2015年度 玩具市場規模調査 

2016年06月07日
日本玩具協会は、2015年度 玩具市場規模データを公開しました。

【調査結果】

◎玩具市場規模の概況

2015年度の国内における玩具市場規模は上代価格(希望小売価格)ベースで前年度比99.0%の8,003億円でした。前年の2014年度は過去10年で最高の売り上げを記録しましたが、2015年度も同様の売上げを達成したことになります。特に、玩具の中核を占める10分野(注参照)では、2015年度の市場規模は前年度比102.2%の5,015億円で、同じく過去10年で最高だった2014年度を上回ることができました。
2014年度が「妖怪ウォッチ」「アナと雪の女王」という大ヒットキャラクターによって大きな売り上げを作ったのに対し、2015年度は、トレーディングカードゲームの人気が復活したのに加え、「トミカ」「リカちゃん」「シルバニアファミリー」「メルちゃん」「アンパンマン」といった定番商品が大きく売り上げを伸ばしました。またブロックやトイRCカーも好調でした。
日本玩具協会では、玩具の周辺分野としてカプセル玩具と玩菓はこの調査と切り離して別途調査していますが、2015年度のカプセル玩具の国内市場規模は316億円で前年度比99.0%、玩菓は520億円で同79.0%でした。
玩具の周辺市場にはこのほかにもテレビゲームをはじめ、様々なキッズやエンターテインメントの市場があり、少子化の中でも玩具関連市場と玩具業界の可能性は大きなものがあると考えています。

(注)主要10分野とは、①ゲーム(テレビゲーム関連を除く)、②カードゲーム、トレーディングカードゲーム、③ジグソーパズル、④ハイテク系トレンドトイ、⑤男児キャラクター、⑥男児玩具、⑦女児玩具、⑧ぬいぐるみ、⑨知育・教育(ベビーカー・チャイルドシート・三輪車などの乗用関連を除く)、⑩季節商品、です。

◎商品動向

2015年度の玩具市場において、前年より特に大きく伸びた商品分野を大分類でみると、前年度比131.8%のハイテク系トレンドトイ、116.7%の男児玩具、110.5%のトレーディングカードゲームでした。
トレーディングカードゲームは「デュエル・マスターズTCG」と「遊戯王OCG」などの売り上げ増が顕著で、金額では最も伸びた分野となりました。ハイテク系トレンドトイでは「リニアライナー」「オハナス」や、ロボット玩具などの話題商品が貢献しました。

男児玩具ではトイRCカーが前半は飛びモノ、後半は車モノが良く売れて前年度比127.3%、「トミカ」などが人気を集めたミニカーが同110.9%、さらにレールトイも同108.9%と、いずれも好調でした。
女児玩具では、「メルちゃん」「ぽぽちゃん」が大きく伸びた抱き人形が前年度比150.3%を記録、「リカちゃん」が牽引した着せ替えも同119.0%と2桁伸び、「シルバニアファミリー」が好調だった女児コレクションも同105.2%という好結果を残せました。

中分類で見ると、ほかに伸びたのは、レゴなどの伸びが顕著だったブロック(前年度比130.8%)、「野球盤3Dエース」が人気となった一般ゲーム(前年度比106.7%)などで、知育関係ではアンパンマン商品や木製玩具、プリスクールも良く売れました。
逆に厳しかったのは、前年に「妖怪ウォッチ」商品で大きく伸びた男児キャラクター(前年度比79.4%)、ぬいぐるみ(同86.1%)、雑貨(86.0%)、及び小物玩具などでした。女児キャラクターも前年の反動で苦戦しました。ジグソーパズルも前年度比93.0%に留まりました。
また季節玩具ではハイシーズンとなる春と秋が好天に恵まれたスポーツ玩具は良かったものの、ピーク時にあたるお盆前後に雨の日が多かった花火などはやや苦戦しました。
ホビー商品では鉄道模型が伸び、フィギュアも前年並みを維持したものの、プラモデルは微減でした。
こうした商品動向の中で2015年度の国内玩具市場は、過去10年で最高の売上高を達成した前年実績にほぼ近い売り上げを確保することができたわけです。2015年度は玩具業界が総力を結集して前年売り上げの維持に努力し、結果を残せた年だったともいえるでしょう。
玩具市場は、先のゴールデンウィーク商戦でも昨対105%前後の売り上げで推移しており、今回の東京おもちゃショーで発表される各社の新製品を主軸に、夏休みからクリスマス商戦でも、これまで以上の盛り上がりを玩具業界では期待しています。


(本調査は、一般社団法人 日本玩具協会の会員企業及び東京おもちゃショー出展企業の出荷額をベースに、さまざまな角度から調査・推計したものです)

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[日本玩具協会]
 マイページ TOP