位の「医薬品」、3 位の「ハイテク」、5 位の「自動車」は前回調査時から順位に変動がありませんでした。一方で「通信」が前回調査の 4 位から 2 位に 2 つ順位を上げました。2017 年 3 月期 第 1 四半期の決算発表で KDDI(9433)とソフトバンクグループ(9984)が第 1 四半期として過去最高の純利益を計上するなど、業績の好調さが投資魅力を高めているのかもしれません。

3. 為替市場について
円高を予想する割合が増加


今後 3 ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて、「円高になる」と回答した個人投資家の割合が 41%と、前回調査の 35%から増加しました。日銀の追加金融緩和の内容が市場の期待に及ばなかったことも、円高進行を想定する個人投資家が増加した理由の 1 つとみられます。

4. 個人投資家の日本株取引について
日本株への投資意欲に関する DI(※2)は改善と悪化がまちまち


今後 3 ヶ月程度の日本株への投資意欲について、「売買頻度」は前回調査から DI が改善した一方で、「投資金額」「保有銘柄数」の DI は悪化しました。日本株の方向感が見えにくいなか、投資判断に迷っている個人投資家が多いとみられます。

【売買頻度の DI】 (2016 年 6 月)18→(2016 年 8 月)19(前回比+1 ポイント)
【日本株投資金額の DI】 (2016 年 6 月)12→(2016 年 8 月)8(前回比-4 ポイント)
【日本株保有銘柄数の DI】(2016 年 6 月)7→(2016 年 8 月)3(前回比-4 ポイント)

(※2)売買頻度、日本株投資金額、日本株保有銘柄数について「増やしたい」と回答した割合(%)から「減らしたい」と回答した割合(%)を引いたポイント

5.注目するトピック
欧州の各トピックへの関心が大きく高まる


欧州の「政治・外交」「為替動向」「金利動向」などに対する関心が前回調査から大きく高まりました。英国が国民投票で EU からの離脱を決定したことによる影響を見極めたいとの思惑が強まったとみられます。その他には日本の「金利動向」への注目も高まっています。7 月の金融政策決定会合以降日本の長期金利が大きく上昇していることに対して関心が高まっていると考えられます。

6.米 中央銀行の金融政策について
6 割以上の個人投資家が FRB の年内追加利上げを見込む


連邦準備制度理事会(以下「FRB」)が次に利上げを実施する時期について、「2016 年10 月~12 月」と予想する投資家の割合が54.1%と最も高くなりました。「2016 年 9 月」に利上げが実施されると考えている個人投資家と合わせると 6 割以上が年内の利上げを見込んでいることになります。労働市場の改善などを背景に、FRB が比較的早期に利上げに動くのではないかと考えている個人投資家が多いようです。


【調査概要】
調査方式: インターネット調査
調査対象: マネックス証券に口座を保有している個人投資家
回答数: 647
調査期間: 2016 年 8 月 5 日~8 月 8 日

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