日本のサイバーセキュリティ意識の実態調査(18 ~55歳対象) 

2016年05月09日
ESETは、日本におけるITリテラシーやサイバーセキュリティへの理解や実際的運用の現状を把握するために、2016年1月に、日本のユーザー1,033名を対象にアンケート調査を行いました。
調査は第三者機関に委託し、オンライン上で回答してもらいました。年齢は18 ~55歳、男女比はほぼ半々です。

【調査結果要約】

1 日本では、セキュリティ対策についてユーザーの意識と実際の対応に大きなギャップがある。対策に消極的な日本のユーザーは、サイバー攻撃の被害に遭う可能性がある。

2 日本のユーザーのサイバーセキュリティ意識はアジア太平洋地域(日本、マレーシア、シンガポール、インド、タイ、香港、インドネシア、ベトナム)においてトップクラスにある。

3 アンケートの回答者の70%以上がサイバーセキュリティに関する正式な教育を受けていないが、80%以上が基本的な質問に正しく答えている。日本のユーザーはこの分野の知識ではアジア太平洋地域でも群を抜いており、世代間の知識格差もない。

4 日本のネットユーザーの多くが、セキュリティリスクにつながる行為を意識的に回避している。ほとんどの回答者(86%)がサイバー攻撃を受けた機器はすぐにインターネット接続を切るべきだと理解しており、71%は知らない送信者から送られてきたメールの添付ファイルを開かないよう気を付けている。


【調査結果】

セキュリティ対策への不安
アンケート回答者の半数以上がサイバー攻撃を受ける可能性に不安を感じていました。また、75%の回答者がサイバー攻撃への対策に自信がないと答えました。
サイバー攻撃から自分の機器を保護できる自信がある はい=25%、いいえ=75%

サイバーセキュリティに関する知識
日本のユーザーの多くはサイバーセキュリティの基本を理解しており、バナー広告のクリックや、パソコン(Webブラウザー)に個人情報を保存する危険性も知っています。ただし、他のアジア諸国と同じように、携帯端末を狙ったサイバー攻撃が増えているという事実は十分に把握されていませんでした。

セキュリティ侵害が疑われている機器はインターネット接続を切断すべき 正解=86%、誤答=14%
アカウントごとに異なるパスワードを使用すべき 正解=96%、誤答=4%
ハッキングされる可能性は携帯機器よりもパソコンの方が高い 正解=56%、誤答=44%
ファイルのダウンロードは公式サイトに限るべき 正解=90%、誤答=10%
何もダウンロードしなければ、どのWebサイトを訪問しても大丈夫 正解=96%、誤答=4%
バナー広告のクリックは危険ではない 正解=89%、誤答=11%
添付ファイルを開かなければ、知らない送信者からのメールを開いても大丈夫 正解=93%、誤答7%
パソコンやWebブラウザーに保存した個人情報は安全 正解=95%、誤答=5%
携帯機器に保存した個人情報は安全 正解=93%、誤答=7%

日本のユーザーの問題点
日本のインターネットユーザーの多くは、セキュリティリスクにつながるような行為を控えています。しかし、パスワードやアカウントの管理が貧弱という特徴が見いだされました。この点については日本のユーザーには的を絞った啓蒙活動が必要です。
日本のインターネットユーザーは、安全に配慮してインターネットを利用し、情報の取り扱いにも注意を払っています。

サイバー攻撃への対策
日本のユーザーはセキュリティ対策にあまり積極的ではありません。調査したほとんどの対策について、定期的に行っていると答えた回答者は50%を下回っていました。

他のアジア太平洋諸国との比較
サイバーセキュリティ意識については、これまでにESETが調査したアジア太平洋諸国の中で日本は群を抜いています。なお、2位以下はマレーシア、シンガポール、インド、タイ、香港、インドネシア、ベトナムと続いています。

サイバーセキュリティに関する教育
日本のユーザーの多数は、他のアジア太平洋諸国と同様に、正式にサイバーセキュリティに関する教育を受けているわけではありません。
サイバーセキュリティについての知識は、公教育よりも、自主的に学んだか、職場などで得ています。

結論
日本のインターネットユーザーはサイバーセキュリティに関する知識がありながら、それを生かせず攻撃を受けるリスクを抱えています。日本のユーザーは知識としてセキュリティの基本事項を押さえており、危険な行動は控えるよう注意していますが、安心してインターネットを利用するにはさらなる対策が必要です。
技術水準の高い日本であっても、サイバーセキュリティ対策には改善すべき点があります。日本のユーザーがさまざまな技術を安心して利用できるようにするためにも、サイバー犯罪を防止する具体的な対策の実施をユーザーに徹底する取り組みが急務と考えられます。

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