キャンピングカー白書2016(業界調査とユーザー調査) 

2016年06月27日
日本RV協会は、キャンピングカー業界の動向とユーザーの現状の最新データをまとめた『キャンピングカー白書2016』を発行するに至りました。
調査の結果、業界全体の売り上げは約357億円に達し、またユーザー層ではシニア夫婦の2人旅が一層増えるなど、数々の興味深いデータを抽出することができました。

■キャンピングカー業界調査の概要

1) 日本のキャンピングカー総保有台数は95,100台
 日本RV協会(JRVA)に所属するキャンピングカー事業者が昨年(2015年)に出荷および輸入したキャンピングカーの総台数は5,264台、廃車台数は79台であることが分かりました。
 それに、これまでの保有台数(推定89,800台)を足すと、日本国内におけるキャンピングカーの総保有台数は約95,100台と見積もることができるようになりました。

2) 「8ナンバー以外」車の著しい増加が国産車の出荷台数を伸ばす
 日本RV協会会員事業者による2015年度の国産キャンピングカーの新車の総出荷台数は、軽自動車キャンピングカーを含め4,968台でした。これは、その前年(2014年)の4,434台を534台上回り、前年比12.0%増といえます。
 この出荷台数を、キャンピングカーのジャンル別に見ていくと、一番多かったのは、簡易的なキャンピング装備を組み込みながらも3ナンバー登録もしくは4ナンバー登録となる「8ナンバー以外」の車両で、前年比33.8%増を記録して1,830台を達成しました。次に出荷台数が多かったのは国産バンコンで、前年比1.9%増の1,682台となりました。また、バンコンと並んでユーザーに人気のあるキャブコンも、前年より86台増(前年比6.8%増)の1,349台を記録しました。

 さらに軽キャンピングカーの市場拡大も目覚ましく、前年調査では689台だった出荷台数を1,077台まで伸ばして前年比56.3%増となりました。
 以上は国産キャンピングカーの出荷台数ですが、一方輸入車の輸入台数も堅調に推移し、昨年海外から国内に持ち込まれた輸入キャンピングカーの総台数は296台(前年比3.5%増)となりました。

3) キャンピングカーの売上金額は過去最高の約357億円を記録
 事業規模の指標となる売上金額を集計してみますと、2015年度は、ついに過去最高の357億1,922万円(前年比110.9%)を記録しました。
 それを牽引したのは、8ナンバー登録の新車であり、2014年の178億5,812万円を上回る194億5,898万円(前年比109.0%)を計上しました。この金額は、構成比では売上総額の66.9%にあたり、1社当たりの平均金額では2億4,023万円に相当します。
 また、中古車市場においても8ナンバー登録車は堅調で、こちらも前年度の86億9,551万円を上回る96億1,769万円(前年比110.6%)を売上げ、2015年度の売上額の向上に大きく貢献しました。


【調査概要】
キャンピングカー業界調査
調査対象:日本RV協会会員のキャンピングカーメーカーおよび販社103社<回収 96社、回収率 93.2%>
調査方法:アンケート用紙を郵送し、返信を日本RV協会事務局が委託した調査機関にて集計
調査項目:65項目
調査期間:2015年12月末日~2016年1月末日
※ 同データにおいては協会非会員事業者による登録・販売数は含みません

■キャンピングカーユーザー調査の概要

1) ユーザーは60歳代が中心だが、50歳代も増加
 キャンピングカーユーザーの年齢は、ここ数年60歳代が中心であり、今回もその傾向が維持されましたが、今回の調査では、50歳代30.7%(3.2ポイントアップ)、60歳代は38.8%(1.8ポイントアップ)となり、50歳代の増加が目立ちました。
 ただ、全体的に見ると、50歳代~70歳代が全体の75.3%を占めている状況は変わりなく、日本のキャンピングカー人口の年齢構成がRV先進国のヨーロッパ並みになりつつある様子がうかがえました。

2) 旅の同行者のトップは「夫婦」
 キャンピングカー旅行の同行者を調査した結果、一番多いのは「夫婦2人で」という答で、全体の62.9%を占めてトップに立ちました。次に多いのが「子供を含めた家族」であり、28.3%でした。「夫婦2人」は前回調査よりも4.4ポイント上がり、一方の「子供を含めた家族」は4.2ポイント下がりました。
 このことから、ユーザー層の中心が「子連れのファミリー」から「子育ての終わった夫婦」へ移行している様子が見てとれます。
 ちなみに、キャンピングカーの購入動機を尋ねても、「夫婦2人で旅行を楽しむため」という答が半数に迫る49.5%を占めました。

3) 500万円台の車両が最も売れているが、二極化の気配も
 ユーザーが購入したキャンピングカーの価格帯で、一番多かったのは500万円台であり、その次は400万円台。その後に300万円台と続く結果になり、その三つで過半数にも迫る46.5%を占めました。
 このように、400万円台以下の価格帯に属するキャンピングカーが売れている一方で、800万円台から900万円台という高額価格帯に属する車両も前年調査よりポイントを上げており、購買層が二極化している様子も浮かび上がりました。
 世にいう“経済格差”がユーザー層にも及んできたように見えますが、それでも400万円台~500万円台の車両が中軸であることには変わりなく、キャンピングカーが一部の富裕層のものではなく、多くの中間層に認められた商品として認知されている様子を示しました。


【調査概要】
ユーザーアンケート調査
調査対象:「くるま旅クラブ」会員のキャンピングカーユーザー4,808人(2015年 12月現在) <回収 3,012人/回収率 62.6%>
調査方法:アンケート用紙を郵送し、返信を日本RV協会事務局が委託した調査機関にて集計
調査項目:46項目
調査期間:2016年1月24日~2月末日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本RV協会]
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