秋葉原を訪れた外国人観光客に街頭調査 

2016年05月20日
GMOリサーチと、海外向けローカライズ事業・リサーチ事業・プロモーション事業を手がけるLIFE PEPPERは、提携第1弾として、訪日外国人観光客の実態を探るべく、東京・秋葉原を訪れた外国人観光客100名を対象に街頭調査を共同で実施しました。

【秋葉原での訪日外国人観光客・街頭調査結果】

業務提携第1弾として、東京・秋葉原を訪れた外国人観光客100名に対し、共同の街頭インタビュー調査を実施いたしました。同調査では、主に秋葉原での観光の目的について、団体ツアー客と個人客、中華圏と欧米の観光客の比較を行っています。

【調査結果】

■回答者の属性

回答者の属性について、中華圏、欧米ごとに、性別・年代、旅行形式(団体ツアー客、個人客)をまとめた。
・性別・年齢については、全体で男性60名(%)、女性40名(%)となり、年齢層は男性では20代37名(61.7%)、30代10名(16.7%)、女性は20代28名(70.0%)、30代8名(20.0%)と続き、20代~30代の若年層が中心となった。これは秋葉原を訪問する外国人観光客の年代構成を捉えたものではなく、街頭調査への協力率も大きく影響している

<中華圏からの旅行者 (n=78、団体ツアー40名/個人客38名)>
・団体ツアー客40名のうち8割(32名、中華圏全体の41.0%)が初めての訪日であったのに対し、個人客38名のうち初訪日割合は5割(19名、中華圏全体の24.4%)と、訪日2回目以上のリピーターは個人旅行にシフトする傾向が見られる。

<欧米からの旅行者 (n=22、団体ツアー2名 / 個人客20名)>
・欧米全体の90.9%を占める個人客20名のうち、13名(欧米全体の59.1%)が初めての訪日であった。これは、欧米発で日本を目的地とするパッケージ商品が少ないことが影響していると考えられる。

■秋葉原を訪問した目的
 中華圏では旅行形式別で大きな差が見られた。

<中華圏からの旅行者 (n=78、団体ツアー40名/個人客38名)>
・団体ツアー客では、「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買物、サービス」(37.5%)、「家電の買い物」(27.5%)と続いた。その他では、「ツアーの日程に組み込まれていたから」(25.0%)、「特に無し」(12.5%)が合わせて4割弱となり、特に目的を持たずに訪問している人も一定数いることが分かった。
・一方個人客では、団体ツアー客と比較して、「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買物、サービス」が57.9%と突出しており、リピーター割合の高い個人客には、秋葉原がアニメ・マンガといったサブカルチャーに特化した繁華街であると強く認識されていることがうかがえる。

<欧米の個人客(n=20)>
・欧米個人客では、「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買物、サービス」(55.0%)に次いで「オタク文化発信地としての秋葉原体験、見学」が40.0%と高く、日本のサブカルチャーやオタク文化を代表する観光地として訪問対象になっていることが分かる。

■秋葉原訪問にあたっての情報収集先
・「インターネットサイト」からの情報収集割合がどのセグメントでも高く、中華圏では団体ツアー客47.5%、個人客50.0%、欧米の個人客は65.0%に達した。
・「SNS」からの情報収集は、中華園では一定の割合を占めており、中でも個人客では21.1%と、「インターネットサイト」「友人や知人」に次ぐ情報収集先となっている。一方、欧米では0.0%だった。
・その他では、中華圏団体ツアー客は「友人や知人」から情報収集する人が団体ツアー客(40.0%)・個人客(39.5%)ともに約4割にのぼったほか、ツアー客においては「旅行ガイド(ツアーコンダクター)」が35.0%にのぼっていることから、中華圏の観光客はインターネットを利用しつつも、直接関わりのあった人からの情報収集にも積極的な傾向がある。

■家電の買い物を目的とした訪問客の詳細
 秋葉原を訪問した目的で「家電の買い物」を挙げた回答者27名に対して、購入前の商品の絞り込み状況や予算について尋ねた。

<購入対象(n=27[中華圏:団体ツアー客11名、個人客8名/欧米:団体ツアー客1名、個人客7名])>
・購入を予定している家電について、その他を除く商品カテゴリ別では「ドライヤー」(18.5%)がもっとも多く、次いで「ゲーム機器」11.1%、「カメラ」7.4%となった。 ・事前に購入対象をどこまで絞り込んでいたかを尋ねたところ、中華圏団体ツアー客では「買う品目の型番まで完全に決めていた」が63.6%と、中華圏個人客の同16.7%、欧米個人客の同33.3%と比較して高い結果となった。一方、欧米個人客においては「予算も含めて、当該品目を買うこと以外は何も決めてない」が66.7%と3分の2を占めた。中華圏では事前に商品をリサーチし買い物リストを準備して、指名買いする傾向にあるのに対し、欧米客はゆっくりと品定めをする人も多いことがうかがえる。

<予算額(n=27)>
・予算額については、回答を得られたのは27名のうち55.6%にあたる15名であった。その中では中華圏団体ツアー客の8人中6人が「予算額30万円以上」と回答しており、他セグメントと比較して圧倒的に高い結果となった。

■アニメ・マンガ等サブカルチャー目的の訪問客詳細
 「アニメ・マンガ・ゲーム等サブカルチャー関連の買い物、サービス」を目的の1つに挙げた回答者48名に、興味のあるジャンルや作品名を尋ねた。

<興味のあるジャンル(n=48、中華圏:団体ツアー客15名、個人客22名/欧米:個人客11名)>
・中華圏個人客においては、興味のあるジャンルについて「マンガ」(63.6%)、「アニメ」(63.6%)、「ゲーム」(45.5%)と続いた一方で、中華圏団体ツアー客は全体的に興味の度合いが低く、「マンガ」(20.0%)、「アニメ」(33.3%)、「ゲーム」(33.3%)と2、3割にとどまった。
・欧米個人客では、「ゲーム」が72.7%と圧倒的に高い割合を占め、続く「マンガ」「アニメ」もともに54.5%と過半数に達した。
・その他特筆すべき点として、中華圏は「声優」が団体ツアー客20.0%、個人客31.8%と一定の割合を占めるのに対し、欧米個人客は0.0%であった。これは、欧米では日本で一般的であるような「アニメ」や「ゲーム」の専業声優が依然として少なく、サブカルチャーと「声優」がイメージとして関連づけられていないことが背景にあると考えられる。

<作品名、キャラクター名(n=48)>
・具体的に興味のある作品、キャラクター名を尋ねたところ、「ドラゴンボール」「ONE PIECE」といった、海外でも広く翻訳され高い知名度を誇る作品と並んで、「ラブライブ!」「進撃の巨人」「銀魂」といった比較的新しい作品も数多く挙げられた。また、「AKB48」「乃木坂46」をはじめとするアイドルグループも挙がっている。

<予算額(n=48)>
・サブカルチャーに関連したアイテムの購入予算額を尋ねたところ、約半数にあたる23名から回答を得ることができた。このうち中華圏団体ツアー客(7名)が平均3万3,000円と高い一方、欧米個人客(4名)では最も高額の回答者も3万円に満たず、回答者平均は1万3,750円にとどまった。

■オタク文化の発信地「秋葉原」の体験を目的とした訪問客の詳細
 「オタク文化の発信地としての秋葉原体験、見学」を訪問目的に挙げた回答者26名に対して、秋葉原についてのイメージおよび、秋葉原で立ち寄った/立ち寄りたいところを自由回答で尋ねた。

<秋葉原のイメージ>
・秋葉原についてのイメージは、「すごく混んでいる」「うるさい」といった騒がしい繁華街のイメージのほか、「日本特有の二次元文化」「買い物、オタク文化を体験」といったサブカルチャーの街としてのイメージも挙がった。後者に関連して、「素晴らしい夢の国」「クレイジーなところ」といったイメージも挙がっている。

<秋葉原で立ち寄った/立ち寄りたい場所>
・秋葉原で立ち寄った/立ち寄りたいところとしては、具体的な店舗名は多く挙がらず、「ゲームセンター」のほか、「本」「フィギュア」等の品目を扱う店舗に行きたい、といった回答が大部分を占めた。その中では、「フクロウカフェ」という回答が欧米個人客から2件挙げられたのが特筆できる。

【まとめ】

今回の調査では、中華圏では団体ツアー客、個人客がほぼ同じ割合であったが、訪日2回目以上のリピーターは、個人旅行にシフトする傾向にあることがうかがえる結果となった。また、欧米人は9割以上が個人客であった。
また、訪日目的においては、調査を行った秋葉原という地域が持つ“家電”または“サブカルチャー”という特性を旅行者がどのように捉えているのかがうかがえる結果となった。中華圏・欧米の個人客は、サブカルチャーを目当てに、関連グッズの購入や見学・体験に訪れている人が多いことがわかった。特に中華圏の旅行者は“爆買い“のイメージがあるものの、「アニメ」「マンガ」「ゲーム」「声優」といったサブカルチャーを目的とした人が約5割にのぼり、家電購入目的の約2割を上回ることがわかった。

もちろん、家電の購入を目的としている人も、中華圏・欧米ともにサブカルチャー目的に次いで多い。中華圏では団体ツアー客の6割以上が買うものを型番まで確定するなど、事前に購入商品をリサーチして指名買いする人が多い一方で、欧米客は品目以外を決めず、店舗で品定めをして購入商品を決定する人が多いことがうかがえる。
さらに、秋葉原の持つイメージは、海外においても“サブカルチャー”や“オタク文化”に象徴されており、こういった嗜好を持つ旅行者を強力に惹きつけていることがわかった。関心の深いアニメやマンガについて、最近の作品も挙げられていることから、その流行の伝わる速さは日本とあまり変わらず、今後インバウンド消費拡大を狙ううえで、“サブカルチャー”は一つの切り口となると考えられる。


【調査概要】
調査テーマ:訪日外国人観光客の秋葉原訪問目的の詳細把握
調査対象:
 中華圏(中国本土、台湾、香港)団体ツアー客40名
 中華圏個人客38名、欧米人ツアー客2名、欧米人個人客20名
調査期間:2016年4月4日、4月6日
調査方法:街頭調査
調査場所:JR秋葉原駅近辺

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[GMOリサーチ]
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