2017卒業予定の体育会学生の就職活動調査(2016年8月発行) 

2016年08月04日
DISCOは、2017年3月卒業予定の大学体育会所属学生を対象に、就職活動に関する調査を行いました。(調査時期:2016年6月14日~19日、回答数:283人)

【調査結果】

■体育会学生と一般学生の比較

1.就職活動について
[1] 就職活動量
就職活動の量(社数)を、「体育会学生」と体育会ではない「一般学生」とで比較した(それぞれ 6月時点の社数)。
両者に大きな差が見られたのはエントリー社数で、一般学生が 42.7 社であるのに対し、体育会学生は 28.8 社。体育会学生の方が 13.9 社少なく、一般学生の約 7 割にとどまる。一方、企業セミナーや選考試験などエントリー以降の活動については、両者に大きな差は見られない。体育会学生は就職活動の入り口で一般の学生よりも企業を絞る傾向があると言えそうだ。

就職情報会社等の主催する「合同企業セミナー」と、大学内で行われる「学内企業セミナー」への参加回数について比較した。合同企業セミナーは体育会学生が平均 3.4 回、一般学生が 3.2 回とほとんど差は見られない。
一方、学内企業セミナーにおいては差が見られ、一般学生は平均 4.1 回であるのに対し、体育会学生は 5.0 回。体育会学生は学業と部活動の両方を行うため、授業の合間に参加できる学内セミナーに足を運ぶ機会が多いと考えられる。

[2] OB・OG訪問
学生側から個人的に約束をとって行う自主的な「OB・OG訪問」について経験有無を尋ねたところ、体育会学生は 6 割を超え(64.0%)、一般学生(26.0%)の 2 倍以上に上った。体育会学生にとって、OB・OG訪問は、就職活動をする上で重要な活動の一つとなっていることが分かる。
OB・OG訪問の人数についても体育会学生の方が多く、一般学生は平均 3.0 人であるのに対し、体育会学生は平均 5.2 人を訪問。また、体育会学生の中には 10 人以上を訪問したという学生が 3 割(30.9%)にも上る。

2.内定状況
[1] 内定率
6 月中旬時点の内定率を比較した。体育会学生は 78.8%で、一般学生の内定率(76.0%)よりも 2.8ポイント高い。僅差ではあるが、体育会学生の方が内定を得ている割合が高いことが分かる。

[2] 就職決定企業の従業員数、株式上場の有無
6 月の調査時点で就職先を決定していた学生に決定企業の規模を尋ねたところ、体育会学生の 55.2%が「従業員数 5000 人以上」と回答し、一般学生(36.4%)より 18.8 ポイント高かった。また、上場企業の比率も体育会学生の方が高く、体育会学生が 81.2%だった一方で、一般学生は 60.6%だった。
体育会学生は、大手上場企業に多く決定していることが分かる。

[3] 就職決定企業に決めた理由
就職先を決めている学生に、決め手となった理由を尋ねた(選択肢の中から 5 つまで選択)。体育会学生で最も多かったのは「大企業である」(36.4%)で、一般学生(20.0%)の 2 倍近くに上る。次に「有名企業である」が 34.4%で続き、前ページで確認した、大手上場企業に多く就職先を決定している傾向と一致する。
一方で、「職場の雰囲気が良い」(30.5%)、「若手が活躍できる」(14.3%)は一般学生より高く、早くから力を発揮できる社風を魅力に感じる傾向が強いことがうかがえる。

■体育会学生への調査結果

3.体育会学生の就職活動
[1] 就職活動開始時期
ここからは体育会学生独自の調査結果を紹介する。比較可能なものについては前年調査(8 月実施)と比較しながら考察したい。
就職活動を本格的に始めた時期は、「12 月~2 月」という回答が 45.9%で最も多く、「3 月~5 月」が40.3%で続いた。「12 月~2 月」において 2017 年卒者は 2016 年卒者よりも 13.3 ポイント高くなっている。また、3 月より前に就職活動を本格化させていた層は合計して 55.8%となり(2016 年卒者 43.5%)、体育会学生の動き出しが前年よりも早まったことが分かる。

[2] 選考解禁前倒しの影響
選考解禁が 8 月から 6 月へと 2 カ月早まったことで、どのような影響を受けたのかを尋ねた。回答が多かったのは「就職活動が短期化し部活に専念できなくなった」で 35.3%。しかし、最も多かったのは「特に感じていない」(42.4%)だった。部活動への影響を受けた学生とそうでない学生に二極化した様子がうかがえる。

[3] 就職活動の難易度
自身の就職活動を振り返ってもらった。2017 年卒において、「とても厳しい」「やや厳しい」と捉えている割合の合計は 51.7%であり、「やややさしい」「とてもやさしい」の合計(18.3%)を大きく上回った。しかし、2016 年卒での「とても厳しい」「やや厳しい」の合計は 59.7%だったので、前年より 8 ポイント下がった。一方、「やややさしい」「とてもやさしい」の合計は前年(13.4%)よりも 4.9ポイント上がり、就職活動の難易度は前年より下がったことが分かる。

[4] リクルーターとの接触
リクルーターから接触を受けた経験の有無を前年と比較した。2017 年卒の体育会学生は 60.1%が「接触があった」と回答。2016 年卒の体育会学生(63.2%)を 3.1 ポイントとやや下回ったが、依然として 6 割以上の体育会学生がリクルーターから接触を受けた経験を持つ。

[5] 就職活動への周囲の理解
部活内での就職活動への理解について尋ねた。監督からの理解が「ある」は 92.2%で、部員からの理解が「ある」は 93.6%だった。前年同様、ともに 9 割以上が理解があると回答した。
また、部活動のある日に参加することが「認められる」ものとしては、学内企業セミナーが 82.3%で、学外企業セミナーが 85.2%だった。選考試験への参加に関しては 95.4%が「認められる」と回答した。選考試験の方が参加は認められやすいようだ。

[6] 部活関係者からの就職支援
部活関係者からの就職支援としては、「OB・OG からの個別の企業紹介を受けられる」(33.9%)が最も多い。「大学や体育会本部主催で体育会限定で学内説明会を開催してくれる」が 25.1%で、2 番目に多かったが、前年よりも 11.7 ポイント下がった。全体的に前年よりもポイントが下がり、就職支援が減っている様子がうかがえる。

[7] 企業の部活訪問
企業の部活訪問について尋ねたところ、「部活内企業説明会」があったという学生は 31.1%、「部活関係者からの紹介で企業訪問」をしたという学生は 33.6%で、ともに前年よりも減少している。
それぞれの社数を確認すると、「部活内企業説明会」が平均 5.4 社、「部活関係者からの紹介で企業訪問」が平均 3.3 社だった。
企業からの訪問が最も多かった時期は、企業の採用広報開始後の「3 月~5 月」(47.0%)で、「12 月~2 月」(45.3%)が僅差で続いた。前年との差が最も大きいのは「12 月~2 月」で、2017 年卒者の方が9.8 ポイント高い。選考前倒しや売り手市場などの影響から、企業の体育会学生に対するアプローチの時期が早まったと考えられる。

4.体育会のメリットとデメリット

[1] 体育会に入っていたことで就職に有利/不利だと思うこと
部活(体育会)に入っていたことで就職に有利だと思ったことを尋ねたところ、「部活内で就活に関する情報共有ができた」が 48.8%で最も多かった。また、「困った時に先輩やOB・OGに相談できた」が 37.5%で上位にあり、部活での繋がりを活かして就職活動を行っていることがうかがえる。
不利だと思ったことについては、「体力的にしんどかった」(38.2%)が前年よりも 10.8 ポイント減少した。期間短縮で体力的な負担は前年よりも軽減されたようだ。

[2] 部活(体育会)を通して身についたもの
部活を通して自分が身につけられたと思うものを尋ねた。最も多かったのは「礼儀」(78.1%)で、「コミュニケーション」(77.7%)、「上下関係の理解」(77.4%)が僅差で続いた。一方、回答が少なかったものを見てみると、「ムードメイク」(37.5%)、「分析経験」、「フォロワーシップ」(ともに42.4%)などが挙げられる。


【調査概要】
■体育会学生 体育会学生「大学スポーツチャンネル」CSParkCareer登録学生
調査対象 : 2017年3月卒業予定の大学体育会所属学生
回答者数 : 283人
調査方法 : インターネット調査法
調査期間 : 2016年6月14日~19日

■一般学生 2017年度 キャリタス就活 学生モニター
調査対象 : 2017年3月卒業予定のモニターのうち、体育会所属学生を除く
回答者数 : 1,021人
調査方法 : インターネット調査法
調査期間 : 2016年6月1日~5日 (内定率は6月15日に再調査)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ディスコ]
 マイページ TOP