シニアのライフスタイルと旅行に関する調査(2) 

2016年04月28日
JTB総合研究所は、「シニアのライフスタイルと旅行に関する調査」を実施しました。

【調査結果概要】

・二つの次世代新シニア「バブル」と「ポスト団塊」を大きく隔てるインターネット
 情報収集、選択、活用に長けた”ネットサーフィン世代”の台頭

・言われて嬉しい言葉は「実際の年齢より若くみえる」
 自分の年齢に応じて表示される広告は“余計なお世話”

・孫はやっぱりかわいい。“孫消費”には引き続き注目
 三世代旅行、中抜き二世代旅行にも可能性

【調査結果】

【シニアの生活と消費】
1. この 5 年間の生活の変化:
バブル世代は「子供が大きくなって手が離れた(24.9%)」
ポスト団塊世代は「孫の世話をするようになった(18.4%)」「介護をするようになった(9.1%)」


この 5 年間の生活の変化を見てみると、バブル世代は「子供が大きくなって手が離れた」と回答した人が 24.9%と全世代を通じて最も多くなりました。ポスト団塊世代では、「孫の世話をするようになった(18.4%)」「介護をするようになった(9.1%)」の山が高くなりました。子供の世話が終わり、自分の時間ができた段階のバブル世代と、そこから再び家族の世話が出てきたポスト団塊世代のライフステージの違いが浮き彫りになったと言えます。また、ライフステージ以外の項目では、バブル世代は「健康状態が悪くなった」が 26.5%と全体の 23.6%より約 3 ポイント高くなりました。収入に関しては、バブル世代、ポスト団塊世代共に「年収が減った」が上位を占める一方で(バブル世代 32.5%、ポスト団塊世代 57.7%)、ポスト団塊世代は「退職金や相続など一時的な所得があった」も 23.2%と他の世代に比較して高い結果となりました(図 6、表 2)。

2. 足元の景気については不安が大きい
バブル世代は「来年の消費増税後の生活が不安(58.2%)」、ポスト団塊世代は「海外の景気悪化による影響が心配(71.4%)」が1位


次に足元の景気や為替について質問をしてみると、全体的に「海外の景気悪化による影響が心配」「来年の消費増税後の生活が不安」「物価の上昇が生活を圧迫」「マイナス金利導入で今後の景気が心配」などが上位となり、「会社や産業の業績が良くなった」「投資を増やそうと思う」「給料やボーナスの上昇が期待できる」「景気の見通しが良くなった」などのポジティブな回答は少ない傾向となりました。特にポスト団塊世代はリタイヤしつつある時期でもあるせいか、バブル世代よりも不安が大きいようです。

また、今後の生活についての不安では、バブル世代もポスト団塊世代も「体力の低下や体調の悪化が心配」が1位となりました。この 5 年間の生活の変化(表 2)でも「健康状態が悪くなった」と回答した人の割合が高かったことと考え合わせると、まだ若く第一線で働くバブル世代とはいえ、少しずつ身体の衰えを意識し始める年代と言えるのかもしれません(図 7、8)。

3. 現在時間やお金を使っていることは、ポスト団塊世代もバブル世代もインターネットがテレビを超え1位
今後時間やお金を使いたいことは両世代とも「家族とのおでかけ(宿泊)」がトップ
バブル世代は、「家族とのおでかけ(日帰り)」や「ショッピング」なども高い傾向


現在、バブル世代やポスト団塊世代が「時間やお金を使っていること」では、両世代とも1位が「インターネット」でした。バブル世代では「ショッピング」、ポスト団塊世代では「テレビ視聴」が 2 位となっています。

今後お金や時間を使いたいことについて聞いた質問では、バブル世代、ポスト団塊世代共に「家族とのおでかけ(宿泊)」「家族とのおでかけ(日帰り)」が上位となりましたが、ポスト団塊世代ではより「家族とのおでかけ(宿泊)」が多く、「家族とのおでかけ(日帰り)」はバブル世代で高い傾向が見られます。バブル世代はまだ仕事が忙しく、長い旅行をしにくい状況なのではないでしょうか(図 9、図 10)。

4. まだまだ第一線で活躍する毎日。現役で働くバブル世代の今の気持ちを表す一文字は「疲」「鬱」
リタイヤ期に差しかかり、一息つき始めたポスト団塊世代では「楽」の割合が高まる


プロフィールで見たように、まだ現役で仕事をしている人が多いバブル世代。子供が完全に独立していない人も多いと考えられます。公私共に気が抜けない毎日なのか、今の気持ちを表す一文字として「疲」や「鬱」が比較的多くあげられる傾向となりました。一方、徐々にリタイヤ期に差し掛かりつつあるポスト団塊世代は、「忍」や「鬱」も多いものの、「楽」の割合は 10.3%と、全体の 8.5%やバブル世代の 6.7%と比べると高くなり、精神的にも余裕ができつつあるようです(表 3)。

5. 言われて嬉しいこと:バブル世代は「実際の年齢より若くみえる」、ポスト団塊世代は「親しみやすい」

次に、自分が言われて嬉しい言葉を選んでもらった結果をみると、バブル世代では「実際の年齢より若くみえる」が 26.1%と最も多い結果となりました。2 位には「親しみやすい」、3 位には「頭の回転が早い」が続きます。

ポスト団塊世代が言われて嬉しい言葉は 1 位が「親しみやすい(29.8%)」、2 位が「優しい(26.0%)」で、バブルで 1 位だった「実際の年齢より若くみえる」は 3 位となりました(表 4)。なお、バブル世代もポスト団塊世代も、男女であまり大きな違いは見られませんでした。

6. 普段の買い物はスーパーやドラッグストアで。ポスト団塊はホームセンターや百貨店、バブルはコンビニや郊外のアウトレットも比較的利用

普段の買い物場所としては、スーパーやドラッグストアが1位、2位となりました。世代の特徴としては、バブル世代は大型ショッピングセンター、コンビニ、郊外のアウトレットなどが比較的高く、ポスト団塊世代はホームセンターや百貨店の利用が多い傾向でした(図 11)。

7. 一緒によく出掛ける人は、バブル世代もポスト団塊世代も配偶者が1位
バブル世代は子供や仕事関係の友人、親が比較的多い。ポスト団塊世代では孫の割合も高まる
孫はやっぱりかわいい存在。バブル世代、ポスト団塊世代の3人に1人は「孫と一緒に旅行したい」


普段よく一緒に出掛ける人は、バブル世代もポスト団塊世代も配偶者が1位で、特にポスト団塊世代では66.5%と全体より 8 ポイント上回りました。また、孫の割合も全体を上回っています。一方、バブル世代では子供や親の割合が高い傾向が見られました。バブル世代は、いわゆる“三世代”のまだ真ん中世代が多く、ポスト団塊世代は親世代が多くなっていると考えられます。

では、孫についてはどのように考えているのでしょうか。働き方や家族の概念も多様化してきている中、孫についてもドライな感覚を持っているのではないかという予想に反し、バブル世代では「いつも一緒にいて成長を感じたい」が 50.0%となりました。また、「孫と一緒に旅行したい」もバブル世代 36.4%、ポスト団塊世代 31.3%と、それぞれ 3 割を超えました。やはり孫が可愛いというのは、人間として普遍的な気持ちなのでしょう。これから孫ができるバブル世代、ポスト団塊世代も多いと予想されることから、孫との旅行(三世代旅行や中抜き二世代旅行)にも期待ができそうです(表 5、図 12)。

8. クレジットカードや電子マネーを活用

次に普段の消費についてみてみます。バブル世代、ポスト団塊世代のクレジットカード利用率はそれぞれ83.6%、84.3%で全体の 80.9%を上回りました。世代の特徴としては、ポスト団塊世代はプリペイドカード、バブル世代はデビッドカードの利用が比較的多くなりました。また、「可能な限りクレジットカードで支払う」と回答した人の割合もバブル世代 61.6%、ポスト団塊世代 58.9%と 6 割前後で、クレジットカードを積極的に利用している様子が垣間見られました。

最近 1 年間におけるクレジットカード利用の変化についての質問では、団塊世代でやや「減らした・減らそうと思う(33.3%)」が多く、退職を期にカードを整理しようと考える人もいると考えられますが、「使用をやめた」人の割合はどの世代も 5~6%程度に留まっていることから、退職をしても利用を止める人は少なく、決済方法の一つとして便利に使い続ける人が多数派であると考えられます(図 13~図 15)。

【次世代新シニアとインターネット】
9. 9 割以上がインターネット上で決済まで行った経験あり。日常の食料品から旅行まで様々なものを購入


インターネットでの決済経験については、バブル世代 96.3%、ポスト団塊世代 94.3%とほとんどの人がインターネットで決済を行った経験があると回答しました。また、購入したことのある商品についても多岐にわたり、書籍や雑誌を筆頭に、国内の宿泊施設、電化製品、お取り寄せ食品など様々なものを購入しています。特にバブル世代はほとんどの項目で全体を上回り、インターネットショッピングに積極的な姿勢が見てとれました(図16、図 17)。

10. 買い物のきっかけとなる情報源:バブル世代からインターネットが紙媒体を上回る
キーワード検索だけでなく、口コミや価格比較サイト、ブログなどさまざまなサイトから情報を取得


では普段の消費について、どのような情報源がきっかけとなって「買いたい」と感じるのでしょうか。買い物のきっかけとなる情報源を世代別にみてみると、バブル世代以降から、インターネットがきっかけとなる割合が新聞や雑誌などの紙媒体の割合を上回ることがわかりました。

また、バブル世代では、インターネットで情報収集をするにあたり、「キーワード検索で出てきたページだけを見る」人の割合は全体より低く、「口コミ、比較サイト、SNS、ブログなど様々なところから探す」は 55.2%と過半数を超え、全体よりも 6.3 ポイント高い結果となりました。若い頃からパソコンでインターネットを利用していたバブル世代は、スマートフォンだけを利用する若い世代よりもむしろ様々な情報源から、自ら幅広く情報収集を行うことに抵抗がないと言えるかもしれません(プル型の情報収集が得意)。

ウェブ広告についての考え方を見てみると、バブル世代はウェブ広告に比較的ネガティブな意識を持っているようです。「大きな広告が出ると間違えてクリックしてしまって邪魔だ」「検索履歴に関連した広告表示は監視されているようで嫌だ」などが上位になると共に、「年齢に応じた広告が出るのは余計なお世話だ」は 21.2%で、全体の 15.8%を 5 ポイント以上上回りました(図 18、19、表 6)。自分の意思で情報収集する傾向が強い分、一方的に出現する広告には敏感なのかもしれません。

11. SNS 利用の実態には「ポスト団塊とバブル」、「ポスト団塊 Jr.とプレゆとり」の間に大きな差

SNS の利用率をみると、「ポスト団塊とバブル」、「ポスト団塊 Jr.とプレゆとり」、の間に大きな差があることがわかりました。それと呼応するように、旅行先での SNS の利用についても同様の差が見られます。今後の ICTの進展によって、また違う動きがみられる時代も遠くないと考えられますが、SNS の利用という観点から見ると、バブル世代以降はより積極的に活用していると言えそうです(図 20、図 21)。

12. 旅行商品の予約はインターネット(ポスト団塊 63.5%、バブル 69.5%)

次にパッケージツアーや宿泊施設などの旅行商品はどんなところで予約しているのかをみると、バブル世代もポスト団塊世代も 6 割以上が「インターネット」と回答しました。一方、旅行会社の店舗に来店して予約する割合は、バブル世代 12.7%、ポスト団塊世代 13.1%と全体の 14.0%を下回っています。むしろミレニアル世代やポスト団塊 Jr.世代で店頭での予約が多い傾向が見られました。旅行の経験を積むにつれ、自分で判断できることも多くなり、また前述した通り、バブル世代は自らの意思で、口コミや SNS、ブログなど様々な場所から情報を探すのが得意であることから、インターネットだけでも十分と考える人が多くなるのではないかと考えられます。また少数ながらもポスト団塊 Jr.でも比較的店頭での予約が多いのは、ちょうど家族旅行の時期で旅行人数が多いなど、子供の対応や三世代旅行などの複雑な手配について相談したいといった要望が多いのではないでしょうか。ミレニアル世代は旅行経験が少なく情報の選別が未熟であること、情報が溢れているにも関わらずスマホアプリや SNS によるプッシュ型情報に慣れ、自ら積極的にサイトに情報を取りに行かない傾向が過去の調査から見られることから、店頭での第三者の助言が必要な場面も多いと考えられます(図 22)。


【調査概要】
調査方法:インターネットアンケート調査
調査対象:
 首都圏、名古屋圏、大阪圏に住む20歳から79歳までの男女3,610名
 過去1年以内に1回以上、宿泊を伴う旅行をしたことがある人(国内、海外問わず)
調査期間:2016年3月8日~3月14日

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